タイトル 「天使の羽」 508 沙希は鈴音の手を 握りしめ、 笑顔を差し伸べたまま、 「鈴ねえが4回転ジャンプをきめたら、立てる気がするの。………………。この足で」 「沙希ちゃん……」 沙希の手から力が 注ぎ込んでくる。 「あなたには あなたじゃなきゃ、 できないことがあるのよ。 フィギュアで 頑張る姿を 見せることは あなたにしか できないのよ」畠山は鈴音の肩にそっと手を置いた。