はじめに 「ミッドガルドには、山手線はないはずだが…」
『インペリアルサガ』での古代人時代のクジンシーがイケメンで、『サガ3』からの参戦が未だに無いのと、『英雄の落日 ~ノエルとワグナス~』を読んで、『サガ3』のラグナ達も元々は移住した古代人であったのでは、と思うことが良くあります。
今回の話は駄文と妄想の産物ですし、他の方の考察と比べ拙い出来ですが、参考になれば有り難いという程度の質です。
スクウェア・エニックスのサガシリーズの各々の物語の世界観に関する繋がりは、『インペリアルサガ』でも時折描写されることも有り、私は『サガ3 時空の覇者』と『ロマンシングサガ2』は繋がりが無いように見えて実は深い繋がりが秘められている世界だと思っています。
例えば、『サガ3』でのサハギンと『ロマンシングサガ2』本編の河馬人間に関する設定のある程度の類似性、『サガ3』のリメイク版では、スライム系(無機質系)は風属性モンスターで、大抵の場合スライム系は水と深い関わりを持つものの、ゼラチナスマターが電撃属性を得意とすることに由来する可能性や、何故カイザーアントが昆虫メカ系として登場したのかという疑問など、意図的に変更したと思わしき要素が散りばめられています。
『サガ3』でのシステム面での種族変化は、最初はやりこみを含めた飽きさせない工夫として生み出された設定だったのが、このシステムを本格的に物語に組み込むという発想が飛躍した結果から生まれた大きな物語が『ロマンシングサガ2』なのだと思います。
古代人異聞録 『七英雄の時代』から『ラグナ神の時代』へ
『ロマンシングサガ2』の七英雄活躍の時代と『サガ3』の間の物語をできる限り簡潔に、自分なりに考えると、下記のようになりました。
ターム達を含む多くのモンスターとの戦いの後、「記憶の名を持つ竜」が語った、急激な気候変動が生じたことで、『転送の塔』を造り、古代人の多くが違う世界へと旅立った際、時間の流れがほとんどない世界である『サガ3』の異次元世界を発見し、移住に成功したものの、最初は穏やかだった新天地でも、ステスロスを作り上げることができるほどの科学技術の発展を成すことができたものの、過ちに気づかず相変わらず古代人たちは「同化の法」を使い続けしてしまい、異次元世界でもモンスターたちが大発生し、ターム達に相当する強いモンスターに勝つために『新たな英雄』として、ラグナ、パゴス、ティール、ボルボック、ベリアル、フェンリルが立ち上がり、アシュラやミロク、カオスやドグラも『新たな英雄』を補佐し、勝利することができました。
異次元世界でも「繰り返された」モンスターとの戦いの後、ラグナ神たちは「異次元世界の大地の力」が枯れきった状態で「同化の法」扱ってしまい、異形に成り果て(その時にラグナ神とソール神が分離した可能性が高い)、(流石に自分たちの行動の過ちに気づくことができたため、意見を異にしたパゴスはともかくラグナ神達は)心が歪んでしまい、1度はサガ世界へ侵攻を試み、挙句異次元世界でも激しい気候変動が生じてしまった(ネメシスの話より。またこの後、古代人の末裔であるかもしれないワンダラーも誕生したらしい)といういきさつが考えられます。
元から異次元世界に住んでいた住人を含む多くの民から「神」と呼ばれる前には、パゴス神のノエルに近い人間性と役割(ノエル同様、パゴスの同化の法での主な吸収対象は、奇しくもドラゴン系であると思われる)から昔は英雄と謳われていたのかもしれない、と思ってしまいました。
ラグナ神はスービエとの共通要素を強く感じます。水や海とは切っても切れない関係である彼は、スービエと深い縁がある古代人なのかもしれません。『新たな英雄』となった後、元トーレンス評議会に何らかの形で勝つことで主権を得、最終的に多くの配下とともに「サガ世界」への強引な移住を行うだけでなく、完全なる創造を行おうとするためにソール神を吸収しようとする執念・意志は、スービエと海の主の娘の関係をも彷彿させます。
『時空の覇者』と『アバロンの皇帝』
力を持った者たちの心の暴走と対峙する、という基本的な構図もまた、『サガ3』と『ロマンシングサガ2』の共通項で、斬新かつ衝撃的だった種族変化システム、すなわち、デューンたちも「改良された吸収の法」を駆使することができるという設定に、オアイーブが編み出した「伝承法」をレオンに授け、駆使してゆく展開と同じように、異次元世界とサガ世界にソール神の影響下でそれなりの交流があった時に異次元世界から伝えられたのかもしれません。
ステスロス内部の「浄化マシーン」は「吸収の法」に関する情報収集の結果、「吸収の法の解除の力を持った装置」ということなのだと思います。
流石に、『ロマンシングサガ2』のオアイーブが行き来した「アウストラス地方」と「その他の地方」と違い、「異次元世界」と「サガ世界」を行き来するのはより厳しい旅ではありますが。
おわりに じごくの壁の前で、ノエルと和輝を思い出しながら
今回の話を書いているうちに、『サガ3』のシステム面が『ロマンシングサガ2』の物語に影響を与えているかもしれないという考察というか妄想をしていて、同じように『フロントミッション』シリーズでも、『ガンハザード』のアクションRPGとしてのシステムがシュミレーションRPGである『フロントミッション3』の物語にも少しは影響しているのかもしれない、と思うことができ、システム面を活かして物語に昇華させるという共通点も私にとって好きなのかもしれません(流石に『フロントミッション』シリーズは、カレンやグレンへの敬意が無い状態での『フロントミッション1ST』だけのリメイクは堪忍して欲しいです。『フロントミッション2』と『フロントミッション3』のリメイクは大歓迎です)。