気弱だけど、「惻隠の心」と「」を持ち合わせ、強大な力を正しく使う心の強さと「普通であること」について問いかけ、『人間ども集まれ!』や『成功のあまきかおり』で主人公を務めた、天下太平



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忍耐系ヒーロー・天下太平





天下太平は手塚治虫氏が生み出した、アトムやブラック・ジャック(間黒男)や写楽保介やレオとは違った方向性のヒーローの1人であり、私には『MW』の結城美知夫や『人間昆虫記』の十村十枝子のような「惻隠の心や仁義礼智信を持たず、勝つためには手段を選ばない、虚飾に屈した冷たい心」の主人公よりも、写楽保介や『人間ども集まれ!』の天下太平の方が立派で、アトムや間黒男やレオ程ではないにせよ、心が強く美しいとさえ感じることすらあります。








弱者の民意を理解せず、「真摯」や「責任」という言葉を安易安直に使えば解決できると思い込んでいる嘘ばかりつき、弱者に苦痛を押し付ける政治屋(所属党員6割以上からすら民意を顧みない姿勢が非難されるほど)や、障害を持っているという理由だけで作って切り刻んで戦わせて酷い目に遭わせる作家のような他者を平然と使い捨てにし大日本帝国の真似事をする陰湿な愚者と違い、『人間ども集まれ!』にて「普通であること」について問いかける手塚治虫氏が作り上げた天下太平という「魔で応ずる王」にもなりうると同時に雑誌連載時では「真なる仁の皇」になれた忍耐系ヒーローの方が「惻隠の心」と「」を重んじ、「基本的人権を虚仮(こけ)にしてはならない」、「戦争や災害の被害者を虚仮にしてはならない」、「特定の職業を虚仮にしてはならない」、「国民や社会的弱者を虚仮にしてはならない」「作家は権力の側に立ってはならない」という手塚治虫氏の願いが込められた「良い意味での大人」でもある真の強者だと私は想います。



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『人間ども集まれ!』でも同様の展開が在り、アトムやブラック・ジャックと共通する「」を重んじ、基本的人権を虚仮にする愚挙を許さない心が天下太平の魅力だと思います。政治家も作家も天下太平を見習って欲しいものです






仁:思いやり
義:人としての道を踏み外さない
礼:礼儀作法を守ること
智:正しい判断・知恵
信:信頼・誠実





惻隠(そくいん)の情
「弱者、敗者、虐げられた者への思いやりと共感」という意味で、
「人を思いやる心」



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天下太平はスターシステムでは父親役になることも多い。



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デフォルメされてるとはいえ、時には「主人公補正」というのも恩恵を与えるだけでなく、大変である、と感じさせてくれます。







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「現状」を嘆く天下太平。天下太平は喜怒哀楽がはっきりしています。



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天下太平は喜んでいる時やリラックスしている姿(喜怒哀楽でいう楽)は見ていて心が和みます。間黒男もですが、「惻隠の心」と「」を重んじるヒーローには笑顔が似合います。








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