つづき

 
 その後、ビルさんはオリオンの訪問を受けます。


  元サタニストの自叙伝 (23)
   2010/6/5ブログ主さん公開

(略)

 オリオンが私の部屋の中に一人だけ連れて行った時、自分の手を挙げ、それらを昔の黒人のリバイバル説教者をからかうような調子で振って言った。
「お前が光の方を見たと聞いたぞ!」驚いたことに、彼は私がイルミナティの第一段階であることを宣言した、羊皮紙をさっと取り出した。
彼は私にそれを掴ませようとはしなかったが、それを見ることは許した。
彼は、私がより高いランクを得、私自身「価値ある者」と証明される時まで自分がそれを預かっておこうと説明した。私はそれが奇妙な葉のような印と、ある手書き文字でサインされているのに気付き、それについて訊ねた。彼は目を見張り、もう一度含み笑いをして言った。
「それはマスターのサインだ、兄弟よ。彼手ずからの!」
彼は喜びのあまりほとんど我を忘れていた。私は彼の後ろに振り動く尾が見えた。それは矢じりさえある尾だったのかもしれない。


    角のないヤギ 

 彼は私に、このホームオフィスからの新しい「昇進」は、私がサタンの魔術書からもっと多くのページを写したり、研究したりできる資格を与えさせるのだと説明した。また、我々はより多くの血の犠牲を行っていかねばならないだろうと説明した。
「お前は大きな獲物のために準備しなければならない!」
甲高い声で彼は言った。私は知っていた。過去の経験からオリオンが「大きな獲物」というのは何を意味するのかを。彼はヴードゥー信者の間で  I'  cabrit  sans  cornu  角のないヤギ と呼ばれているものを指しているのだ。すなわち人間である。それはサタニズムとヴードゥーの一要素ではあるが、自分の心の中では軽視しようとしてきたものである。私はそれがあることを知っていた。
私はあの恐ろしい「大聖堂」の経験のせいで、自分が想像できる以上に、私の心により鮮明に焼き付けられていた。以前はその主題を遠ざけてきて、将来にはありうるとの考えを持たないように努めてきたのだった。人間の心が正当化してしまえることは驚くべきことである。しかし今、以前には決して存在しなかった熱風な興奮が、私の中から溢れ出てきていた。実際自分のかなりの部分が、サタン礼拝のために人間の命を奪う機会を与えられるということに関して興奮していたのである。


 (24)

 オリオンは明らかに私の瞳の中の何かを見て取れたようだ。(略)

「それをやってみるのが待てないか?セックスよりずっといいからな。本当だぜ!」と、もう一度ハイエナのように忍び笑いをした。彼は私の隣のソファーに座った。
「心配するな、小さき兄弟。お前には簡単なものから始めさせよう。」 
「小さき兄弟」と、この風変わりなハイエナのような小さい奴から呼ばれることに、どんなに私が苛立っているのかを、彼が知っているかどうかはわからないが、本当にひどく何度もそう呼んだのだ。(略)

「俺達はお前が進んで捧げようとする以上の、寄進者の候補者を用意できることを確信する(?)ちょうどいい年頃で、あまり叫ばない程に薬漬になったひよっ子を、そしてマスターへの贈り物として進んで自らを捧げようとする。これらは皆ちょろいもんだ。こいつらは死ぬことに興奮するのだ、小さき兄弟よ!こいつらはお前がその剣を自分達の心臓に突き立てるのを待てないのだ!」
 (略)
私は自分の口の中に金属の味を感じた、ちょうどLSDをやった時のように。死?殺し?自分の一部は拒絶していたが、自分の内側で掻き立てられている、銀のように光る白くて熱い衝動にほとんど圧倒されていた。
 (略)


「名前は今ここで重要じゃない。奴はシカゴで俺に連絡を取ってきたmehum(私達の蔑称のコードで、ただの人間を表す)だ。奴の前妻を俺に消してもらいたいのさ。俺にいくらか金を支払い、彼女に対してサイキック攻撃を仕掛けてほしいのだ。彼女はたくさんの厄介を起こしており、子供達の保護をしているのだが、それは狂っているとしか言いようがない。」
彼は共謀するようにして、前へと身を乗り出して言った。
「奴は言った、俺達が少し遠い距離の厄介事を解決してくれたなら、自分の魂をマスターに捧げると。俺の言っている意味が分かるか?」
「ではどこで私は入っていけばいい?」私は訊ねた。オリオンは肩をすくめた。
「俺はお前が自分のエネルギーを呪いに加勢したいものだと考えていたのだ。俺達はかなり大きな破壊の儀式を行う。それは動物犠牲を含むのだ。それから前妻をひっくり返すことができたなら、お前は保証の部分をいただける。」
「保証?」
「お前はどのようになっているか知っているな、小さき兄弟。サタンの礼拝中に死んだ者は、誰でも生贄となるのだ。南に90マイルのかなり遠く離れた地点に彼女がいようが、祭壇の上にいて、刃の下で裸でもがいていても関係ない。彼女は依然として死んだ肉体で、やはり永遠にマスターのものなのだ。そうすれば、私はお前におまけの点数を分け与えよう!」
彼は注意深く私に目配せした。



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(25)(26)
はオリオンが手配した前妻を殺してほしい男、「アンディ」が登場し、彼と共に「破壊の儀式を始めます。」


  (27)

 儀式の間はとても熱くなってきて、私は汗が滴り落ちるのと、自分のローブがぐっしょりと濡れているのを感じた。私の心は悪のエンジンとなっていって溶解した火のような鋼が、血管を通って私の手に流れていた。
(略)
私の指はその女の目に見えない喉に近づき、信じられないほどの力で花の茎のように、彼女の気管を握りつぶした。私は自分が馬のような息遣いをし、荒れ狂う怒りで唸っているのが聞こえた。もし彼女が本当にその部屋に居たのならば、私はその場で彼女の喉を締めて殺していたことだろう!
(略)
 アンディはよろめいた。すっかり消耗して。
オリオンは「シェムハムフォラッシュ!」と怒鳴った。私達も「シェムハムフォラッシュ!」と唱和した。これは恐らく、サタニズムにおける偉大な力ある言葉だ。その言葉は、主イエス・キリストが天と地を創造した時に使った言葉であり、サタンがそれを盗んだのだと言われている。今や多くのサタン的な儀式の締めくくりの時に、「アーメン」のように伝統的に使われている。

(中略)
 ※呪いはオリオンの最初の明らかな失敗により、上手くいきませんでした。



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 (28)タイフォンのトンネル①
  2010/7/25公開


 私は反対に、物事が上手くいかなかった時には、自分が適切に行わなかった何かがある、またはまだ自分が教えてもらっていない何かがあるせいだ、という前提で行っていた。私が信じるところでは、魔術は真の科学なのだ。それ故私は秘密の英知を探求し続けていた。自分の位階が上がってゆくせいで、イニシエーションのため、もっと多くの情報に接触することを許されてきていた。特にオカルトフリーメイソンの分野と、宇宙空間の相互魔術の分野からであった。
2つの最も高度な魔術(フリーメイソンのヨーロッパレベルの魔術)の主要な分野がある。
一つは、おそらくは錬金術、およびタントラヨガによる不死性の探求。
もう一つは、
メガポリマンシー(Megapolisomancy  )と
アーキオトリー(Archaeometry)の双子の科学においてである。シャロンは最初の方により専念しており、私は後の方を専念していた。ここであなたが辞書を取りに行く前に、これらの言葉はどの辞書にも載っていないという事を、急いで付け加えたい。これらがその定義である。

・メガポリマンシー 
Megapolisギリシャ語で巨大な街、
omancy魔術、例) necromancy降霊術 
crystallomancy水晶占い、chieromancy手相占い等…

・アーキオトリー
古代の測量術または測量を意味する。これは地球と同様の測量法とも呼ばれる魔術的な科学である。神殿や墓、ストーンサークル等を、地球と同様の寸法で建設することは、とりわけパワフルなことであるという信念がある。


 メイソンは都市の建設者であり、メガポリマンシーは神秘主義的な、都市や神殿(悪魔的な霊を一番引きつける正確な空間測量術)を建設するメイソンの技術であると思われている。
このように、それらはより効果的な魔術的エネルギーの貯蔵庫となっただろう。部屋の内部にある空間や角度を造ることは、他の宇宙への扉を実際に造ることになると信じられている。
これらの宇宙は、コロンブスがやって来て新世界を征服したのと全く同じ方法で、魔法使いによって侵入され、征服され得るのである。こうして、私の教師達(人間や霊/悪霊のどちらでも)の指導のもとで、私の古いメンターであるアクエリアスが関わっていたのと同じ種類の魔術を私は試してみた。
それと同じ科学に対するもう一つのアプローチは、イコンを作ることにあった。イコンはギリシャ語のIkon(像)を意味する。東方正教会で一番よく知られている。それらは恐らく、イエスやMar(?)、聖人達の聖なる絵画とされている。これらのイコンは文字通り「天国への窓」と信じられている。イエスのイコンは、イエスの臨在を部屋や教会にもたらすと信じられているのである。
(略)
それがもう一つの別な宇宙に繋がる扉を顕現させるというイコンも作ったものだった。それから私はこれらの絵画にアストラル的に投影し、他の宇宙を探検する試みを行ったものだった。 



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