タイトル 「天使の羽」 1076 | 可愛い君に愛を囁きたい


「医療事務でもしてるの?」


「病院経営の手伝いをしてるんだよ」


「経営?」


「悪く言えば、買収みたいな仕事なんだけど」


なんか怪しい会社に聞こえる。


「経営が立ち行かなくなった


 病院を建て直す仕事かな」


 そんな能力があったんだろうか。

 

 いや、それ以上に資金がなけりゃできない仕事だ。


「怪しい会社と思ってるだろう?」


「うん」


「誰でも知ってる大企業さ。


 もちろん、その系列会社だけどね」


「ふーん……。


 よくそんな会社に入れたね。


 中途採用でしょ」


「コネ入社かな……」


「そうなんだ」


そんなコネがあるなんて知らなかった。


それならもっと早くその人を頼ればいいのに。

 

 そしたら両親も反対しなかったかもしれないのに。

 

 まあ、るいは変にプライドが高いから


 できなかったのかもしれない。


「でも良かった」


これが本心だ。


どんな会社でもいい。


これはみさきにとって朗報なのだ。


結婚が現実感を増してきた。