タイトル「森ガールと盛りあガール」 36 | 可愛い君に愛を囁きたい

港が見える丘公園では、この公園ってビーズの『タイム』にも歌われてるし、小田和正がオフコース時代に歌った曲。『秋の気配』の中に出てくる公園は、ここのことらしいよ。

小田和正の名前が出た瞬間、桃花は高校時代にタイムスリップした。

憎き森ガール。

私の初恋を奪った女。

あの女が好きだった小田和正の歌に、この公園が出てくるのか。

まさか自分が小田和正の話に聞き耳をたてるなんて。

あの頃はフォーク全体が最悪で、気持ち悪くって、特に谷村新司がネタになってたっけ。

「谷村新司ってさ、漫画に出てくるスケベ親父顔だよね」

「変態顔を漫画に書けって言われるとさ、谷村新司、書くと良くない」

「そう言えば、昔、アリスってグループだったって知ってる?」

「アリス?」

「あの顔でアリスだよ、超ウケル」

「ジョニーデップ気どりって、ウケルんですけど……」

「なんかさ、ど変態丸出しって、感じしない」

「フィギュアの人形を集めてそうじゃない」

 ほんの一年前なら、うけつけなかったものが受け入れられる現実。

これこそが愛なのだろうか。

まあルカはそれなりにデートプランを考えて、リサーチした話をしてるのかもしれない。

でも実際、桃花にはまったくピーンとこない。

かろうじてビーズがかする程度だが、基本、日本人のヘビメタは好きじゃなかった。

もっと日本の曲を聴いておけば良かったと、その時思った。

ルカは日本の音楽好きなのだ。

これはすでに、森ガール応用編に突入してる。

これが必ずしも森ガールデートというわけではないのだろう。

とにかく森ガールはイケメンを釣り上げる餌に過ぎないのだ。

釣り上げた魚ちゃんが、イケメンなら、その男子の好きなものに合わせるのが一番だ。