タイトル 「天使の羽」 655 鈴音は急に ぐったりとなった。「少し、休まして」と、椅子に座った。 鈴音の様子を見て、ひなたは、「本当に大丈夫?」と、少しオロオロした。 ひなたは沙希の耳元で、「これで4回転ジャンプが 跳べなくなったら……」と、訊ねた。「きっと大丈夫」 沙希は自信満々に答えた。「4回転ジャンプを跳んだのは 鈴ねえーの足だから……」 沙希はひなたに耳打ちした。「もし心配するなら、 気持ちの問題だけだと思う」沙希が言うからきっと間違いないのだろう。