タイトル 「天使の羽」 19 | 可愛い君に愛を囁きたい

 みさきが感慨にふける間もなく、


 その場を立ち去ろうとした小春が


 振り返りニヤリとした。

「そうだ、あの母親とあの女の子の


 精神ケアを中塚さんに任せるからね」
 

 鬼だ。
 

 鬼かもしれない。
 

 笑顔でそんなこと言えるなんて、


 やっぱりどうかしている。
 

 優しいと感じた気持ちは錯覚なのだ。