
私は未来人 派!
サンタクロースが夜空に旅立っていった。
ああ、月に戻ったのか?
だとすればかぐや姫。
おっと、シロツメ草が……。
なんてケチくさいサンタだ。
子供の頃からサンタなんてものを
そもそも信じていないのだ。
まあいるとすれば地球を侵略に来た宇宙人か。
それでも昨日は
四つ葉のクローバーを
手にもった君を見たような気がしたな。
気のせいだろうか。
さて書いてもどこに出そうか迷うな。
取りあえず続きの結末辺りを
ざっと書いておこう。
クリスマス前後に書いたことだけ
覚えてれば忘れないでしょ。
シロツメ草の王冠をつくろうと
二人はお互いにいっぱいの花を摘んでいると、
彼女が四葉のクローバーを見つけた辺りからだな。
「前の話の続きの落書き」
そもそもネガティブな彼。
口下手ゆえに好きというのも一苦労。
それでもなんとなく
うまくいっている中での最後の方のシーンより。
「あった」
彼女がまた声をあげた。
「ここにもあるよ」
そう言って、彼女の手には
いっぱいの四つ葉のクローバーが握られていた。
「どこ、どこ」
彼女の指差すあたりを見渡すが、
四つ葉のクローバーを見つけられない。
そうしている間も
次々に彼女は四つ葉のクローバーを見つけていく。
僕はきっと幸せを見つけるのが下手なのかもしれない。
それに比べて彼女は
次から次へと四つ葉のクローバーを見つけていく。
僕は四つ葉のクローバーさがしをやめ、
シロツメ草を集め出した。
「何、落ち込んでるの」
「目の前にあるのに……」
「どこ?」
「目の前」
足元の辺り。
確かに四つ葉のクローバー。
「ああ、踏んじゃった」
僕が足をどけると、そこにはしおれたクローバーが……。
それでもそれは僕が初めて見つけた四つ葉だった。
「大丈夫、また見つかるから、一緒にさがそうよ」
僕は彼女に出会って少し明るくなった気がする。
そうだ、きっと彼女と一緒にいれば
きっと僕はいつだって幸せでいられる。
彼女は僕の代りに
いつだって四つ葉のクローバーを見つけてくれる。
彼女はいつだって僕に笑いかけてくれるじゃないか。
「僕はもう四つ葉のクローバーを見つけたよ」
「どこどこ見せて」
僕はそっと彼女を抱きしめた。
「四つ葉のクローバー、見つけた」
僕にとって彼女が四つ葉のクローバーだと思った。
あんまり文がシャープじゃないな。
まあ、どこか出すところがあったら、
書いてみよう。
設定が文学少年で、
古文おたくの少年ということになっているが、
彼女はそんな彼のことが好き。
みんなは気持ち悪がるが、
彼の影響で図書館に行き、
背表紙に彼の名前をさがす。
彼が借りていった本を一冊一冊読み始める。
当然図書館に行くようになり、
彼とよく出会うようにもなっていく。
根クラなあんな奴のどこがいいのと辺りは言うが、
彼女の想いはさらにつのっていく。
彼女が好きらしいという噂は学校中に広まって、
当然、彼に気持ちを男子が聞くようになる。
まあ、そう言われると反発するのも当たり前。
まさかの失恋。
美人の彼女がふられる。
それから彼は毎日一首ずつ
百人一首をくれるようになる。
百人一首とは百人の首。
つまり呪いの札と噂になるが……。
まあ好きと言えずに、
毎日百人一首を手渡す少年は気持ち悪い。
周りはみんな怖がるが、
それはすべて恋の歌ばかり。
彼女はそれが愛情表現だと少しずつ理解し、
まあ、交際が始まるわけだ。
なんだ、ほとんどあらすじじゃないか。
みたいな話である。