(2023.9.03)
経済同友会の代表幹事「保険証廃止を実現するよう“納期”に向けてしっかりやっていただきたい」までに至る、これまでの「応能負担は絶対的に必要なもの。応能負担のためのインフラはマイナンバーで実行すべき」「最終的には資産を把握することも必要」などの意見を掲載する内容です。
つぎの資料、議事録など(抜粋要約、時系列)があります。
○産業競争力会議(平成25年1月23日)N氏(経済同友会の代表幹事)提出資料
▽マイナンバー・システムの導入
個人の所得のみならず資産も把握して、医療費・介護費の自己負担割合に差をつけ、結果的に医療費・介護費の削減につなげる。
○産業競争力会議(平成25年2月26日)議事要旨
▽N氏
オレンジにしてもチェリーにしても、日本は、きつい時でも期限を限れば必ず良い商品を出し、イノベーションが起こる。
○産業競争力会議(平成25年5月14日)議事要旨
▽N氏
先日、アメリカとヨーロッパに行ってきた。日本は今後とも「経済ファースト」だと強く伝えてきた。
○第185回国会 衆議院 経済産業委員会(平成25年11月12日)
▽N氏
高齢化によって、一方で課題先進国であるからこそビジネスチャンスがある。そのときにどういうふうに、イノベーティブに発想してチャレンジしていくかということが大切だと私は考えております。
他と同じものであればお客様はそこへ行っていただけばいいわけで、しかし、異なるものをつくるときは一つの変化が生まれるときであり、その変化をどうやってうまく活用してビジネスにしていくか。一方で、その変化が嫌だと思ってビジネスにしない、このスタンスの大きな違いがある。私は、変化に対して常に前向きにやっていきたい、こういう企業経営をやっていくべきだと。
新しい制度を活用することによって、新しいビジネスが生まれる。
○平成27年第2回経済財政諮問会議(平成27年2月12日)議事要旨
▽N氏
老年世代から若年世代へと再配分を変えて、相続税や自主的な寄附、年金の辞退なども活用して、また、デスデューティーも考えて、フローだけではなくて資産をきちんと見て、社会保障や再配分を考えるべきときに来ているのではないか。マイナンバーももっと使えるように、こういうことをしていく必要があるのではないかと思う。
○第189回国会 衆議院 本会議(平成27年4月23日)※N氏以外の発言も掲載しています。
▽国務大臣
ビッグデータの活用を行う企業等がパーソナルデータの利活用を躊躇するという、いわゆる利活用の壁の課題が生じております。
このため、この利活用の壁を取り除く観点から、今回の法案(個人情報保護法など一部改正)の大きな柱の一つとして、個人情報の保護を図りつつ、新産業、新サービスの創出など、我が国の成長戦略を強力に進めていくという考えのもと、匿名加工情報に関する制度の導入等の措置を講ずることといたしております。
○第189回国会 衆議院 内閣委員会(平成27年5月15日)
▽大臣政務官
財政制度等審議会では、医療・介護分野において、高齢者に対して利用者負担を求める際、マイナンバーも活用しつつ、所得だけでなく預貯金等の金融資産も勘案して負担能力を判断する仕組みとする必要があるのではないかと提案をさせていただいたところであります。
○(骨太方針)経済財政運営と改革の基本方針(平成27年6月30日)閣議決定
マイナンバーを活用すること等により、金融資産等の保有状況を考慮に入れた負担を求める仕組みについて、実施上の課題を整理しつつ、検討する。
マイナンバー制度を活用し、徴税コストの削減を図るとともに、担税力を適切に捕捉するため、金融及び固定資産情報(登記及び税情報を含む。)と所得情報をマッチングするなど、マイナンバーをキーとした仕組みを早急に整備するとともに、税・社会保険料徴収の適正化を進める。
○平成27年第15回経済財政諮問会議(平成27年9月11日)議事要旨
▽N氏
民間投資をより増やしていくためには、生産性が低く、まだ産業化ができる分野にはより真剣に取り組んでいくことである。農業、観光、健康長寿、予防、こういった分野、また子育ても産業化できると考えている。
○平成27年第18回経済財政諮問会議(平成27年11月11日)議事要旨
▽N氏
例えばデータヘルス等のIoTなどは第4次産業革命といわれているが、これに関しては、日本は大変ユニークなマーケットである。現在、日本は世界一の高齢社会である。これから他の国も高齢社会になっていくわけであり、データやAIを使った予防医療やロボットの活用などの投資機会はたくさんある。しかし、これらは公共サービスであるから、民間はなかなか入れない。そこで、ぜひとも官民ファンドを水先案内人として、地銀や事業会社の投資が後から入ってくるようにしていただきたい。
○平成28年第2回経済財政諮問会議(平成28年2月18日)議事要旨
▽N氏
重要なのは、予防医療などを推進する広い健康長寿産業を作り上げることである。潜在的な需要はあるので、これを顕在化するということである。
健康長寿産業を目指す際の出発点は、何といっても、予防インセンティブである。それを支えるのが、データヘルス、いわゆるビッグデータの分析等である。
○平成28年第8回経済財政諮問会議(平成28年5月11日)議事要旨
▽N氏
大企業の検診率は非常に高いが、中小企業や配偶者は大変低い。こういう検診をしない中で、どうやって未病、重症化を防げるのか。この辺の手段を考えないと、最終的には重症化を防げない。また、それをやることによって、ビッグデータがたまっていく。尿とか、血液だけでも健康状態が十分に分かるような、そういう産業にもなっていく。この辺の健診というものに、もっと真面目に取り組んでいかなければいけないのではないか。
○平成28年第9回経済財政諮問会議(平成28年5月18日)議事要旨
▽N氏
健康長寿について、私は「健診なくして健康立国なし」と考える。簡易健診でも良いので、特定健診の受診率を100%にする、そして、女性特有のがん検診の受診率を80%にする、という目標を骨太に盛り込んでいただきたい。これはかかりつけ医の制度にもマッチするものであり、その体制作りをぜひお願いしたい。
受診率の向上は、中期的に見てリターンも大変多い。また、未病対策に向けた先行投資でもある。レセプトデータは、健診データを一緒に組み合わせてビッグデータの分析やAIに活用でき、最終的には第4次産業革命の大きなステップになる。これは日本でしかできない。ぜひとも健診データの構築をお願いしたい。
○平成28年第13回経済財政諮問会議(平成28年7月26日)議事要旨
▽N氏
健康長寿に資する血液検査や運動指導、ビッグデータを活用した創薬、健康食品、このようなものは民間からの投資を呼び込むことができる。このような分野で呼び水となるような国費投入をしていくべきではないか。
○平成28年第14回経済財政諮問会議(平成28年8月8日)議事要旨
▽N氏
官需頼みではいけない。やはり私たち民間の投資が誘発できるように、潜在需要を顕在化していくことが必要である。このままでいくと、国に頼り切ってしまうのではないか。そうなると大変なことになる。経済の成長はあくまでも民間である。民間からの投資が増えていくよう、構造改革を進めていくべきである。例えば、健康立国に関係して、医療・介護はビッグデータやAIなど、第四次産業革命を活用でき、爆発的な投資の可能性がある。
○サントリー新浪CEO(N氏)が語る、「グローバル化」と「やってみなはれの精神」(平成28年8月17日)Forbes JAPAN
同社の歴史の根底には、ウイスキーをはじめとする日本の洋酒文化を切り拓いた創業者、鳥井信治郎の理念が宿っている。「やってみなはれ」である。
やらなきゃわからない。だから、やりながら状況に合わせて変えていく。そんなチャレンジ精神と、それをやり切る胆力が、新しい価値の創造に挑戦していく原動力となっている。
○第192回国会 衆議院 環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会(平成28年10月27日)
▽委員
10月10日付、新浪剛史氏が宮崎日日新聞の現論という欄に投稿しておられます。新浪氏はサントリーホールディングスの社長で、安倍首相の経済財政諮問会議の民間委員です。いわば安倍ブレーンと言っていいでしょう。この方がこういうふうに言っているんです。「日本は付加価値が低い産業は途上国に任せ、研究開発に支えられた製造業やIT産業、ファッションなどソフト産業を中心に付加価値の高い経済構造に転換を迫られている。TPPがその契機になるのは間違いない。」これは原文のままです。
これを読みますと、非常に率直でわかりやすい。付加価値が低い産業とは、一次産業、とりわけ農業であります。確かに、新浪氏の考え方は、これを読んでみますと、経済効率を最優先とする国際分業論であり、新自由主義の典型であります。
○平成28年第17回経済財政諮問会議(平成28年10月21日)議事要旨
▽N氏
例えば、健診データとレセプトデータを突合させ、保険者と医師会が協力して組合員を指導するようなモデルが福岡県にある。こうした先進的なデータヘルス事業を標準化し、各機関や民間の委託先との間でデータ連携する環境を整え、一大産業として育成していってはどうか。また、保険者だけではなく、個人へのインセンティブも強化すべき。特定健診やがん検診等の受診者と未受診者で保険料率に差をつけるなど、広く一般の人に予防を取り組んでもらうような仕組みを考えてはどうか。
○第192回国会 衆議院 環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会(平成28年10月28日)
▽委員
今、農政、農林水産省の中の審議会でいろいろ有識者の意見を聞いてやっていくんだったらいいんですけれども、何か、いや、外部の人の意見を聞くというのも大事ですよ、大事ですけれども、新浪剛史さんとかああいう人がいろいろ意見をおっしゃる。産業競争力会議、規制改革会議、そっちの方であれこれ言われて、農政がひっかき回されているんです。そこのところに、ここに書いてある、農業貿易に関する小委員会、現代バイオテクノロジー生産品作業部会がまた一つ加わって、ああでもない、こうでもないと言われているんです。大臣の権限は奪われるばっかりなんです、農林水産省も。これはやはり主権の問題だと僕は思っているんです。
○平成28年第18回経済財政諮問会議(平成28年11月8日)議事要旨
▽N氏
農業改革の大きな目標は強い農業を目指すことであり、その大きなポイントは生産性の向上である。その際に、大規模化を志向する担い手に農地の集約が行われていくことが大変重要であるということは、皆さんに合意していただいていることと思う。
集約化の進捗状況を把握するために、集積率の状況について都道府県別に比較したものである。これを見ると、集積率に非常にばらつきがある。
目標は平成35年度に80%であり、このままでは目標の半分程度しか改善せず、絵に描いた餅になってしまうのではないか。進捗の思わしくない都道府県は、優良事例をしっかり研究し、農地中間管理機構と連携して、目標達成に向けて、責任を持って、農地の集約・集積を進めていただきたい。
○第192回国会 参議院 内閣委員会(平成28年12月6日)
▽委員
官民データ活用推進基本法案について反対の討論を行います。
本法案は、ビッグデータや人工知能を活用した新しい産業イノベーションを起こすことを期待し、国や地方公共団体が管理する個人情報を含め、官民の電磁記録データの利活用を促進しようとするものです。これは、日本経団連が提言し、アベノミクス第三の矢とされる2016日本再興戦略で求められていた方向そのものです。
そもそも、国や地方公共団体等が管理する個人情報は第三者への提供を前提としていません。個人の資産や所得、納税、疾病や健康等に関わる情報は、たとえ匿名化されたとしても、民間事業者への提供、マーケティングへの利活用等を促進することに国民的な合意があるとは到底言えません。
▽委員
本法案では経済発展の名の下での官の情報の利活用ばかりに目が向き、事業者の利益最優先の内容になっていると言えます。
○官民データ活用推進基本法案
(平成28年11月29日 )衆議院審議結果:可決
(平成28年12月7日 )参議院審議結果:可決
○平成29年第13回経済財政諮問会議(平成29年9月25日)議事要旨
▽N氏
マイナンバーもぜひお願いしたい。応能負担も大変重要である。年齢ではなく、収入の多い方や金融資産を持っている方がしっかりと払う社会を作っていくためには、もう一度、マイナンバーを見直す必要がある。
○平成29年第16回経済財政諮問会議(平成29年12月1日)議事要旨
▽N氏
応能負担の仕組みについても全世代型社会保障の観点からできるだけ早期に検討を開始すべきではないか。応能負担については、マイナンバーの活用のインセンティブも、スキームとして是非とも御検討いただきたい。
○平成30年第14回経済財政諮問会議(平成30年11月20日)議事要旨
▽N氏
今後、健診を受けていく上で、保険証機能をマイナンバーの中に入れ込み、健診データを通年で管理することで、マイナンバーの普及にも活用してはどうか。
○平成30年第16回経済財政諮問会議(平成30年12月10日)議事要旨
▽N氏
経済・財政一体改革を推進していく上で、是非お願いしたいのがマイナンバーカードの普及である。マイナンバーカードが普及しないと、これらの改革工程も進まない。ましてや、電子政府や地方行政におけるデジタル・トランスフォーメーション、また、データヘルスや、ゆくゆくは応能負担などの全世代型社会保障の推進においては、マイナンバーカードの活用が不可欠。
例えば、経団連や同友会の会員企業において社員証として使う、また、交通系ICカードをマイナンバーカードに統合するなど、いかに使い勝手が良く、便利な1枚にするかが重要。政府において、こうした取組を大胆に進めていただくことが、社会の全世代型社会保障が円滑に推進される大きなツールになるのではないかと思うので、よろしくお願いしたい。
○令和元年第2回経済財政諮問会議(令和元年5月31日)議事要旨
▽N氏
個々人が生まれてから学校、職場に至るまで健診・検診情報の全てを2022年度までに電子化し、蓄積を推進するとともに、予防等に活用すべき。学校などは、デジタルデータになっていないところも多く、これを早くデジタルデータにするということが必要。また、このようなデータを蓄積できるのは世界でも日本以外になく、そういった意味で、大変な飛躍ができる大きなチャンスでもある。マイナポータルを活用するPHR(パーソナル・ヘルス・レコード)との関係を含めて対応を整理し、本年末までに工程化していただきたい。
さらに、6月を目途に立ち上げることを予定しているPHR検討会において、しっかりと匿名化したデータをオープンにして、予防等に活用できることを含め、是非、検討を進めていただきたい。
○令和2年第6回経済財政諮問会議(令和2年4月27日)議事要旨
▽N氏
経済については、家計への支援を迅速に行うことが肝要。そのために、マイナンバーをしっかりと活用すべきであり、早急に銀行口座とマイナンバーを紐付けして、円滑な現金給付を可能とすべき。その上で、マイナンバーによる所得の把握を徹底し、今後のきめ細かな給付に活用すべき。高市大臣には是非ともよろしくお願い申し上げる。
○令和2年第8回経済財政諮問会議(令和2年5月29日)議事要旨
▽N氏
まず、マイナンバーカードの普及が重要であり、しっかりと国民に広報するとともに、カード所持のインセンティブを高めるため、マイナンバーカードと保険証の完全一体化について完了年度を決めてしっかりと進めていただきたい。さらに、非正規労働者の方々を含め全ての税務申告にマイナンバーの記載を義務付けるなど、全国民についてマイナンバーによる収入の把握を可能とするシステムを構築した上で、マイナンバーと銀行口座の紐付けを行うべき。その上で、給付金の交付など、必要な場合には行政が情報を活用できることとし、必要な方々に早急に給付金が交付できる体制を構築すべき。
○令和2年第9回経済財政諮問会議(令和2年6月22日)議事要旨
▽N氏
マイナンバーについては、高市大臣のリーダーシップで、銀行口座とマイナンバーシステムの紐付けができる方向になっており、大変ありがたい。
○令和2年第13回経済財政諮問会議(令和2年7月31日)議事要旨
▽N氏
応能負担はマイナンバーを上手く活用することで対応できる。ただ、マイナンバーやマイナンバーカードは、国民にとってどのようなメリットや利便性があるかを理解してもらうことから入っていかなければ、なかなか受け入れられないのではないか。
○令和2年第15回経済財政諮問会議(令和2年10月23日)議事要旨
▽N氏
デジタル化による国民生活向上の取組の1つとして、マイナンバーと医療について、健康保険証との一体化を早期に実現し、さらに検査・診療情報をマイナンバーに紐付けることで、診療時間が短くなり、重複診療が無くなる。
○令和2年第17回経済財政諮問会議(令和2年11月27日)議事要旨
▽N氏
社会保障を今後、持続可能なものにしていくためには、このマイナンバーを活用した応能負担の仕組みをしっかりとつくる必要がある。
高齢者を中心に所得は低いが資産はある方々が多数おられると承知している。その方々と本当に困窮されている方々を同列に扱うということ自体、世代間・世代内双方の点で公平性に欠けるのではないか。
マイナンバーと所得・資産の紐づけについて、国民の中にある種の警戒感があるのは存じ上げている。是非とも経済困窮者に支援ができる仕組みのためにもマイナンバーの有効活用が必要ということを正面から国民に説明し、国民的な議論を巻き起こしていただきたい。
これについては色々と賛否両論あるだろうが、正に議論を起こすこと自体が非常に重要なのではないか。
○第204回国会 衆議院 厚生労働委員会(令和3年5月7日)
▽委員
財政制度分科会で、財務省が社会保障の改革案として医療費の自己負担割合に金融資産を加味する仕組みの導入を提案したという報道があるんですけれども、それが事実かということ、あと、これをやろうと思ったらマイナンバーと預貯金口座のひもづけが必須じゃないかと考えますが、いかがですか。
▽政府参考人
財政制度審議会での議論は事実であります。
応能負担を取る場合に、これをより公平なものにしていくためには、所得だけでなく資産の保有状況も勘案することが重要であるというふうに考えてございます。
具体的な実施方法については、委員御指摘のマイナンバーの預貯金口座へのひもづけ、これも極めて重要な一つの方法ではないかというふうに考えておりますけれども、具体的な設計については、実効性あるいは公平性確保の観点から、引き続き関係省庁ともよく検討してまいりたいというふうに考えております。
○新浪流「やってみなはれ」の神髄(令和3年8月26日)テレ東プラス
ローソンでの実績が買われサントリーに呼ばれた新浪。経営のよりどころにしたのは「やってみなはれ」の言葉だった。
新浪「やらないでああだこうだと考えていないで、まずはやりなさい、と。そして裏背景には、やり切れよ、と。」
新浪は「やってみなはれ」の精神を現場により浸透させようと「やってみなはれ大賞」という表彰制度を新設。「新しいチャレンジをどんどんやってみろ」とハッパを掛けた。
○(令和3年8月末)マイナ保険証の「語登録」ではなく、そもそも「ひも付けがなされていなかった」事案について
厚生労働省「令和3年8月末の時点で、データのひも付けがなされず、マイナ保険証を利用できない状態の者が約92万人(協会けんぽ公表分)いらっしゃるということは、厚生労働省としては当然承知していた。その後、紐づけ作業を進めて、令和5年7月末の時点で36万人までに減少した。」(令和5年8月18日ヒアリング)
○令和3年第13回経済財政諮問会議(令和3年11月9日)議事要旨
▽N氏
賃上げの効果が社会保険料の上昇で相殺されているという大きな課題について。可処分所得の上昇のためには、デジタル化による医療・介護の生産性向上や、マイナンバーを活用した応能負担の徹底による現役世代の負担軽減、すなわち、賃上げ効果を台無しする元凶である後期高齢者支援金の負担軽減を何とかしても図るべき。
今、日本が直面している課題はたくさんあるが、これを乗り越えていくためには、リスクに果敢にチャレンジする姿勢、これをアニマルスピリッツと呼んでいるが、これが企業に求められている。
○令和4年第2回経済財政諮問会議(令和4年3月3日)議事要旨
▽N氏
全体として必要なことは、やはり何といっても成長分野への労働移動をどのように行っていくかということに尽きる。新しい成長分野をどのように大胆につくり出していくか。ここには新たな雇用も生まれる。育成した人材の受け皿をしっかりつくらないといけない。労働者の方が是非移動したいと思える面白そうな分野をどのようにつくっていくかがすごく重要で、正に新しいフロンティアを官民で積極的につくっていかなければいけない。民にはお金はある。新しいフロンティアをつくることによって、自分はここでやりたいという希望を持たせることが非常に重要ではないか。
例えば、健康長寿社会の実現というのは考えられないか。今こそ、官民挙げて健康長寿社会をつくっていくべき。
その際、実はAI・IoT・DXがすごく重要になる。量子コンピュータやゲノムも非常に重要。健康長寿、ウェルビーイングというのは多くの方の賛同を得られる分野であり、そして日本が強い分野。既に世界に冠たる長寿社会であり、例えば、この健康というところをもっとフォーカスすれば、色々なものが実用化する必要性が出てきて、ベンチャーも生まれてくる。
GXも同様であるが、このように、アニマルスピリッツが生かされることによって社会課題が解決される環境整備を図っていくことが重要。
現在の資本主義がつくった問題点や社会課題を解決するのは、やはりアニマルスピリッツが根底にあるべきだが、具体的に何のためにどういう方向に向けてやっていくのかについては、総理に今後出していただけるビジョンで、しっかりと示していただきたい。
○第208回国会 参議院 予算委員会(令和4年6月3日)
▽委員
桜を見る会について伺います。安倍元総理が、後援会員を大量に招待し、税金を使った公的行事を私物化していた問題です。
(省略)
サントリーは、2016年から4年間、酒を無償提供していたといいます。この時期は、政府・与党が税制改正でビールを減税し、発泡酒や第三のビールは増税し、やがては一本化という検討をしていた時期です。第三のビールの比率が多いサントリーは、この税制改正が進めば大打撃だと言われていました。
2015年、サントリーホールディングスの現社長、新浪剛史氏が当時の安倍首相や麻生財務大臣と会談し、翌年には一本化見送りが決まりました。その後も安倍氏との懇談は重ねられ、一本化は26年10月まで先延ばしになっています。桜を見る会前夜祭への酒類の提供は、まさにこの時期に行われていたんですね。酒税変更先送りのお礼ではないかという疑念も持たれています。調査するべきではありませんか。
▽内閣総理大臣(岸田文雄君)
タイミングが重なったというようなことをおっしゃっているんだとは思いますが、税制改正においては、これは一人の人間が判断するものではなくして、自民党において、与党において延々と議論を積み重ねて、どうあるべきかという議論を何年にもわたって議論をし、そして決断を出したものであります。そうした税制等における取扱いについては、こうした議論の積み重ねの結果であると認識をしております。
そうしたタイミングが一致しているということで、推測に基づいて申し上げることはあってはならないと思っています。
○令和4年第9回経済財政諮問会議(令和4年7月25日)議事要旨
▽N氏
マイナンバーの活用。これは世帯の所得や公的サービスの受給を早くする仕組みの構築、更には社会保障における応能負担に活用すると、ずっと議論してきている。
私は経済財政諮問会議の議員になってからずっと毎年、この話をしているが、進まない原因は問題の所在を赤裸々に議論してこなかったからであると思う。マイナンバーがなくては、財政の健全化、そしてまたいざとなったときの給付もできない。これは国民の安心・信頼の獲得が不可欠であり、経済・財政一体改革推進委員会でタスクフォースを立ち上げさせていただき、どうしたら本当にこれが活用できて、国民が是として受け入れてくれるかということを赤裸々に議論させる場を作り、提案をさせてはどうか。
マイナンバーは、セーフティーネットの充実など、色々な形で活用できるが、何といっても国民には、マイナンバーを活用することにメリットがあり、非常に重要なのだと理解していただくことがとても重要。また今後、相続が多く起こってくる。相続税の捕捉をもっとしっかりと行い、これによる増収を貧困対策や子供政策の財源に充てるべき。物納も増えてくる。この相続に関わる制度見直しについて、今から手を打つということが必要。
○令和4年第11回経済財政諮問会議(令和4年9月14日)議事要旨
▽N氏
今後、75歳の方々が増えるというのは明らかであり、社会保障費が大幅に増えていく。その時に備えて、やはり応能負担は絶対的に必要なもの。応能負担のためのインフラはマイナンバーで実行すべき。これを早くやるために、実はマイナンバーによる応能負担が将来の不安の解消にもつながることをしっかり国民に対して広報していくべき。その意味で、応能負担をどうやっていけば良いかに着眼して、経済・財政一体改革の委員会の中でも議論をし、ロードマップを作っていきたい。マイナンバーについて、国民にきちんと理解してもらうことによって、応能負担をしっかり実現できる体制を作ることが必要。
○第210回国会 衆議院 予算委員会(令和4年10月18日)
▽岸田内閣総理大臣
国民の皆様にマイナンバーカードで受診していただくことで、健康、医療に関する多くのデータに基づいたよりよい医療を受けていただくことが可能になるなど、カードと健康保険証の一体化には様々なメリットがあると思っております。そして、こうしたメリットをより多くの国民、関係者の皆様に早くお届けできるよう、カードと健康保険証の一体化を進めるため、令和6年秋の健康保険証の廃止を目指すことといたしました。
そして、委員の方から、情報漏えいに対する心配が指摘をされました。
このカードと健康保険証の一体化による個人情報の保護については、医療機関等と支払基金との間のネットワークを閉域とするなど、高いセキュリティーを確保しており、昨年10月の運用開始以来、現在まで、情報漏えい事案、これは1件も生じていないところであります。引き続き、こうしたセキュリティーにつきましても万全を期していきたいと考えております。
○令和4年第13回経済財政諮問会議(令和4年11月2日)議事要旨
▽N氏
2025年には団塊の世代が75歳以上になる中で、まさにこの応能負担を徹底した社会保障制度実現は待ったなし。今一度マイナンバーの活用拡大のために対応が必要。
例えば、健康診断や受診記録等、健康増進や予防に活用できる大変多くのデータがある。マイナンバーを用いたパーソナル・ヘルス・レコードの活用基盤を早期に整備すべき。
○令和4年第13回経済財政諮問会議(令和4年11月2日)資料(新浪剛史 他3名)
2024年秋に現在の健康保険証をマイナンバーカードと一体化する取組を円滑に実施するためにも、セキュリティへの不安払拭とともに、迅速にカードが全国民に行き渡るよう、環境整備を更に加速すべき。
医薬品産業の創薬力、研究開発力を高めるため、膨大な医療情報をビッグデータとして活用する、更なる環境整備を進め、新たな産業基盤にしていくべき。
まずは、政府全体で、改革の年限を区切った具体的なロードマップを策定し、関係府省によるスピード感をもった実行を促すとともに、全体的な進捗を管理していくべき。このため、関係府省に加え専門家の参加を得て、ロードマップ案を諮問会議に提出すべき。
相続や所有者不明土地への対応という観点からも、固定資産等、実物資産情報とマイナンバーとの連携についても検討すべき。
2024年中の施行が予定される口座管理法では、預貯金口座へのマイナンバー付番が促進されることとなっているが、仮に付番が進捗しない場合には更なる対応が必要となる可能性もある。
○財政制度分科会(令和4年11月7日)議事録
▽委員
応能負担の原則を基軸にするということを、先ほどから何人かの方が指摘されています。そのためには、収入に加えて、資産を把握する必要があります。それを捕捉するためにマイナンバーによるデータの取得を行う仕組みをもう一歩進めて構築すべきであると思います。
○財政制度分科会(令和4年11月17日開催)議事録(建議とりまとめに向けた審議)
▽委員
応能負担の原則を基軸にする必要があるいという御指摘もある。ただ、もしそうであれば、所得にくわえて資産の把握が必要です。是非、全銀行口座への付番義務化の検討が必要であるという意見もあったということを書いていただけないでしょうか。
○令和5年度予算の編成等に関する建議(令和4年11月29日)財政制度等審議会
「全世代型」の社会保障とは、能力に応じて負担し、必要に応じて給付し、持続可能な制度を次世代に伝える枠組みである。こうした考え方の下で、社会保障・税一体改革が着実に進められてきた。
しかし、現行制度が「全世代型」に近づいたと言えば、そうは言い難い部分が多く残っていると言わざるを得ない。
負担能力を見る上でも、高齢世代の稼得・保有が多い金融所得・資産に着目していない。
「能力に応じて負担し、必要に応じて給付し、持続可能な制度を次世代に伝える」という社会保障の基本中の基本の考え方がまだまだ徹底されていない部分が目立っており、こうした改革に取り組むことが急務である。
○第40回 経済・財政一体改革推進委員会(令和4年12月12日)議事要旨
▽委員
マイナンバーの活用を進めていくと、究極的には資産や所得の把握にまで及ぶと思うが、これは国民から見ると非常に緊張感の走るものであるため、注意しながら進めていただきたい。
▽内閣府
資産へのマイナンバーの付番については慎重に進めるべきとの御指摘があったが、本人同意を前提とした口座管理法の施行期限が令和6年であり、まずはアレルギーや危機感みたいなものが生じないように、慎重に施行に向けて準備を進めていくと理解。
○第16回経済財政諮問会議(令和4年12月22日)議事要旨
▽政策統括官
先月、総理から策定の御指示があった「マイナンバーの利活用拡大に向けたロードマップ」を盛り込んでいる。
▽議員
全世代型社会保障の構築には応能負担の徹底と真に必要な人への給付が必要であり、そのためにはマイナンバーを活用した所得・資産等の情報連携が必須で、その具体化が急がれる。デジタル庁を中心にこのロードマップに基づく取組の着実な実施、場合によっては前倒しも含めてスピード感を持った実施を期待している。
▽岸田内閣総理大臣
本日決定をした「マイナンバーの利活用拡大に向けたロードマップ」に基づき、マイナンバーを活用した制度の充実を図っていただきたい。
○「マイナンバーの利活用拡大に向けたロードマップ(概要)」(令和9年までの工程)について(令和4年12月22日)経済財政諮問会議決定
今後、預貯金口座へのマイナンバー付番の状況を見つつ、所得のみならず資産の保有状況を適切に評価しつつ能力に応じた負担を求めることを、公平性の観点を踏まえながら議論
<資産情報とマイナンバーの紐付け>
預貯金口座へのマイナンバー付番を推進:口座管理法施行に向けて貯金保険機構・金融機関と連携してシステム整備(〜令和6年)
固定資産へのマイナンバーの紐付けについて地方自治体等における取組を推進。原則全ての市町村において自らの住民の固定資産とマイナンバーが紐付け可能(〜令和8年目途)
など。
○令和5年第1回経済財政諮問会議(令和5年1月16日)議事要旨
▽N氏
社会保障費が、いわゆる働く人たちに相当負担になっており、賃上げしてもその効果が相殺され、実質賃上げになっていない。先ほども有識者の方々からあった通り、マイナンバーをしっかり活用して、応能負担を実現していくということが重要。
○令和5年第2回経済財政諮問会議(令和5年1月24日)議事要旨
▽N氏
日本の状況に非常に危機感を覚えている。今回のダボス会議では、もっと日本は民間が早く投資しなければまずいという問題意識を持って帰ってきた。
○社会保障審議会医療保険部会(令和5年2月24日)参考資料(抜粋要約)
▽期間中(令和3年10月~令和4年11月末)に判明した保険者から「異なる個人番号」が登録されていた事例数
(令和3年10月~11月末)33件
(令和3年12月~令和4年11月)7,279件
⇒なお、この「マイナ保険証の誤登録」について、この時点では報じられませんでした。
○マイナンバー法等の一部を改正する法律案
▽衆議院審議結果(令和5年4月27日 )可決
○「アニマルスピリッツ」を標語に〝新浪同友会〟がスタート(令和5年5月12日)財界オンライン
「真に必要なアニマルスピリッツ(挑戦心)を取り戻すべきではないだろうか。それはかつての勝者総取りの世界ではない。これからのアニマルスピリッツとは、双方がウィン・ウィンの関係となることだ」。
経済同友会代表幹事に内定していたサントリーホールディングス(HD)社長の新浪剛史氏は、「財界」誌のインタビューでこう語っている。〝新浪同友会〟が4月27日にスタート。「失われた30年」の間に日本経済に蔓延していた〝現状維持病〟を打破し、失敗を許容する社会の実現を目指していく考えだ。
新浪氏はキーワードとして「ウィン・ウィンのアニマルスピリッツ」を挙げる。経済の担い手の中心は民間であり、政府が規制を改革・緩和すれば民間の国内投資がもっと生まれる。
「新しい資本主義」を打ち出す岸田文雄首相も「新しい資本主義では企業が主役。DXやGXといった社会課題を成長のエンジンとし、しっかり賃上げしていただくことが経済の好循環につながる」と語る。
○マイナ保険証誤登録7300件 別人の情報閲覧可能に(令和5年5月12日)共同通信(抜粋要約)
健康保険証とマイナンバーカードが一体化した「マイナ保険証」を巡り、医療保険を運営する健康保険組合などによる誤登録が2021年10月から22年11月末までに全国で約7300件あったことが12日、厚生労働省の調査で分かった。
この結果「マイナポータル」などで、別人の処方薬や医療費の情報が閲覧できるようになっていた。厚労省は、登録に誤りがないか点検を徹底するとしている。
○(声明)健康保険証廃止法案の廃案を強く求める(令和5年5月23日)より抜粋要約
全国保険医団体連合会 会長
今回の誤登録データの状況にしても、2月に関係審議会に報告されていたにもかかわらず、その間、全容解明に向けて実効的な対応策を取ってこなかったこと自体が、怠慢であるとのそしりは免れない。
投薬・治療情報の取り違えは、疾病の急性増悪、アナフィラキシーはじめ重大な医療事故につながりかねない問題である。
誤登録による医療事故が発生してからでは遅いのである。
○(抗議要請書)マイナ保険証システムのトラブルに真摯に向き合い、保険証廃止法案は廃案とするようを求めます(2023年5月25日)より抜粋要約
埼玉県保険医協会 理事長
私たち医療現場や患者が驚いているのは、システムの維持管理方法の杜撰さよりも、これまでに、デジタル大臣・厚労大臣・総務大臣そして総理大臣を始め、本システムを強く推進してきた関係省庁の責任者や関係者のどなたからも、トラブルの発生構造やエラー発生の可能性が説明されてこなかったことです。
マイナ保険証利用を強く推進し、健康保険証を廃止する法案を提案した内閣や大臣らは無責任です。
○新浪剛史(経済同友会代表幹事)記者会見発言要旨(令和5年5月30日)公益社団法人経済同友会HP
(文責: 経済同友会 事務局)
Q:マイナンバーカードに関して、誤登録や他人の情報を紐付けるミスが相次いでいる。経済同友会は、マイナンバーカードをデジタル化の基盤として推進する立場にあると思うが、混乱ぶりをどのように見ているのか。
(新浪)今回のさまざまな問題は、人為的なミスやシステムの問題(であり)、既に問題(の原因)は明確になっているため、マイナンバー制度に対する国民の信頼を高めてほしい。一方で、マイナンバー制度は大変重要なインフラであり、絶対に後戻りしてはならない。人為的ミスを再発させない、システムの不具合を起こさない(仕組みを構築した上で)後戻りしないことを前提に、国民の信頼を(得るために)活動いただきたい。岸田政権が掲げる(行政手続きの)デジタル完結をしっかりとやり遂げてほしい。マイナンバー制度がなければ、将来的に医療、介護、年金、運転免許証等あらゆる(分野)に支障をきたす。マイナンバー制度は(あらゆる行政サービスの)中核に位置する。そのため、マイナンバー制度を(前提としたインフラを)しっかりと作り上げてほしい。
Q:マイナンバー制度について、「後戻りしない」とのことだが、立ち止まる必要はあると思うか。
(新浪)ないと思う。人為的なミスが起きることはある程度想定できた。(マイナンバーと被保険者番号の紐付けを)手作業で行うこと自体がよくないと思っていた。(手作業であればミスは)起こるはずだし、起こらないわけがない。(日本各地に)自治体があり、全員(正確に)作業できるならばそれは凄まじいことである。ある意味で矛盾しているが、手作業の問題点があるから、マイナンバー制度を導入するわけである。ここを乗り切らなければ、同じような問題が起こる。昔、社会保険庁の(年金記録)問題があった。起こしてはならないが、(どうしても手作業で)ミスは起こる。それをある程度認めていかなければ、インフラが構築できない。過去にやってこなかった(新たな)インフラを構築することは非常に大変である。手作業以外に(紐付けの方法が)存在したかは置いておいて、インフラを構築し、最終的に(マイナンバー活用による)応能負担を実現してほしい。社会保障(分野におけるマイナンバーの活用)は大変重要な(社会)基盤になり、最終的には(個人の)資産を把握することも必要だと思う。マイナンバー制度なくして日本の歳出改革はできず、さまざまな不具合が起こる。過去10年間、マイナンバー制度に携わったが、(ここまで)よく進んできた。(今回の一連のトラブルは)問題ではあるが、(マイナンバー制度の推進を)止めることは絶対にあってはならない。河野デジタル相には、しっかりと再発防止に努めてもらうとともに、国民にマイナンバー制度をより分かりやすく説明し、重要性を理解してもらうよう発信してほしい。(マイナンバー制度を)ますます推進し、国民が「マイナンバー制度があってよかった」と思う利便性を提供してほしいと思う。
○マイナンバー法等の一部を改正する法律案
▽参議院審議結果(令和5年6月2日)可決
○医療現場と患者の無用なトラブルを招く健康保険証廃止法案に抗議する(令和5年6月2日)全国保険医団体連合会
厚労省にオンライン資格確認義務化延期とシステムの改善を繰り返し求めてきたが、一向に改善しないまま見切り発車された。
医療現場の訴えを無視し、実際にトラブルを自ら招いた政府・与党の責任は重大である。
○「デジタル化」の名のもと健康保険証を廃止することを抗議します(令和5年6月5日)
埼玉県保険医協会 理事長
多くの医療情報をシステムに載せて全国の医療機関で共有するような仕組みとして「質の高い医療が受けられる」としてきた政府や関係者の説明は、妄想に過ぎません。エラーが一定割合で必ず生ずることなどの前提説明を医療現場にしたことはありませんでした。
無理に無理を重ねていく政府の姿勢は、医療DX推進のためには国民個々の、個人情報、医療情報、国民皆保険制度を毀損し、破壊しようとしているとしか映りません。
トラブルの対応を医療現場に丸投げに等しいやり方で依然として推進していることに、断固として抗議をいたします。
政府には、当面は健康保険証の利用・併用を認めることを求めます。
○全件チェック・全容解明まで運用停止を求めます(令和5年6月13日)
全国保険医団体連合会 会長
他人の医療情報が紐づけられた場合、機微性の高い医療情報がマイナポータル上で閲覧でき、容易に外部流出させることも可能です。医療情報などがウェブ上に流出すれば削除・回収がほぼ不可能となります。
これ以上の情報流出、プライバシー侵害を防ぐために直ちにマイナ保険証を利用するシステムの運用を停止すべきです。
他人の情報紐づけが完全に解消されない限り、医療者は、共有データの信憑性を疑わないといけなくなり、間違った処方など医療事故にもつながりかねません。岸田首相の言う「医療の質向上」とは真逆の事態を招きます。
3400の保険組合が人的に介在するシステムで、常に発生し得ることを想定した対策が必要です。
○(声明)「健康保険証を持てない人」を作り出す健康保険証廃止の中止を強く求める(令和5年6月19日)
全日本民主医療機関連合会 会長
法案の可決後も、次々とマイナンバーカードの誤交付や別人への紐付けなどの誤登録、医療機関に設置されている資格認証機器のトラブルなど、重大問題が噴出していますが、政府は2024年秋の健康保険証の廃止を撤回していません。
健康保険証の廃止は、国民の生命に関わる重大問題であり、政府の冷静な判断が求められています。
国民不在の強引な普及策は愚策です。
○新浪剛史(経済同友会代表幹事)記者会見発言要旨(令和5年6月28日)公益社団法人経済同友会HP
(文責: 経済同友会 事務局)
マイナンバーカードについてはいろいろと不手際があったことはその通りだ。ただ、ミスは透明性を持ってしっかりと報告しながら正していくことが大切であり、ここで重要なのは、デジタル社会において、マイナンバーは非常に重要なインフラであるという点だ。絶対に後戻りせず、しっかり進めてほしい。そして、国民の不安や懸念を払拭すべくしっかりと対応していただきたい。行政に無謬性を求めるのはなかなか難しいことだ。ミスを起こしてもよいとは決して言わないが、(これは)新しい取り組みであり、ミスが起きたからやめよう、後戻しようとやっていたら、世界から1周も2周も遅れていると言われる日本のデジタル社会化は、もう遅れを取り戻すことができなくなる。まさに(今)、急いで取り組まなければならないことだ。このミスをずっと言っていては、私達の日本は明るい未来が拓けない。ぜひともやり続けて、しっかりとマイナンバーカードを普及していただきたい。そのためにデジタル庁には良い事例も(国民に)伝えてほしい。マイナンバーカード交付率の全国トップは宮崎県で、都城市では93.8%に達する。マイナポータルを通じて約300もの行政手続きをオンラインで可能にしている。市民からも大変好評を得ており、こうした事例も出てきている。マイナンバーカードによって国民生活がより便利で豊かになる。これを目指して、ぜひともやり遂げていただきたい。
(現行の)健康保険証廃止が2024年の秋と聞いているが、これに間に合うように仕上げることだ。私達民間からすれば「納期」は非常に重要であり、(期日を)守ってやり遂げることは日本の重要な文化である。健康保険証の廃止については必ず実現するよう、これを「納期」として向けてしっかりとやっていただきたい。
○個人情報保護委員会(令和5年7月5日)資料
▽コンビニでの住民票等の誤交付
▽マイナンバーカードの健康保険証利用における紐付け誤り
・別人のマイナンバーを誤登録し、別人に薬剤情報等(個人データを含む。)を漏えい。
▽マイナンバーカードの年金記録における紐付け誤り
・年金請求の手続時に、別人のマイナンバーを誤登録し、別人に年金記録等(個人データを含む。)を漏えい。
▽マイナンバーカードの障害者手帳における紐付け誤り
・身体障害者手帳の情報とマイナンバーの紐付けを行う際に、別人のマイナンバーを誤登録し、別人に障害者手帳情報(保有個人情報を含む。)を漏えいするおそれが発生。
▽公金受取口座の誤登録等
・別人のマイナンバーと本人の銀行口座情報を誤って紐付けた結果、銀行口座情報(保有個人情報を含む。)を漏えい。
・確定申告書の登録時、国税庁がデジタル庁に情報提供をした際、別人の銀行口座情報を誤って紐付けた結果、銀行口座情報(保有個人情報を含む。)を漏えい。
○第211回国会 衆議院 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会(令和5年7月5日)
▽国務大臣(総務大臣)
証明書自動交付サービスで別人の証明書が交付されるという事案、この事案は、個人情報漏えい事案に該当することから、会見でその旨申し上げたところでありまして、このような事案の発生は大変遺憾でありまして、申し訳なく思っているところでございます。
▽委員
今起こっているトラブルの事案というのは重大な個人情報漏えい事案であるという認識が同じかどうか、厚生労働大臣、デジタル大臣から一言ずつお願いします。
▽国務大臣(厚生労働大臣)
健康保険証や障害者手帳等におけるマイナンバーとのひもづけの誤りは、本人がマイナポータルで自分の情報を閲覧した場合に他人の個人情報が表示される、あるいは、医療機関において当該患者以外の個人情報が閲覧されてしまうといった、個人情報の保護に関する重大な事案であると認識をし、国民の皆さんの御不安、御懸念を招いている事態だと大変重く受け止めております。
▽国務大臣(デジタル大臣)
コンビニ交付サービスで他人の住民票などが交付された事案、あるいは、保険証情報や共済組合情報におけるマイナンバーとのひもづけの誤りにより他人の個人情報がマイナポータルなどで表示されてしまう事案は、いずれも個人情報保護に関する重大な事案と認識しております。
○岸田内閣総理大臣記者会見(令和5年8月4日)首相官邸HP
「冒頭、マイナンバーの紐付け誤りをめぐって国民の皆様の不安を招いていることにおわびを申し上げます。」
○申請によらず資格確認書交付は移行期だけ?(2023年8月13日)全国保険医団体連合会
岸田首相は保険証廃止について延期はせず、総点検の結果によって「必要なら見直す」とした。
国民の「不安払拭」と言いながら、国民の圧倒的多数の「健康保険証の廃止の延期・撤回」の声をまったく省みない姿勢であった。
○新浪剛史(経済同友会代表幹事)記者会見発言要旨(令和5年8月29日)公益社団法人経済同友会HP
(文責: 経済同友会 事務局)
Q:6月28日の記者会見にて、代表幹事は健康保険証の廃止の期限について「納期」という表現をしていた。この発言について、経済界が日本政府に発注をしたかのような表現として、批判する声も上がっている。
(新浪)(日本政府に)こうしなければならないと(発注のような意で)言っているのではなく、政府として早期にシステムを改修してもらいたいと思っている。タイムスケジュールを決めているのであれば、そこへ向けてしっかりと取り組んでいただきたい。(決して、)期限を決めたのであれば不手際について取り組まなくとも、(健康保険証を)廃止すべきだという趣旨ではなく、早期に問題解決していただきたいという趣旨で申し上げた。
以上です。