タイトル 「天使の羽」 998 | 可愛い君に愛を囁きたい


「笑いすぎ、おねえさん」


 その時のみさきなら、


 母の伝わりにくいギャクでも


 笑ったかもしれない。


「破談になって喜んでるのって、


 姉さんくらいね」


「そうね、私、フラれたんだわ」


 笑いながら、みさきは涙を拭いた。


 その涙は悲しみの涙でなく、


 嬉し涙なのかもしれない。


 とにかくおかしくて


 涙が目いっぱいに溢れていた。