① カバラの意味と基本知識

「カバラ」はもともとはヘブライ語の「キッベール」の受け入れる、伝承するという意味を名詞形にした言葉です。
しかし後にユダヤ教の神秘主義、神から与えられた智慧、あるいは師匠が弟子に伝承した神秘として用いるようになりました。
カバラはユダヤ教の伝統を忠実に遵守しようという教えがあり、神からの律法や真実を学び守ることを目的としています。また、個人の神秘体験の追求の手段としても用いれられています。 

 カバラの意味や目的は、神への道標、神のような生き方、そのような人生、それを成し遂げる哲学書のような存在であると共に、非常に困難で難解な教えとされています。
それ故、現在でもカバリストという人々が研究を続けていますが、完全な解釈には至っていないようです。

 カバラとタロットの対応・関係については、フランスの魔術師であり、カバリスト・オカルティストと呼ばれているエリファス・レヴィという人物によって研究されていましたが彼の人生の内には完成されず、エリファス・レヴィ2世により、『高等魔術の教理と祭儀』という本にタロットとカバラの相関関係を発表しています。この本の誕生によって、カバラの「生命の樹・セフィロト」とアルカナ(タロットの神秘思想、秘密の教理)についての議論が始まったと言われています。

 後に「黄金の夜明け団・ゴールデンドーン」という秘密結社によってアルカナとセフィロトの樹との対応表が発表されました。
しかし、この発表によって、タロットの大アルカナと占星術に数字の矛盾が生じることになったのです。
これまでのマルセイユ版タロットでは正義が8番、力は11番だったのが、「黄金の夜明け団」による新しいタロット説には、逆転して正義が11番、力は8番になってしまったのです。
これは秘密結社の中で幹部のアーサー・ウエイト・スミスがカバラの思想をより深く取り入れた為でした。そして彼が現代のタロット版を作ったとされています。〈1910年に発表〉
イルミナティやフリーメイソンは金融経済を支配し、動かすことばかりしているようにも見えますが、実は本来の秘密結社の存在意義は、カバラの思想や理念を研究し、実践することにあると言われています。

 悪魔崇拝のためのカバラを彼等が追求し、その目的を実践する(世に広める)というのだから何の矛盾もなく当たり前という感じです。

 因みにアーサー・ウエイト・スミス監修の現代版タロットはその印刷会社をロンドンにあるライダー社が請け負いました。一般的に[ライダー版タロット]とよく言われているのはその印刷会社の名前だったわけです。タロットの挿絵はパメラ・コールマン・スミスが担当しました。

  
 ②カバラ『神に至る道』の表現

 「生命の樹・セフィロトの樹」と呼ばれて
いる絵図がわかりやすく?カバラの世界を表現しています。これは世界中基本的には同じなんですが、色んなタイプの絵図が見られます。

 この「セフィロトの樹」は、昔から神秘・神話、宗教的なシンボルマークとして世界中に浸透しているのです。
[例]
アダムとエバのエデンの園に出てくる
「 智慧の樹と実」と「セフィロトの樹」はその代表的な表現でしょう。
タロットの〈ラバーのカード〉にも表されています。その他にブッタがこの場所で悟りを開いたという「菩提樹の樹」や、聖ヨハネの「黙示録」にも出てきます。エジプトの神話、インドの聖典ベーダや、ウッパンシャット、インディアンの逸話、ペルシャの「神秘の樹」、イスラム教の「現状の樹」、ケルトの「世界樹」などまだまだ出てきます。

「セフィロトの樹」は壮大な意味を表しています。それは、愛の力・命の力・聖なる力・大いなる力であり、生命の賛歌・意識の階段・人と神との融合を示しているとも言います。
では、この神との融合とはどういう意味かといえば、私たち一人一人の魂を進化さるということなのです。
 
 カバラの魂の進化=セフィロトの樹は
大いなる存在、無限なる存在、無意識、潜在意識、宇宙の生命体のコスモゾーンへと導く教えです。つまり、簡単に説明すれば、人間は進化する為に生まれたのだという教えでもあるのです。

 正にニューエイジの思想そのものですね。 前にも説明しました、輪廻転生や引き寄せの法則に通じる教えです。 

 
 また、セフィロトの樹は潜在意識や夢などにしばしば表れると言われています。セフィロトの樹は、世界の森羅万象や人間の生き方を我々に教えているのです。

〈心理学にも絵画療法にバウムテストがあり、1本の木を描かせて診断したりします。
そして、フロイトの夢診断、夢占い、
ユングの夢占いなどがあり、とても有名です。〉


 ここまで、参考動画
⚪「タロットとカバラの関係」

 ③ 数秘術について、その起源

 数秘術はユダヤ教から始まったのかと思っていたのですが、もっと古い起源があったのです。その、数秘術の産みの親ともいえる人物がいるのですが、なんと【ピタゴラスの定理】で有名なピタゴラスだったのです。多分、数秘術を学んだ人くらいしか知らない事実でしょう。
 
 ピタゴラスの定理は、『平方の定理』とも呼ばれています。
直角三角形の3辺の長さの関係を表す、3辺の長さの内2平方の長さが分かれば、残り1辺の長さを知ることが出来るという、その計算のやり方を発見した人物として有名です。 
まあ、数学の定理はとりあえずどうでも良いのですが、このピタゴラスという2500年前の歴史的有名人は、調べていくとかなり怪しい人物であるということが分かりました。それを詳しく説明します。

 ピタゴラスは天才的な頭脳の持主で、数学者のみならず、哲学、天文学、心理学、音楽、占術に長けていました。ここまでなら別にただの歴史的な天才人で終わる話なのですが、それだけでは無かったのです。
なんと、ピタゴラスは自ら「ピタゴラス教団」という宗教結社の創始者でもあったのです。
古代ギリシャからある「オルペウス教」の流れを汲み、魂と肉体の二元論の輪廻転生を説いており、また原始共産製(入信する際に財産を共有するのが第一条件)を敷いていました。
しかもただの宗教団体ではありませんでした。数学者の彼らしく、寄りすぐりの数学者、もしくは数学に強い人物のみを集めた、彼の学派でもあったのです。また、彼の教団に入るためには難しい試験にパスしなければならなかったといいます。
 
 この教団では、優れた数学者たちで「数の性質」を研究することで宇宙の真理、神の世界をを解き明かそうとしたのです。

ピタゴラスの考えによると、「宇宙の全ては数から成り立つのだ」とし、数には法則、人間による主観、解釈ではなく、「数字と計算によって全てを解明することが出来るはずである」というのです。
 
 また、この彼の数学研究機関ともいえる学派は、当時信じられていた宇宙の五元素を示す『五芒星』を紋章としたのです。
 五芒星ははっきり言って悪魔の最強のシンボルマークです。ピタゴラスがそれを知らなかったなんてことがあるでしょうか?
いいえ、おそらく知っていて選んだとしか思えません。


 あとそれを裏付けるように、
実は「ピタゴラスの定理」は彼一人で発見したというより、この教団の成果だったようです。この定理の重大性を記念して、(形が三角形だから?)教団では、神に牡牛を100頭も生贄に捧げて発見を祝ったといいます。
悪魔の大好きな牡牛の、しかも100頭も捧げるなんて到底普通の行為ではありません。



 このピタゴラスの数秘術は初めは許された者のみの口頭秘術だったようですが、その後プラトン(プラトンはピタゴラスにかなり影響を受け、数学・幾何学を重視した)に引き継がれ、発展し西洋占星術やタロットと結びつき、ユダヤ教のカバラの書物によって更に補強されました。ルネサンス期にはヨーロッパで降盛を極め、現在までに至ります。

 
 悪魔崇拝者のピタゴラスが始めた数秘術が時代を経て、これまた悪魔教のユダヤ教のカバラの教えと深く結びついていく様はもはや自然といえるでしょう。
 
 人類は、過去の歴史的事実から一貫して繰り返し悪魔崇拝をやり続けているわけです。
一つの宗教や国が滅んでも、時代が移り変わっていっても、科学がいくら進化をし続けても、古代の昔から、太陽崇拝や占星術は存在し続け、その悪魔の教え思想は現代まで全く、何一つ変わっていないのです。