つづき

2009/12/31
ブログ主さん公開

 元サタニストの自叙伝 (10)

 モーテル地獄?

 その位階と冒涜はその夜遂に完成した。皮肉の最終的な感触があった。
(略)Complineの緊張を解きほぐしてくれるような祈祷が終わってから、私はアクエリアスのソファーの布団の上で、自分の人生の中で最も居心地の悪い夜を過ごした。私は感謝してそこにいたが、まるで自分一人でいるような気がしなかった。これらの嫌悪すべき絵画は生きているように見えた。それらの目は闇の中で残忍な炎でギラギラしていた。私はフランシスコ会の肩衣にしがみついていた。それはいつも自分の首の周りに着けていたものである。そして数え切れないくらい沢山のロザリオを唱えた。私は本当にChasuble(司祭服)の中で眠っていた。どうしてなのかはっきりしなかったが、それはどこか私に安心感を与えてくれると思っていた。アクエリアスはヴードゥ教の司祭で、エピスコバル教会の助祭でもあり、オールドカトリック教会の司教でもあった。

(略)
その夜の間中‥‥(略)私は冷や汗をかくような夢から目覚めた。目を開きつつあると、私はその絵が壁の上をぐるぐると動いているのが見えた!
眠りがさしてきた時、性的な物体がやってきて、私の布団カバーの上に乗ろうとした。私は彼らの重みや、悪臭のする息の匂いを感じることができた。私は自分が悪い夢を見ていたのか、目が覚めていたのかはわからない。それはとても辻褄が合わないものだった。

 今私は高位の魔法使いの司祭であり、新しくルシファーの司祭に任命されたのだが、自分の理解を越えて数枚の常軌を逸した安っぽい絵画におびえていたのであった。それはアントン・ラヴェイの夜の光の眠り(?)に似ていた。それは「モーテル地獄」で一夜を過ごしたかのようであった。

(中略)

 その週末の残りは、おかしな陽気なやり方で進んでいった。アクエリアスは、一般的な信心の心は言わずもがなで、古い世界の魅力や陽気さでいっぱいになっていた。彼はいつもロザリオを持ち歩いていて、私に聖なる祈祷を一緒に唱えるように要求した。しかしその一方で、性的な魔術と倒錯の話を陽気にくすくす笑いしながらするのだった。アクエリアスにとってヴードゥは人々が考えているような原始的なアフリカのシャーマニズムとカトリックの融合ではなかった。それは洗練された魔術的な数学と物理学の形であり、恐らくはアトランティスの失われた大陸が起源とされるものである。
彼は私がブラックスネークカルトと呼ばれ?ヴードゥ学派の、第一段階のメンバーになるよう提案した。私が講座を受けるためにしなければならない全てのことは、月10ドルでフォームの形で届けられた。後で私がその講座を受け取った時、それらは魔術的なマスターベーションや死体を食べること、悪魔と性交することが含まれていることが分かって驚愕した!


 アクエリアスは、私がもし数字で博士号を持っていたら、もっと早く進むことができただろうと特に言った。彼は魔術の究極の目的は超数学的であると主張した。それは魔術師に時間と空間を旅することや、宇宙まるごとを製造したりコントロールしたりすることが要求されるということである。最後に私達は司祭になるための私の日取りを決め、私は帰りの電車に飛び乗った。(略)
私はシャロンを見て喜び、彼女も私を見て喜んだ。私は彼女にその週末の一部始終を伝えると、彼女は私がそこに二度と一人で行かないように約束させた。


‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥


(11)
2010/1/3

 私は数週間後にローマ教皇の儀式に従って聖職者に叙任された。アクエリアスはロシア正教会の800ドルの価値がある祭服を仕立て、私はその高位聖職者の祭服一式を身に着けた。ローマ教皇(それに対しあまり忠実にはなれなかった)と協力関係を結ぶ宣言ではなく、ヴードゥの法皇、ハイチのHector  Francois  Jean- Maine に服従するように誓わされた。私は再びシカゴへ赴かなければならなかった。
(略)

 ついに、私がアクエリアスの弟子になるためにシャロンのもとを去らないと決めた時、私とアクエリアスの関係はやや緊張的になってきた。アクエリアスは完全なホモセクシャルではないにしても、バイセクシャルであった。彼は男性と関係を持つよりも女性と関係を持つことの方が少なく、シャロンを少し恐れているようで、どんな儀式を行う時も彼女が出席することを拒んでいた。 
シャロンは独自のとても複雑な魔術的構築のシステムを発達させていた。明らかにアクエリアスは彼女のことを妬んでいた。
しかし、自分が彼女を操作できないことで怒り狂っていた。彼はある夜、彼女の魔術的な「宇宙」に侵入しようと図った。シャロンは彼が少し自惚れていると踏んで、女神達の秘密に敬意を払うことを分からせるため教訓を教える必要があると思った。
(略)
彼等は衝突関係に陥った。シャロンは彼に対して手控えてやろうと決め、ほんの警告を与えたのであった。私達が聞いたところによると、その週の夜に彼は心臓発作で入院することになったのだった。それはシャロンが今まで自分の魔術の力を行使しようと選んだ数少ない事例の一つであった。

 数週間後、私は原始測定法(魔術的/メーソン的宇宙構築の型)の入門コースの講義をアクエリアスから受けていた。時に私は、Seven  Raysの修道院から「Gynolatry(女性崇拝のことか?)」の異端の罪で私が破門されたと連絡する手紙を受け取った。正直私は、彼の手の届かないところにいけて嬉しかった!
(略)


 私の人生の異なる側面は私をも悩まし始めていた!一方で私は(今や司祭)はキリスト教の神にミサを捧げ、もう一方では異教の祭壇(恐らくイエスがそこで礼拝されているからだと思われる)で礼拝を捧げていたのである。
私はルシファーの司祭で、儀式において教父制度やクリスチャンのモラルを愚弄していた。
だが私をイニシエートしたのはルシファーの司祭で、自分の事務所で毎日ロザリオを唱え、毎日曜日に大聖堂でミサに出席している敬虔なカトリックの大司教なのである!彼の偽善は、その時の必要のため神聖を公言していたが、自分の生徒達をねじ曲げたキリスト教のモラルの教えによってたぶらかす方法を探していた。
私の大学の司祭の誰よりも大きいものなのだろうか?
アクエリアスはまさしくそれらの倒錯者であった。しかし、秘密裏には信心深く、公然ではルシファーの庇護者であった!
私にとってルシファーとは問題全体の鍵となるもの、私は「彼が邪悪だ」として育てられたが、高校生以来出くわしてきたどの信仰のシステムも、実質上ある意味ルシファーは重要、または私の救いに対してイエスよりももっと重要だと言っていたのだ!
私はイエスとルシファーの関係において、自分の立ち位置を見つけなければならなかった。
私は自分がイエスと共にいたいということをかなりよく知っていた。
イエスはルシファーのことを承認しているのかいないのか?ルシファーは彼の父なのか年上の兄(何度も言われてきているように)なのか?それとも永遠の敵なのか?
もし私がもう一度聖書を信じることができるならば、私は助かっていたのだが。しかし今までのところ私は、聖書はクロウリーの「法の書」よりもずっと信用できないと考えていた!

私は主なる神が宇宙の全ての権力をお持ちであるということや、サタンが既に討ち負かされていたということを知らなかった。
私は自分がキリストの血によって、完全に自由になることができるということを知らなかった。
それで私は二つのことをした。
(中略)

 私は自分が霊的な渦巻きに乗っかっていると感じていたので、私に自分がイエスとルシファーに関することについて何をすべきかサインを下さいと祈りながら、自分の困難を神の下に持っていった。私達は未だに自分達の集会を運営していたし、テレマ的魔術のコースを教えてもいた。そして私は本当に私に対する主のご意思は何かということを知りたいと願っていた。
それで私は膝をかがめ、正しい答えを下さいと祈った。私は自分が期待しているものが何だか分からなかった。天からの一条の光なのか、耳の中で声がするということか、天使のような遣いなのか。これらのうち私はどれも受け取らなかった。私が貰ったのは次の日に来た手紙であった。私は多くの異なるオカルトのグループと関わりがあったので、色々なメーリングリストに載っていたのである。その日配達者は、茶色の封筒に入った雑誌を運んできた。その封筒によって、私はもっと深く暗い方向へと引っ張られていくことになった。



………………………………………………………………………………………


 彼が心の奥底でイエス・キリストを求めて葛藤していたということが後半書かれています。
聖書を知っていて、その中身を読んではいても信じられずに、軽んじてしまい悪魔の聖書「法の書」を選んできてしまった結果がその後にやってくることになります。