⚫米国癌協会の金まみれ体質

(略)

 米国癌協会の理事達はニューヨークの「特権階級」つまり「ジェット族」(ジェット機で世界各地の保養地・行楽地巡りをする超有閑族)の中から選ばれる。小説家のトム・ウルフによって「上流階級の過激派」radical chicと茶化された、流行最先端のパーク・アベニューに群がる人々である。かつては黒人問題が流行の最先端だったが、いまでは同性愛と癌だというわけである。
このグループは、事あるごとに、「同情と心配」からやむにやまれず活動をしていると宣伝するが、使うのはいつも他人の金で、自分の財布はいつも尻に張り付いたままである。
これと同じ手合いが、全国放送のニュース番組でわざとらしく大袈裟に同情してみせるアナウンサー達である。彼等はホームレスを取り上げたり、アフリカであろうと何処であろうと、ハエがたかった写真映りの良い、犠牲者のいる所なら何処へでも飛んで行って飢餓の状況を取材したりと、手を変え品を変えて夜な夜な我々を楽しませてくれる。これ等「ジャーナリスト」達は自ら年間何百万ドルもの報酬を得ながら、被害者に小銭を恵んだなどとは、一度も聞いたことがない。

ご同様に倫理観の欠如している良い例は、政治家ではデブで年寄りのプレイボーイ、テディ・ケネディー上院議員である。ハリウッドではこれまた太っちょのエリザベス・テーラーである。
マティルデ・クリムは、今では新たに設立された「米国エイズ研究財団」を裏で支配する背後霊のような存在となっている。彼女はハリウッドの強力な人脈を武器に、エリザベス・テーラーをはじめとする映画スター達から、自分の事業のために莫大な基金を容易に集める事が出来た。このエイズ財団の最初の理事会メンバーには、古くからの友人であるメアリー・ラスカーにも声を掛けた。

……メモリアル・スローン・ケタリング・癌センターに寄付することは、ニューヨーク社交界ではつねに最も「おしゃれな」慈善行為であり、確かに大変な効果があった。お上品な「アッパー・イースト・サイド」誌のリストにも「メモリアル・スローン・ケタリング・癌センターの社交界」として掲載されている。
癌センターは3番街に慈善リサイクルショップを何年も経営し、店には富裕な人々からの寄贈品が溢れている。他の多くの若い作家や芸術家と同じように、当の筆者も永年この店で服を買っていたが、この品物は全てニューヨークでも最高級店のタグが付いていた。


⚫詐欺まがいの研究

 「癌に対する闘い」はロックフェラー医療独占体制によって完全に支配されている為、癌研究の助成金はいつも単なる詐欺に過ぎない研究ばかり交付される。皮肉屋の中には、米国癌協会は研究者が「私は決して癌の治療法を見つけません」と誓約書にサインした場合のみ研究助成金を支給するんだ、と茶化す者もいるほどだ。世間にはまだ氷山の一角しか現れていないが、「癌研究」なるものの大部分は試験データを捏造したインチキであるという確かな証拠が、今までに数え切れないほど暴露されている。有名な一件としては、国立癌研究所NCIが98万ドルをボストン大学のある研究者に支給したところ、その後この研究者が試験データを改竄した罪で解雇される、という事件があった。

……国立標準局NBSは次のように報告している。
「科学者が雑誌に載せた記事の数値データは半数以上が信用できない。何故なら、このデータを当の科学者が正確に計ったと証明する証拠は、何処にもないからである。」

このような警告を受けて、政府は実地調査の為に科学論文の著者31人にアンケートを送り、原データの提出を要求した。その結果21人が、データは「無くなった」とか或いは「たまたま捨ててしまった」と答えてきたのである。研究者はなんと物を紛失する職業であろうか!

……『シックスティー・ミニッツ』は、米国で行われている科学研究の10%~30%は完全にデータを捏造しており、その理由は「研究助成金獲得」競争に勝つためである、と報告した。

 (略)

 米国における医学研究の大掛かりなごまかしは、ほとんどロックフェラー医療独占体制とその支配下にある製薬会社の圧力によるものである。製薬会社は新薬の認可を得るために、念入りに捏造した「試験データ」を食品医療品局に提出する。しかもデータは、肝臓・腎臓障害や致死を引き起こす有害な副作用は巧妙に隠される。更に医療独占体制は大学を支配して、ロボットのように忠実な下僕達を養成する飼育場にしている。これ等の下僕達は、助成金を獲得する為、或いは楽な職に就く為ならどんなに卑しい行為にも自ら進んで甘んじるようになる。
研究捏造の長い歴史は既に慢性化し、これ等の下僕達をおとなしく言うなりにさせておく為の理想的な「パナマ帽」即ち操縦装置になっている。
 
 このようにして捏造された試験データが大抵、新薬認可の根拠になって入ることを考えると恐ろしい限りである。その一方でFDAは、既存医療産業を保護し、彼等が既に時代遅れで薬効の疑わしい万能薬や治療法で更に利益を上げ続ける事を許している。
ところが、これはレーガン大統領が「研究開発費」に646億ドルも割り当てた1989年度の「すばらしき新型予算」の存在理由であると同時にその原因ともなっている。この額は1988年度予算に対しては4%増に過ぎないが、レーガン大統領の就任当時と比べると、52%も増加したことになる。
同じく国立衛生研究所NIHの予算は2倍の62億ドルになり、そのうち癌研究に15億ドル、エイズ研究に20億ドルが割り当てられた。
マティルデ・クリムもさぞかし狂喜乱舞したに違いない。


⚫野蛮・残忍な癌手術

 病院での癌治療には何千ドルもかかる。スローン・ケタリング・癌センターが「研究」に年間7000万ドルも使う一方で、付属のメモリアル病院はベッド一床あたり1日470ドルを請求する。10日間も入院すると、ベッド代だけで5000ドル近くなり、更に看護代や治療費として別途4000ドルを要求される。
……カリフォルニア大学バークレー校の医療物理学教授ハーディン・ジェームズ博士は、1969年に米国癌協会主催の科学記者会議で演説し、「最も症状の重い癌患者は大抵『手術不能』と診断され、故意に治療せずに放ったらかしにされる」と暴露した。治癒または緩解した症例は元々治癒率の高い「甘い」症例である。けれどもジェームズ博士は次のように報告している。
「症状が重いために放ったらかしにされた患者の方が、症状が軽くて治療を受けた患者よりも、実際の生存期間は長くなっている。」

 (略)

 1948年アレックス・ブラウンシュワイク博士は「臓器全摘除術」と呼ばれる手術法を開発した。この方法は直腸、胃、膀胱、肝臓、尿管、全ての内生殖器、骨盤底と壁、脾臓、膵臓、大腸、多くの血管、これら全てを切除摘出するものである。ブラウンシュワイク博士自らが、このくり抜き手術を「野蛮で残忍な手術」(1969年8月8日ニューヨークタイムズ紙)と呼んでいる。
「気狂い医者」手術の典型として有名なものに、ヘメオコーポレクトミーがある。スローン・ケタリング・癌センターのセオドア・ミラー博士が考案した方法で、骨盤の下全てを切除するものである。この技術は中米の共産主義革命で使われた方法を彷彿とさせるが、それ以上に残忍なものである。例えば、ニカラグアのサンディニスタ革命で、首謀者は次のようや詩的な標語を唱えさせて革命戦士達を鼓舞した。
「自由を獲得するは、花に非ず、銃弾なり。さればこそ、われら用いるは、チョッキ切り、ヒョータン切り、ブルマー切り」

「チョッキ切り」とは、サトウキビ刈りに使うナタで犠牲者の首を刎ね、両腕を肩から切断するもの。「ヒョータン切り」は頭の上部を切り取る。「ブルマー切り」は両足の膝の部分を叩き切り、そのまま出血死させる方法である。


⚫人間モルモット実験の数々

 このような「気狂い医者」症候群の事例を記録していくと、数冊の本が出来上がるだろう。米国連邦議会の特別報告書に、30年間に及ぶ31件の「人間モルモット」実験を追跡、調査したものがある、委員会を務めたウッドワード・D・マーケイ(民主党、マサチューセッツ州選出)は、この委員会の調査結果は「良心に衝撃を与え、医学研究史上の汚点を意味する」と述べている。
特別報告書によると、1945年から47年に実施されたマンハッタン計画において、科学者達は18人の患者に毎日ブルトニウムを注射した。またマサチューセッツ工科大学では1961年から65年まで、20人の老人患者がラジウムまたはトリウムを注射或いは経口投与された。
1946年から47年には、レチェスター大学で健康な腎臓を持つ6人の患者が「腎障害を引き起こす濃縮量を測定するために」ウラン塩を注射された。ボストンのマサチューセッツ総合病院でも、1953年から57年にかけて、12人の患者が腎障害を引き起こす投与量を測定するためにウランを注入された。
1963年から71年には、オレゴン州刑務所の67人の囚人とワシントン州刑務所の64人の囚人が、人間の生殖能力に与える放射線の影響を調べる為に睾丸にX線を浴びせられた。オレゴン州立刑務所の実験で生殖器に照射したX線の照射線量は、600レントゲンであった。因みに一般人の年間許容線量は5レントゲンである。

1963年から65年には、アイダホ州にあった米国原子力委員会AECの原子炉実験所から、放射性ヨウ素が前後7回に渡って意図的に外部に持ち出され、放射性ヨウ素に汚染された牧草を食べた牛の牛乳を、7人の被験者が故意に飲まされる事件があった。
1961年から63年には、シカゴ州立大学とイリノイ州のアルゴンヌ国立研究所で、102人の被験者がネバダ核実験場の放射性降下物を飲まされた。降下物粒子を模した放射性物質と共に、放射性セシウムと放射性ストロンチウムの溶液を飲まされたのである。
1950年代の末頃、ニューヨークの長老派教会病院とモンテフィオーレ病院の12人の患者が、放射性カルシウムとストロンチウム発癌粒子を注射された。

 これらの実験から「気狂い医者」達がどれほどの興奮と快感を感じたか詳らかではないが、実験の後になっても、国民の癌の発生率は変わらないか、或いは返って増加した。



⚫癌の原因

 (略)


 動物は普通、ニトリサイドを含む草や他の植物を本能的に見つけ出して食べている。しかし、人間が同じことをすると、連邦政府の役人によって襲撃されてしまうのは、既に述べた通りである。発癌物質や放射線、日焼けによる癌発症は、その人の栄養素が不足しているために起こることを確信している研究者達もいる。これら栄養学の専門家達は、次のように主張する。「コールタール(動物実験で腫瘍を作る為に塗布する)が癌を発生させるのでもなく、太陽光線が皮膚癌を作るのでもない。太陽の働きで皮膚がこのような状態になるのは、むしろ砂糖や脂肪分・乳製品を過剰に摂取している人達である。」
太陽光線は、体を酸性の状態に傾けるため、これらの物質が皮膚の表面に上がってきて炎症を起こし、腫瘍発生の引き金となるのである。熱帯地方の人々は、強い太陽光線に晒されているにもかかわらず、皮膚癌に罹ることは滅多にない。それは肉や脂肪をほとんど食べないからである。

また、日本で民間人に対して原子爆弾が落とされた時、脂肪や肉の多い洋風の食事をしていた人々は死んだが、玄米や自然塩・味噌・野菜といった伝統的な食事をしていた人々は、同じ量の放射能を浴びても、放射能の被害をほとんど受けなかったことが判っている。(長崎の医師、秋月辰一郎著『死の同心円』講談社刊、参照)

……牛肉は前立腺癌及び大腸癌の患者にとって、特に危険であると言われている。栄養学者は、癌は進化の過程を逆行する状態を表し、細胞が分解或いはより原始的な植物細胞のような状態に退行する事であると信じている。これは前述したモーリー・ロバーツの理論とある点一致している。

 全米の大学医学部で栄養学の講座があるのはわずか4%に過ぎない、という事実は注目に値する。これは医薬品に異常なまでに執着し、ホメオパシー(同種療法)やホリスティック(総合的)な医学を妨害して、アロパシー(対症療法)医学に肩入れする、ロックフェラー医療独占体制の姿勢を反映している。


⚫逆効果の癌治療

(略)

 イスラエル博士は、放射線治療は「痛み等を軽減するための姑息な手段で、本質的には単なる気安め」であると言っている。また更に「最近の研究で、放射線治療を受けた場合の方が、受けなかった場合よりも、癌が転移する頻度が高いということが判った為、医学界は混乱に陥った」と指摘している。
つまり放射線治療は癌が広がるのを逆に促進するということである。
癌を取り除く為に腫瘍にメスを入れると、返って体中に癌が広がってしまうということは、かなり以前から知られていた。癌腫瘍が有るかどうかを調べるための試験切除は、その手術自体が腫瘍を致命的なものにしてしまうのである。

 このような事実があるにもかかわらず、米国癌協会は癌治療としては失敗したこれらの方法を全て支持し続けている。
協会は20年間に渡って有名な「癌7大警告信号」を繰り返し大衆に宣伝してきた。けれどもその中には環境中の科学物質は含まれず、食品医薬品局の警告したコールタールや毛染め剤も軽視している。

 (略)

 女性が繰り返しX線を浴びる事の危険性はよく知られているにもかかわらず、米国癌協会は今だに癌を「検査する」ご自慢の方法の一つとして、毎年乳房X線撮影を受けるよう強く勧めている。ジェーン・ブローディの著作『癌と戦って勝てる』もこの乳房X線撮影や癌協会が支持するその他多くの方法を推薦している。

更に米国癌協会は、女性の乳癌に対して乳房を完全に切除する「根治的な乳房切断術」を強固に支持している。この手術は酷く残酷な上に効果も無いことから難色を示す医師が多く、英国、フランス、北米諸国を含む大部分のヨーロッパの国々と、隣国カナダではずっと以前に廃止されている
(日本では今だに標準的な治療法として実施されている)。
1975年、ローズ・カトナーが『乳癌』という優れた著書を著して、根治的乳房切断術を批判した時、癌協会はこの本を掲載することも、推薦することも拒否した。


⚫患者を救った癌治療法への弾圧

 連邦準備制度が「自立的」であるのと同様に、国立癌研究所を「自立的な」組織にすることが、エルマー・ボブストの目標であった。
リチャード・ニクソン大統領との永年にわたる個人的付き合いを利用して、この目標は達成された。

 (略)

 医師のセシル・ピタード博士は、自分が末期癌で2~3週間の余命しかない、と宣告を受けた。テネシー州ノックスビルに住むこの医師は、メイヨー・クリニックで悪性リンパ腫と診断されたのであった。
悪性リンパ腫は、体の解毒・浄化作用が働かなくなった時に発生する。……もはや治る見込みがないと覚悟を極めたピタード博士は、実験的に坑インフルエンザ細菌型抗原とブドウ球菌分離物staphage lysate、そしてミルクやバターに含まれる脂肪酸の一つ、酪酸ナトリウムを自分の体に投与した。すると、癌は完治してしまったのである。
しかし癌協会の権威者達は博士の報告を無視し、以前にも増して「科学的に証明されない治療法」に反対する宣伝活動を、今まで以上に大々的に行うようになった。

……ラルフ・モス博士は、レアトリアルの有効性を証明する試験結果を暴露した為に、スローン・ケタリング・癌センターを○になったが、博士はその後、この研究所が癌治療に成功した他の多くの治療法を抑圧・隠蔽していた事実を公表した。その中には1906年以来、1000人以上の患者を治したコーリー療法も含まれていた。
 
……デトロイト医科大学及びミシガン州立大学で生理学教授を務めたウィリアム・E・コッチ博士は、グリオキシライドは、体が毒素を酸化剃るのを促進する作用がある。博士の治療法が「科学的に」反論されることは無かった。しかし1915年に酸化作用の研究を始め、1918年頃からこの治療法を行っていたコッチ博士は、医療独占体制によって16年間にわたる弾圧を受けた。そして最後には国外へ追放され、1967年にブラジルで亡くなった。

……もう一人自立した医師マックス・ゲルソン博士(カリフォルニア州ゲルソン病院院長)は、生の果物と野菜、塩を使わない菜食主義の食事で偏頭痛と皮膚結核が治る事に気がついた。
彼は更に研究を続け、体内を解毒する事で癌が治せる事を発見した。1958年、ゲルソン博士は自分の発見を『癌療法Cancer Therapy』❲邦訳『癌食事療法全書』徳間書店刊❳という本に著し、低脂肪・無援・最低限タンパク質の摂取を強調した。
1964年、博士は米国上院の小委員会に呼ばれ、自分の治療成果について証言した。その後、小委員会は227ページに及ぶ報告書❲公文書番号89471❳を提出した。けれども、上院はこの報告書のコピーを何処にも配布せず、またどの医学雑誌もこれを取り上げなかった。そして癌の治療法を「研究している」と主張する米国癌協会やその他の慈善団体も、ゲルソン博士の治療法が有効かどうかを調べるために1セントの研究費も提供しなかった。

 (略)

「……私が行った現在までの調査によれば、当委員会は次のように結論付けるべきであると考えられる。即ち、治療上確かに効果のある医薬品を、各州間で自由に流通・使用させまいとする『陰謀』が現実に存在する、と。公共助成金も個人からの寄付金も、田舎の縁日でばら撒かれる紙吹雪のように浪費されてきた。そしてその金が、医師会の見解に従わない診療時・病院・試験研究所を閉鎖、撲滅するのに使われてきたのである。米国民はいつまで、このような状態に甘んじるつもりだろうか?」

 35年経った今でも、米国民はこの状態に甘んじている。




 以上までを第3章の紹介とさせて頂きます。


 この「患者を救った癌治療法への弾圧」の中で、全部は本中を紹介していないのですが、それでも何故か①で紹介しました、AMAモーリス・フィッシュベインに迫害を受けたロイヤル・レイモンド博士の話は入っていませんでした。これだけ詳しく緻密に調べている著者のマリンズ氏にしてはレイモンド博士を取り挙ていないのは不自然な気がしました。
どんな作家、(とりわけユースタス・マリンズ氏は著名な作家ですから)作品に対する上からの何らかの検閲と指導は絶対あるはずです。
おそらくロイヤル・レイモンド博士についてはわざと省かれたのではないでしょうか。

※因みに、レイモンド博士の治療法は現在商品化されています。(非常に高額ですがやはり効果はあるそうです。)