タイトル 「天使の羽」 86 | 可愛い君に愛を囁きたい

「絶対にそれはダメよ。


 これは命令よ」



 どうして……。


 警察が取り調べれば、


 自供だってするかもしれないのに。



「思い込みだけで


 父親を責めてはダメよ」


 みさきは納得できなかった。



「父親が殴ったとは限らないんだから」


 でも限りなく怪しい。


「父親以外誰が殴るというの」


 みさきは声を荒げた。


「それに奈菜さんだって、


どう見たって殴られてた」


 みさきは二人の不幸を止めたかった。


 これ以上二人に


 傷付いてほしくなかった。