タイトル「森ガールと盛りあガール」 109 | 可愛い君に愛を囁きたい

「って、ことはやっぱり……」

「別に女子が好きなわけじゃないし……」

「本当に……」

 桃花は疑うように聞いた。

「だから男が好きだし」

「えっ?聞こえない?」

「男が好きだってば」

「えっ?」

「言わせたいだけでしょ」

「この男好き」

「言い方、変!そうじゃないし」

 愛海は少し怒ったような顔をした。

 それが可愛い。

 可愛くて抱きしめたい衝動に桃花は駆られた。

 私、女子もいけるかも……。

 愛海なら充分にアリだ。

「男子って、なんか、怖いじゃない」

 うーん、可愛い、守ってあげたい。

「それに……」

 愛海は少し変な顔をした。

 なんかトラウマでもあるのかな。

 男に興味がないなんて。

「でも恋愛には憧れはあるのよ。でも、男子がどうも……」

 これはこれで問題かも。

 こんなに可愛いのに、三十歳になっても一人、四十歳になっても一人、そして可愛かった面影もなくなって、一人で枯れていく寂しい未来が目に浮かぶ。

 せっかくこんなに可愛く生まれたのに、それじゃ、可哀想ではないか。

「私が誰かみつくろうか?合コンくらいなら」

「止めて、絶対に止めて!」

 愛海は烈火のように拒絶した。

「うん、分かった」

 まあ私がセッティングできるのはボディビル先輩や、フレディ先輩みたいな変なのばかりだし、まさか、うちのバンドメンバーは野獣だし、まあ、いいのがいたら私が付き合うし。

 ルカ……。

 今何してるの……。

 私、まだ整理できないよ。