タイトル 「天使の羽」 89 | 可愛い君に愛を囁きたい

「歩けなくなったんだ。


 障害者には


 金が出るんじゃないのか」


 拓海が事務員に


 怒鳴り声を上げていた。


「それは役所で


 聞いてみてください」


 事務員は淡々と答えた。


「ほらみろ、


 金が出るって言っただろう」


 拓海は、奈菜の方を笑顔で見た。


「でもやっぱり


 リハビリさせないと……」


「バカか、治ったら、


 障害者じゃなくなるんだぞ」


「でも、私……」


 奈菜は弱弱しい声を絞り出した。