今日は仕事からの帰宅時に手塚治虫の『地球を呑む』を図書館で借りて完読しました。
細かい感想についてはまだ丁寧に綴れるほどの整理整頓の段階には至っていませんが、『地球を呑む』とは「8つの枢要罪と現実世界」に関する問題提起であり、手塚治虫初の「ビッグコミック」連載漫画で、『人間ども集まれ!』の連載終盤時から開始され、『上を下へのジレッタ』と同時期の作品でもある、「虚飾」と「憤怒」と「欲」で彩られた、「金(英訳でgold)がウィルスのように広まる」重い物語であると読みながら感じました。
『地球を呑む』に登場するゼフィルスとは、名前の由来はギリシア神話に登場する風の神・アネモネたちのうち、西風のことであり英語ではゼファー (Zephyr)、フランス語とロシア語ではゼフィール (Zéphyr)ともいう、アネモイの中で最も温和で、春の訪れを告げる豊穣の風として知られているだけでなく、樹上性のシジミチョウの仲間の総括の名称でもあり、蝶は「8つの枢要罪」では「虚飾」とも関り、『地球を呑む』においては「ゼフィルス≒蝶≒虚飾」という繋がりにもなります。
荒川弘の『鋼の錬金術師』のラスボスにも「虚飾」を示唆する要素があり、『遊戯王OCG』の「広義の端末世界」である「竜剣士物語」や「星遺物世界」では、《アモルファージ・イリテュム》のように、《夢幻転星イドリース》は「虚飾のトロイメア」と解釈できる存在なのかもしれません(《オルフェゴール・トロイメア》は「憂鬱のトロイメア」の可能性も在り)し、『地球を呑む』の各章のタイトルも、「オルフェゴール」カードと同じように音楽関係の用語が使われていることも多い点が興味深いです。
『地球を呑む』は少なくとも、我々が「虚飾」と「憤怒」の大罪と向き合わされ、本当の「惻隠の心」と「仁義礼智信」について考えさせられる作品でもありますし、『ポケモン』ではミロカロスやフェローチェ、トゲキッスが好きで、リメイク版での「シーキンセツ」の件が受け入れられない人と相性が良いと思います。
仁:思いやり
義:人としての道を踏み外さない
礼:礼儀作法を守ること
智:正しい判断・知恵
信:信頼・誠実
惻隠(そくいん)の情:
「弱者、敗者、虐げられた者への思いやりと共感」という意味で、
「人を思いやる心」
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