タイトル 「天使の羽」 1020 | 可愛い君に愛を囁きたい


 その日ひなたは久しぶりに


 鈴音から電話がかかってきた。


「ねえ、週刊誌見たわよ」


 ひなたは鈴音に「おめでとう」と


 言いたくてしょうがなかった。


 それを我慢してたのは、


 自分の気持ちを整理したかったせいかもしれない。


 「おめでとう」と言いたい気持ちが、


 一点の曇りもなく癒える時間が欲しかった。


 気持ちの中にわずかなジェラシーでさえ、


 残っていないピュアな気持ちで、


 鈴音に言いたかった。


 「おめでとう」と。


 心の底から喜べる瞬間まで、


 ひなたは鈴音に連絡をとらないつもりだった。


 だからいきなり電話がかかってきた時は、


 少し躊躇った。