昨日は「星杯の守護竜」と「アモルファージ」という記事で『遊戯王OCG』の考察をし、「魔轟神」と「アモルファージ」と「トロイメア」についても少し挙げ、『遊戯王OCG』のリミットレギュレーションでも今年に入ってから《トロイメア・ゴブリン》が禁止カードになってしまったことを思い出しながら、ネットサーフィンで「ゴブリン」に関して検索をしつつ、私が初めてリアルタイムで手塚治虫の漫画を読んだのは1985年秋から1986年の2月ごろまで「週刊少年チャンピオン」連載された『ゴブリン公爵』というサイキックアクションというジャンルの作品であり、最近は蝸牛くもの『ゴブリンスレイヤー』という創作が人気ということもあり、「7つの大罪」において「ゴブリン」は「自らの意思で抑えることができない欲」の象徴でもあるため、『ゴブリン公爵』は「自分自身の欲と向き合う物語」であり、『ゴブリンスレイヤー』は「欲を抑える重要性を問題提起する物語」であると解釈できます。











『ゴブリン公爵』は、超能力も身に着け「ゴブリン公爵」を名乗るようになる珍鬼と、守銭奴的で女性に惚れっぽい一面を持つが潜水の名手である徳川貫一という主人公と、珍鬼と出会ったことで、自身にPKの力があり、燈台鬼を動かす力もあることを知り自分を救ってくれた珍鬼に愛情を抱いているが、貫一と知り合うことで、珍鬼の野望を阻止すべく行動する愛愛というヒロインの3人が、神通力(超能力)を者が憑依することで動かすことが出来る燈台鬼という殷代に作られた青銅の像とかかわり、繰り広げられることで、我々に「自分自身の欲と向き合う」ことを意識させる物語です。





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※『遊戯王OCG』で有名なゴブリン





一方、『ゴブリンスレイヤー』に登場する「ゴブリン」は、『真・女神転生』シリーズに登場する頼もしい支援魔法カジャ系使い『ファイナルファンタジーⅪ』や『遊戯王OCG』の人間と共存できる良い意味での人間らしさを感じさせるドワーフやノームのような立ち位置とは異なり、学習能力は持っているが、性格はきわめて残忍かつ身勝手で、自分たちの悦楽を優先し、その一方で仲間意識や連帯感は薄く、自分たちの群れが攻撃されたことには怒りを抱いても、命を奪われた仲間については冷たく、攻撃してきた者に対しては自分の過ちに気付くことが無く愚挙をし続ける、「略奪する」という発想しか持たず自分たちで新たなものを作り出すことは無いため、主人公であるゴブリンスレイヤーは一切の躊躇無くゴブリンの子供も倒すほどという設定です。






『ゴブリンスレイヤー』に登場するゴブリンは、「自らの意思で抑えることができない欲」の象徴であると同時に、他者に対する思いやりが無く、障害を持っている人々や社会的弱者や少数派を顧みず、美しい海を汚し、金や経済を優先し、惻隠の情や仁義礼智信を失っていく我々に対する風刺でもあり、手塚治虫の『ゴブリン公爵』という漫画もある意味では手塚治虫版『ゴブリンスレイヤー』と解釈することもできる、ゴブリンシャーマンでありゴブリンロードでもある珍鬼=ゴブリン公爵の、「自らの意思で抑えることができない欲」と彼が憑依した燈台鬼を見せつけることで、普遍的な問題提起を真摯に行っています





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※ハリネズミが変異したアモルファージ・プレストと、品を収める品である櫃が由来の星遺物ー『星櫃』






仁:思いやり
義:人としての道を踏み外さない
礼:礼儀作法を守ること
智:正しい判断・知恵
信:信頼・誠実




惻隠(そくいん)の情
「弱者、敗者、虐げられた者への思いやりと共感」という意味で、
「人を思いやる心」





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