仁:思いやり
義:人としての道を踏み外さない
礼:礼儀作法を守ること
智:正しい判断・知恵
信:信頼・誠実
『LEFT ALIVE』の発売日が近づき、剣道の昇段審査の事を考えつつも『フロントミッション3』と『ガンハザード』を思い出すことが多くなりました。
何度考えても、『フロントミッション3』の主人公である「武村和輝」という名前は、『フロントミッション3』自体が分岐する物語であることだけでなく、真摯に考え抜かれた言葉の重さを問いかける名前でもあると思います。
少なくともエマ編では主人公が「仁・義・礼・智・信」を磨き上げ、自分自身の弱さを認め受け入れることができるよう成長していくことで「心許せる仲間をとの生活を重んじる心を天から照らす」真の強者になる話でもあり、「武」は「ほこどめ」とも読むことができ、エマ編のエンディングで和輝は負の感情を制することができるようになり、安易に力を振り回すことなく「戈(ほこ)を止める」ことで、和輝の父である伊佐夫が「剣士」でもある設定を踏まえて考えると、和輝もまた「剣士」である可能性も在り得、アリサの想い、ルカーヴの想いを理解した上で「武道を広めることで、争いの無い世界を作る」願いを忘れてはならない、という解釈もできます。
人間は最初から完成した者や完全を求めすぎていますが、『フロントミッション3』の物語は、人々の心の弱さを描くだけでなく、未熟であることを安易に否定せず、真摯に「仁・義・礼・智・信」の心を育むことの尊さを訴えているからこそ、「フロントミッションシリーズ最高傑作」と言われることも少なくないのも頷けます。