そんな疑問がわくと、もう、世の中の女子が全て敵に見えてきた。
その日、桃花はルカより先に起きて、エレキーギターのセッティングをした。
「5、4、3、2、1」
思いっきり、ルカの寝てる耳元でギターを弾いた。
長めのチョーキング。
スピーカーがなきのギター音を響かせた。
ルカは飛び起きた。
「なな、なんだよ、いったい」
「お仕置きよ」
「お仕置きって……」
眠そうな目をこすりながら、ルカはどうしてこんな目にあってるか、考えていた。
「昨日、ギャルが好きって言ったでしょ。だからラムちゃんの電撃よ」
「電撃って……」
「浮気心抱いたら、これからも電撃だからね」
「じゃあ、せめて格好だけでもコスプレしてくれよ」
桃花はジャージ姿でギターをこっちに向けていた。
「ジャージって、ガッカリだからさ」
そう言うや、ルカはギターのネックを引っ張った。
そして、桃花を抱きしめた。
「バカ、そんな気分じゃないって」
桃花はギターを振り、ルカを跳ね除けた。
「学校指定のえんじ色のジャージを馬鹿にするんじゃないわよ」