恋するリバウンド 15 | 可愛い君に愛を囁きたい

第8章 めざせ!イケメンパラダイス


いい家庭教師がつくと、学力が一気に上がるという。

乃亜はまさにダイエットの天才だ。

ココロは乃亜と同じダイエット方を実践した。

すると見る見る体重が減っていった。

無理して痩せるダイエット。

体に悪いのは分かってる。

でもモテたい。

ココロは今までで、今以上にモテたいと思ったことはない。

ダイエットの原動力はやはり隼人だ。

隼人を見返したい。

それだけがココロの折れそうな気持ちを支えていた。

こうして乃亜はやっと


テニス部の男子との恋愛をスタートできた。

最近、『テニスの王子様』を読んでると思ったら、


やっぱりテニス部か。

ココロは乃亜の分かりやすい性格にあきれつつも、


学ばなきゃと思った。

ココロの体重だけは着実に減っていた。

しかし肝心の恋の相手が見つからない。

ダイエットの意味がない。

そうだ、もともと私は面食いなのだ。

それも飛びっきりの面食いなのだ。

だから恋愛ができないだけなのだ。

「なあ、どうしてお前、


最近バスケットの試合にこないんだよ?」

隼人は乃亜に怒った顔で言った。

「知らないの?私、隆平と別れたんだよ」

「だからって、いつも応援に来てたじゃないか」

隼人は退院してから、


急に真面目部員に変貌していた。

毎日のように練習に参加し、バスケットに打ち込んでいる。

噂じゃ、隼人が中心となってチームつくりを始めたせいで、


見違えるほど強くなっているらしい。

まあ、それでも隼人のワンマンチームなのだろうが……。

「この前の試合なんか、県大会の優勝チームだったんだぞ」

決勝で負けたチームと戦ったのか。

「もちろん、ボロ勝ちだったけどな」

隼人がドヤ顔をした。

「やっぱ、隼人ってブサイクね」

「関係ないだろ、そんなこと」

「よく、それでココロの顔、けなせるね」

「顔の話はするなよ、自覚してるんだから」

「でも、まあ、本当に強くなってるんだ」

「俺が指導してるんだぜ、当たり前だろ」

「だから見に来いよな」

「どうして?もう、隆平と付き合ってないし、


行くと気まずいでしょ」

「じゃあ、なんで別れるんだよ」

「だって、隆平ってかっこ悪いじゃない」

なんでこんなに隼人は私に応援に来いというのだろう?

隆平がよりを戻したがってるんだろうか?

「次の試合、絶対に来いよ」

「嫌よ」

「全国八位のバスケの名門校が来るんだぞ。応援に来いよ」

「俺のかっこいい姿、見たくないのか?」

なるほど。私にかっこいいところ見せたいだけか?

やっぱ、私って可愛いから。

諦めきれないのね。

「ごめん、私、いまさ、好きな人がいるんだよね」

乃亜は改めて釘をさした。

「ココロに聞いた、今度はテニス部だって」

「なんだ、知ってるんだ」

うん?ふと乃亜は違和感を感じた。

もしかして?

いや、そうか、そうかもしれない。

なるほど、そうかもしんない。

「わかった、応援に行くよ。私だけでいいんでしょ」

「えっ?」

隼人は戸惑った顔をした。

間違いない。小学生か!

「一人で応援に行くよ」

乃亜はわざとそう言った。

「いや……、ココロもつれて来いよ」

「ふーん……」

乃亜は隼人の顔を覗き込んだ。

「なんだよ」

「分かったよ、ココロも誘うから」

「ああ、よろしくな」

「その代わり勝ちなよ」

「もちろん勝つさ」