(2024.2.21)

(2024.3.12)文末、健康被害救済制度の認定についてデータを更新しました。

 

 

⇒当初、認定される疾病/障害は、そのほとんどがアナフィラキシー、急性アレルギー反応でした。(健康被害救済制度)

○疾病・障害認定審査会(新型コロナワクチン分)審議結果(令和3年8月19日)
 審議件数:41件
 認定件数:29件
 否認件数:0件
 保留件数:12件
⇒認定された29件の疾病名/障害名の内訳はつぎのとおり。
 アナフィラキシー(15件)
 アナフィラキシー様症状(8件)
 急性アレルギー反応(6件)

⇒令和3年度一般会計補正予算について。
○令和3年度(予算額)新型コロナワクチン健康被害給付
(当初予算)3億6,000万円(360,161千円)
(補正追加)21億7,000万円(2,165,311千円)
(補正後)25億3,000万円(2,525,472千円)

⇒予算の積算根拠について、つぎの質問主意書、答弁書(抜粋要約)があります。
○新型コロナワクチンの予防接種健康被害給付に係る予算の積算根拠等に関する質問主意書(令和4年10月27日)参議院議員
 予防接種法に基づく予防接種を受けた者に健康被害が生じた場合、その健康被害が接種を受けたことによるものであると厚生労働大臣が認定したときは、市町村が、医療費や障害年金、死亡一時金等を給付することとされており、例えば死亡一時金については4420万円を給付することとされている。
 同制度に関し、令和4年10月17日に開催された第152回疾病・障害認定審査会感染症・予防接種審査分科会の資料では、同日時点で新型コロナワクチンに係る健康被害救済について計996件の認定が行われたとされている。また、死亡一時金については、同日の審議で新たに1件が認定され、同日までに計4件の認定が行われたとされている。
 この新型コロナワクチンの予防接種健康被害給付に係る予算については、令和3年度予算において約3.6億円、令和3年度補正予算において約21.6億円、令和4年度予算において約3.6億円が計上されている。
 令和3年度以降の予防接種健康被害給付に係る予算の積算根拠を示されたい。
▽上記質問に対する答弁書(令和4年11月8日)
 内閣総理大臣 岸田 文雄
 令和3年度一般会計予算における負担金に係る予算額については、新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の開始が令和3年2月であり、同予算の編成過程において、令和3年度における健康被害救済給付の所要額を推計することは困難であったことから、予防接種法第五条第一項の規定による定期の予防接種に係る同法第十五条第一項の規定による厚生労働大臣の認定の件数の実績等に基づき積算している。また、令和4年度一般会計予算においても、令和3年度一般会計予算と同様の考え方に基づき積算している。
 なお、令和3年度一般会計補正予算(第一号)においては、その時点での同感染症に係る予防接種の実施状況や健康被害救済給付の申請の件数等に基づき必要な予算を計上したところである。

⇒上記質問主意書における、令和4年10月17日時点の概要はつぎのとおりです。
○疾病・障害認定審査会(新型コロナワクチン分)審議結果(令和4年10月17日)
 これまでの進達受理件数:4,689件
 認定件数:996件(うち、死亡についての認定4件)
 否認件数:84件
 現在の保留件数:29件
⇒3,580件は受理されているものの、審議に入っていません。
⇒この時点までに認定された事例の一部を抜粋して掲載します。(主に、どのような症状が認定されているのか?といった視点に基づき事例を選定しています。)
⇒つぎの順に掲載しています。
▽性別、接種時年齢、疾病名/障害名 の順。
▽男、13歳、アナフィラキシー
▽男、13歳、急性アレルギー反応
▽男、14歳、左上肢筋力低下、手指振戦
▽女、17歳、右顔面神経麻痺
▽男、19歳、嘔吐、吐血
▽女、19歳、発熱、脱力、歩行困難
▽女、20歳、疼痛、頭痛、発熱、脱水症
▽女、20歳、発熱、四肢発疹、両膝関節痛、全身倦怠感
▽女、20歳、発熱、腰背部痛、胸痛
▽男、21歳、急性心筋炎
▽男、22歳、一過性意識消失、頭部打撲、けいれん様発作、舌咬症
▽女、22歳、発熱、過換気症候群
▽男、23歳、頸部リンパ節炎
▽女、23歳、急性アレルギー反応、急性筋障害
▽女、25歳、発熱、蕁麻疹、左半身しびれ
▽女、26歳、急性腸炎
▽男、26歳、重症片頭痛発作
▽女、27歳、蕁麻疹、神経障害性疼痛、掻痒症
▽男、27歳、発熱、めまい、耳鳴り、眼振、聴力低下
▽女、27歳、発熱、頭痛、めまい、下痢、筋肉痛、倦怠感
▽女、28歳、頭痛、嘔気、上腹部痛
▽女、28歳、気管支喘息発作
▽男、29歳、左顔面神経麻痺
▽女、30歳、多形滲出性紅斑
▽男、30歳、気管支喘息発作
▽女、30歳、発熱、倦怠感、食欲低下、口内炎、四肢丘疹
▽女、33歳、左橈骨神経障害
▽男、33歳、左肩関節周囲炎
▽男、34歳、右末梢性顔面神経麻痺
▽女、34歳、急性散在性脳脊髄炎
▽女、34歳、急性胃腸炎、低カリウム血症、手指の硬直
▽女、34歳、めまい、耳鳴り、嘔気、嘔吐
▽女、38歳、過換気、呼吸困難、不随意運動、悪心
▽女、38歳、左上下肢末梢神経障害
▽男、38歳、けいれん重積状態
▽男、39歳、左顔面神経麻痺
▽女、39歳、蕁麻疹
▽女、40歳、結節性紅斑
▽女、42歳、末梢神経障害、膀胱直腸障害
▽男、43歳、血圧低下、意識消失発作、全身けいれん発作
▽女、43歳、洞性頻脈、手の震え
▽女、43歳、血圧上昇
▽男、43歳、左側有痛性強直性けいれん、上半身不随意運動
▽男、44歳、発熱、頭痛、倦怠感、関節痛、脱水症
▽女、45歳、四肢しびれ、めまい、倦怠感、両手握力低下
▽女、46歳、一過性高血圧、動悸、腹痛
▽女、47歳、末梢神経障害、排尿障害、低髄液圧症候群
▽女、52歳、発熱、下痢、肝機能障害、腎機能障害
▽女、54歳、動悸、呼吸困難、四肢脱力、倦怠感、疼痛、発語低下
▽女、54歳、咽頭違和感、咳嗽、鼻汁
▽女、56歳、腹痛、嘔吐、下痢、便潜血陽性
▽男、57歳、顔面帯状疱疹
▽男、58歳、中毒疹
▽女、58歳、悪心、顔面ミオクローヌス、失語症状
▽女、64歳、嘔気、嘔吐、虫垂腫大
▽女、65歳、ギラン・バレー症候群疑い
▽男、65歳、血小板減少性紫斑病
▽男、66歳、めまい、一過性高血圧
▽女、68歳、右顔面神経麻痺
▽女、69歳、発熱、てんかん発作の再燃
▽女、72歳、発熱、食欲不振、心窩部不快感、頭痛
▽男、72歳、血小板減少性紫斑病、脳出血
▽女、72歳、IgA血管炎
▽男、72歳、免疫性血小板減少症の疑い、脳静脈洞血栓症(新たに認定された死亡一時金)
▽男、73歳、房室ブロックの悪化
▽男、74歳、間質性肺炎急性憎悪
▽女、91歳、脳虚血発作、高血圧症、心肥大
▽男、91歳、間質性肺炎急性増悪
▽女、91歳、急性アレルギー反応、急性心筋梗塞


⇒以降も補正で追加されることが、繰り返されています。
○令和4年度(予算額)新型コロナワクチン健康被害給付
(当初予算)3億6,000万円(360,173千円)
(補正追加)36億8,000万円(3,681,229千円)
(補正後)40億4,000万円(4,041,402千円)

○令和5年度(予算額)新型コロナワクチン健康被害給付
(当初予算)3億6,000万円(359,859千円)
(補正追加)394億1,000万円(39,410,966千円)
(補正後)397億7,000万円(39,770,825千円)


⇒令和6年3月11日時点における概要はつぎのとおりです。

○疾病・障害認定審査会(新型コロナワクチン分)審議結果(令和6年3月11日)

 これまでの進達受理件数:10,486件

 認定件数:6,581件

 否認件数:1,317件

 現在の保留件数:35件

2,553件は受理されているものの、審議に入っていません。

⇒上記のうち、死亡一時金(葬祭料)の概要について。

 これまでの進達受理件数:1,206件

 認定件数:493件

 否認件数:127件

 現在の保留件数:2件

584は受理されているものの、審議に入っていません。



 以上です。


<備考>
○厚生労働省「一般会計歳出予算補正(第1号)各目明細書」
▽新型コロナウイルス予防接種健康被害給付費負担金

<令和3年度>予算案のとおり成立
 成立予算額(千円360,161
 補正要求追加額(千円) 2,165,311
 改予算額(千円) 2,525,472

<令和4年度>予算案のとおり成立
 成立予算額(千円360,173
 補正要求追加額(千円) 3,681,229
 改予算額(千円) 4,041,402
<令和5年度>予算案のとおり成立
 成立予算額(千円)359,859
 補正要求追加額(千円) 39,410,966
 改予算額(千円) 39,770,825