タイトル 「天使の羽」 1067 | 可愛い君に愛を囁きたい


「病院に電話があったのよ。


 拓海の父親からね」


 あの加熱なマスコミ報道だ。


 冬樹の耳にも自然と入ってきたのだろう。


「それでも最初は確認の電話だったのよ」


 冬樹は病院に入院しているのが、


 自分の息子の拓海かどうかを確かめた。


 そしてそれが間違いないと分かっても、


 入院費を振り込むだけで、


 会いにくることはなかった。


「だから私が電話したわけ、


 ちょうど孫にあたる沙希ちゃんも入院してるから、


 見に来られたらってね」


 母にしては人間味溢れる行為だ。


「そしたら、最初は沙希ちゃんの入院費が


 一気に振り込まれたわ」


 なるほど週刊誌の写真を見て、


 ニヤけてた頃の話ね。


 足長おじさんは拓海の父親のことだったのか。




みぃたんと忍者たなかーズ
私のあしながおじさんより