タイトル 「天使の羽」 41 | 可愛い君に愛を囁きたい

「私がなりたいのは


切り裂きジャックみたいな


殺し屋に決まってるじゃないの」

はあッ……、そっち……。
 

切り裂きジャックって


本当の殺人鬼じゃないの。


やっぱ、ホラー好きだから……。


「あんたも好きでしょ」


えっ、私って、そんなイメージ……。


「血がドバっと出るやつ」


笑ってる。


笑いながら、怖い話をしてる。


「私はホラーは……」


「子供の頃いつも一緒に見たじゃない」


それは無理やり見させられたんです。


「きゃあー、きゃあー、喜んでたじゃない」


あれは楽しんでたんじゃなくて、


怖がってたんだってば。


分かってるのかな、この人。


「まさに血が争えないとはこのことよね」


「……」


 これが言いたかったんだ、結局。