タイトル 「天使の羽」 873 | 可愛い君に愛を囁きたい


「きっと責められたのよ。


 いろんな人にね」


週刊誌の写真に、


拓海の住むアパートの扉に、


「死ね」などの


落書きの写真が載っていた。


ひなたもその写真を見た。


看護師たちの意識の中に、


「ざまあみろ」という想いがあったのは確かだ。


みんながそれを回し読みをして、


目の触れない場所に


隠そうとはしなかったからだ。


ひなた自身も拓海に対して


同情心は沸かなかった。