タイトル 「天使の羽」 829 | 可愛い君に愛を囁きたい


「今度の大会で


 4回転ジャンプさえきめることができたら、


 優勝だって十分にありますね」


 テレビのコメンテーターは


 無責任な発言をする。


「心配なのは、ハートの弱さですかね」


「4回転ジャンプ、跳ぶ実力はあるんだけどね」


 どこで調べ上げたのか、浅い知識で、


 コメンテーターたちは好き勝手に、


 鈴音のことを語っていた。


 畠山は何も分かってない


 彼らのコメントが気になった。


 4回転ジャンプなんか


 跳ばなくても、十分に優勝できる。


 本当に、鈴音のことを


 理解しているのは畠山だけだった。