タイトル 「天使の羽」 66 | 可愛い君に愛を囁きたい

「でも私の中の神の声は


紙一重だったと思う。


私が頑張らなければきっと死ぬ。


まして私を責める人はきっといない」


小春の声が悲しげに聞こえた。

「だって犯罪者なんだから」



 「なのに私は殺せなかった」


母はやはり迷いがあったのだろう。


それでも助けてしまう、医師の性。




「おっちょこちょいね、おかあさん」


 ひなたは、ポツリとそう言った。