日本の没落 | 雑雑談談

日本の没落

民主主義がどこで担保されるか
ひょう吉の疑問
http://blog.goo.ne.jp/akiko_019



豊かな社会が貧しくなるときは、豊かな者がまず富を手放すまいと必死になる。
自分の富を絶対に守ろうとする。
その結果、社会が貧しくなるとき、貧しいものから貧しくなる。


富んだところから貧しいところに富が移転されればいいが、
そうはならずに、少ない富のとこからますます富が少なくなる。
こうやって貧困が拡大する。まず底辺層から。


企業幹部の給料が上がっていく中で、平社員の給料が下げられる。
平社員の給料が下げられる中で、企業利益が最大になる。
正規雇用が減らされる中で、非正規雇用が増大し、貧困層が拡大する。


逆進性を持つ消費税がますます上げられ、総体として、
豊かな者の税負担は軽くなり、貧しい者の税負担が重くなる。
逆に所得税の累進課税率は縮小される。


それと同時に過去最高益を出している企業からの法人税は引き下げられる。
国家はお金がないというが、お金持ちや企業からは税金を取ろうとはしない。
それでいて国家はお金がないという理由で年金支給を減らす。


このように社会が貧困化していくときは、貧困層がますます貧困化していく。
富裕層はその痛みを分け合わない。富裕層は以前と変わらぬ豊かな生活を維持する。


そればかりが、巨大な利益を上げ肥え太った大企業が、
今度は逆に巨額の負債を抱えた場合、政府がその損失を補填することにより、
その大企業は潰れることがない。
つまり企業の負債を我々国民が肩代わりすることになる。
こうやって我々国民の富はますます吸い取られることになる。



一株一票の株式会社と違い、一人一票の民主主義は、
選挙によってそういう事態を防ぐはずだった。
多数の人が貧乏になれば、そういう政治は国民から支持されなくなり、
政権交代が起こるはずだった。
ところがそうなっていない。


理由は野党の低迷と、若者の保守化だそうである。

これは本当なんだろうか。


役所は選挙結果の再検を認めない。
民主主義の肝である選挙の公平性はいったいどこで担保されているのだろうか。
情報公開といいながら、民主主義の根幹部分の情報公開は決してなされない。


民主主義がどこで担保されるか、
その確認作業さえできない世の中になっている。

共謀罪が成立し、自由にものが言えない世の中で、
首相のお友達が不正に獣医学部を認可されても、誰も文句を言わず、
こんなものかとあきらめている。


憲法を改正せずに、戦争法案が成立しても、相変わらず政権は維持されている。
貧富の格差が拡大する世の中に次には、こういう世の中が待っている。
こういう世の中は活力を失い、長い時間をかけて崩壊過程を進んでいくだろう。


崩壊した他の多くの文明がそうであるように、
日本もまたそういう崩壊過程を歩んでいくのかもしれない。


昔見た映画『ボレロ』の冒頭は、こう始まる。
『世の中に新しいことは一つもない。
しかし、あたかもはじめて起こったかのような悲惨さで、
同じ悲劇が繰り返される。』

崩壊の中に住む人間には、その崩壊がわからない。
人間は建設に向かうときは強いが、崩壊するときは弱い。