(2022.04.14)

 


 つぎの議事録から抜粋要約した内容です。

〇第7回 医薬品等行政評価・監視委員会 議事録(令和4年3月18日)
▽委員長
 「新型コロナワクチンの小児への接種です。」
▽医薬品審査管理課長補佐
 「ファイザー社から承認申請がございまして、特例承認を行ったものでございます。」
▽委員A
 「要は、オミクロン株に対する有効性は十分なデータがないし、オミクロン株は収束に向かっていますので、次の波が来るとしても、それに対する有効性のデータが全くない中で、20歳未満の方はトータルで8人亡くなっていますが、そもそも新型コロナウイルス感染症による死亡のリスクは、ほぼゼロに等しいのです。」
 「実はワクチン接種後の死亡は、10代で既に6人報告されているわけです。」
 「これを5~11歳まで拡大したときに、どういうことが起こるか、非常に心配です。」
 「20歳未満の方に対しては、COVID-19による死亡のリスクがほとんどない中で、接種後の死亡が数例でも起きるのならば、私はそれだけで薬害と言っていいレベルではないかと思うわけです。」
 「要するに、有効性に関するエビデンスが十分にない中で、20歳未満の方にワクチンの接種を勧奨することは、一方的にリスクを負わせることにならないか。」
 「死亡という一番重篤な結果についてのことすら懸念するわけです。」
 「全部結果が分かってから、やはりこれは薬害でしたね、では、この委員会の役割が果たせないわけで、私自身はそのことを非常に懸念していることを意見として申しておきます。」
▽委員B
 「特例の承認とあります。」
 「アメリカでは緊急使用許可がなされたと書いてあります。」
 「有効性・安全性が確保されていないものに承認制度という言葉を使うことは、私はおかしいと思っているのです。」
 「だから、アメリカの緊急使用許可のほうが正しくて、緊急使用許可はするけれども、承認はしていないということなのではないのですか。」
 「だって承認できないもの有効性・安全性が確保されていないわけですから。」
▽委員長
 「いろいろとお話がありましたが、担当の方には、各委員から様々な懸念が示されたことは、ぜひ頭に入れておいていただければと思います。」
 「それでは、新型コロナワクチンの心筋炎関連事象の安全性評価について、御説明をお願いいたします。」
▽予防接種室ワクチン対策専門官
 「接種後の心筋炎関連事象について、これまで御議論、御審議いただいた内容を資料として添付させていただきました。」
 「12月3日時点の審議会におきましては、国内の最新の報告状況に基づきます、O/E解析。」
 「O/E解析をしましたところ、ファイザー社ワクチン、モデルナ社ワクチンともに、10代及び20代の男性については、一般人口と比較して報告頻度が高いことから、添付文書において、心筋炎、心膜炎を重大な副反応として位置づけ、さらなる注意喚起を促すこととなりました。」
▽委員A
 「説明資料(心筋炎リーフレット記載のグラフ)に、国内でのCOVID-19による入院患者における心筋炎の発生割合、比較しているのですが、まず、この比較の表自体が非常にナンセンスというか、ミスリーディングです。」
 「要するに、リスクを考える場合には、COVID-19を発症して入院するリスクを掛けて比較しないと、意味をなさない比較であるということなのです。」
 「この図が独り歩きして、マスコミなどでも使われていて、非常にミスリーディングです。」
 「ですので、この資料に関しては削除するなりこういう比較は適切でないとお認めいただけないかというのが一つです。」
 「むしろ先ほど出していただいた、一般における心筋炎の発生率と接種後の発生割合を比較(O/E解析)するほうが非常にリーズナブルな比較であるということです。」
 「とにかく、この図を使うのは明らかに誤っていると思いますが、いかがでしょうか。」
▽予防接種室ワクチン対策専門官
 「御指摘のように、データにつきましては、直接的に比較できるデータがなかなかない中、制限がありながらも、あくまで参考となるデータとしてお示ししたものでございます。」
 「副反応合同部会におきましても、そのデータが本質的に持つ制限も御理解いただいた上で、リスク・ベネフィットとして御評価いただけるものとして御判断いただいたところでございます。」
▽委員長
 「どうしましょう。」
 「多分、Aさんとしては満足しない回答かと思いますが。」
▽委員A
 「時間がありませんので、私の意見として、それを申しておきます。」
▽委員長
 「端的に、こういうミスリーディングな資料が独り歩きしてしまうことのリスクはありますね、ということ。」
 「公開されている資料ですのでね。そこはひとつ慎重であるべきではないかというのは、もっともな御指摘だと思いますので、よく承知おきいただければと思います。」
▽委員B
 「A委員と全く同じです。」
 「私がこれ(リーフレット)を見るとしたら、利己的な理由によって考えます。」
 「利己的な理由で、私が得するのかどうかといったときに見るとすれば、これはミスリードになります。」
 「もちろん、厚労省としては、利他的理由によってこのパンフレット作っているのです。」
 「みんなのリスクも考えて打ちましょうという話をするときに、わざわざこんなグラフをつけると、不信感を招くと思うのです。」
 「だから、A委員が言ったとおり、データについては、ちゃんと科学的に比較できるデータを出した上で、それでも打ってくださいと言うことにしないと。」
 「リードするときに、利己的には損かもしれないけれども打ってね、というのと、このように打っても得をしますよというのは、ごまかしになってしまうのです。」
▽委員長
「リーフレットについて、何かありますか。よろしいですか。」
「御指摘は承ったということで。」
「安全確保のためにいろいろな情報を得て、評価して、止まるべきときには止まるものなのだろうと思うので、大変お忙しいことはよくよく承知しているのですが、」
「最大限の安全を目指してやっていただくことも大事だと思いますので、そういう意見にも耳を傾けながら、予防接種行政を続けていただけたらと思います。」

 

 以上です。

 

 

⇒「利己的には損かもしれないけれども打ってね」において、以下の内容を想起しました。

〇以前の記事『接種後「陽性とならない」確率は?』(2021.11.02)より抜粋要約

 「そもそも未接種者でも「陽性とならない確率」は極めて高く、ワクチンを接種してもほとんど変わらない。との見方も、あり得るのではないでしょうか。
  もちろん、国にとってはこの僅かな差でも、未だに整備されていない医療提供体制には影響が生じるため、接種を勧奨している状況です。
 しかし、国はいくら勧奨したところで、国自体が有害事象で顔面神経麻痺、死亡などに至る訳ではありません。
 リスクは、接種を受ける者が負っています。
 たとえ、感染による重症化の確率がほぼゼロである年齢の者であったとしても、その接種のリスクを、誰かが肩代わりすることはできません。」

 

〇以前の記事『接種後「基礎疾患の増悪による死亡」について。そして接種事業における「個人の尊厳」』(2021.06.19)より抜粋要約

 「国は「特に16歳以上40歳未満の者については、重症化率・死亡率が低いことから、接種により期待される重症者・死亡者の減少数は必ずしも多くはない。」としながら、「医療提供体制にも一定の影響を与えている」とし、接種を努力義務としています。
 しかし、現在の状況下において、未だに整備されない「医療提供体制」のために、16歳以上の者が接種を努力義務とされていることは、憲法の趣旨に合致し、十分な妥当性、合理性があると言えるのでしょうか?
 16歳の者に、「新型コロナの現在の日本における感染状況、ワクチンの性能を鑑みると、接種から得る恩恵はほとんど無く、「後遺症」、「死亡」などにつながる可能性としてのリスクの方が大きいが、未だに整備されない「医療提供体制」のために、接種を・・・」などと判断する能力はあるのでしょうか?」

 

⇒なお参考として、以前の記事『心筋炎リスク「未接種者」>「接種済者」はホント?』(2021.10.16)があります。

 

 

<備考>

〇「後遺症あり」、「α(因果関係が否定できない)」の報告症例について

 ファイザー新型コロナワクチンの副反応疑い報告において、「後遺症あり」かつ「専門家の因果関係評価α(因果関係が否定できない)」とされている症例のうち、一部を掲載しています。

 

◇第74回ワクチン分科会副反応検討部会(令和3年12月24日)資料1-2-2-1

 報告日(2021年2月17日~2021年12月5日) より抜粋要約

 

▽専門家の因果関係評価

 α:「ワクチンと症状名との因果関係が否定できないもの」

 γ:「情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係が評価できないもの」

 

⇒7事例について、つぎの順に記載しています。

▽年齢、性別、接種日

 発生日、症状名(専門家の因果関係評価)、「転帰内容」
 

▽20歳、女性、2021/05/25

 2021/05/25、感覚鈍麻(α)、「後遺症あり

 未記入、運動障害(α)、「後遺症あり

 未記入、末梢性ニューロパチー(α)、「後遺症あり

 2021/05/25、末梢性浮腫(α)、「後遺症あり

 2021/05/25、紅斑(γ)、「後遺症あり」

 

▽44歳、女性、2021/05/11

 2021/05/12、悪心(α)、「後遺症あり

 2021/05/12、浮動性めまい(α)、「後遺症あり

 2021/05/12、倦怠感(α)、「後遺症あり

 2021/05/12、筋肉痛(α)、「後遺症あり

 2021/05/12、発熱(α)、「後遺症あり

 2021/05/12、食欲減退(α)、「後遺症あり

 2021/05/12、ワクチン接種部位疼痛(α)、「後遺症あり

 

▽41歳、女性、2021/06/17

 2021/06/22、頭痛(α)、「後遺症あり

 2021/06/18、発熱(α)、「後遺症あり

 2021/06/18、突発性難聴(γ)、「後遺症あり」

 

▽81歳、男性、2021/06/10

 2021/06/12、ギラン・バレー症候群(α)、「後遺症あり

 2021/06/12、末梢性ニューロパチー(α)、「後遺症あり

 2021/06/12、感覚鈍麻(α)、「後遺症あり

 2021/06/12、疼痛(α)、「後遺症あり

 2021/06/12、錯感覚(α)、「後遺症あり

 

▽17歳、男性、2021/09/19

 2021/09/19、心筋症(γ)、「後遺症あり」

 2021/09/27、胸痛(γ)、「後遺症あり」

 2021/09/22、胸部不快感(γ)、「後遺症あり」

 2021/09/20、末梢冷感(γ)、「後遺症あり」

 2021/09/19、呼吸困難(γ)、「後遺症あり」

 2021/09/21、頭痛(α)、「後遺症あり

 2021/09/20、倦怠感(α)、「後遺症あり

 2021/09/20、筋肉痛(α)、「後遺症あり

 2021/09/21、心筋線維症(γ)、「後遺症あり」

 2021/09/21、心筋炎(γ)、「後遺症あり」

 2021/09/21、発熱(α)、「後遺症あり

 2021/09/19、頻脈(γ)、「後遺症あり」

 2021/09/19、右脚ブロック(γ)、「後遺症あり」

 未記入、心筋浮腫(γ)、「不明」

 

▽84歳、女性、2021/07

 2021/09/03、脱髄(γ)、「後遺症あり」

 2021/09/03、ギラン・バレー症候群(α)、「後遺症あり

 2021/09/03、筋力低下(α)、「後遺症あり

 2021/09/03、感覚鈍麻(γ)、「不明」

 2021/09/03、無力症(γ)、「不明」

 2021/09/15、末梢性ニューロパチー(α)、「不明」

 

▽43歳、女性、2021/08/22

 2021/08/28、感覚鈍麻(γ)、「後遺症あり」

 2021/08/28、ギラン・バレー症候群(α)、「後遺症あり

 2021/08/28、錯感覚(γ)、「後遺症あり」

 2021/08/28、運動性低下(γ)、「後遺症あり」

 2021/08/28、神経学的症状(γ)、「後遺症あり」

 

 以上です。しかしほとんどは(γ)「情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係が評価できないもの」とされている状況ではあります。

 

⇒つぎのとおり、国会答弁があります。

〇第208回国会 参議院 予算委員会 第5号 令和4年3月1日

▽政府参考人

 「ワクチンの後遺症でございますが、明確な定義あるいは範囲がございません。」

 「したがいまして、ワクチンの後遺症がどのくらいあるかということは、にわかにお答えできません。」

〇第208回国会 衆議院 厚生労働委員会 第3号 令和4年3月4日

▽国務大臣

 「後遺症のような症状についても、副反応疑い報告制度により報告は受けております。」

 「しかし認識としては、現状においてこれまでワクチン接種が原因と判断されたものはないというふうに承知をいたしております。」

 

⇒また、つぎのとおり、専門家による因果関係評価の対象事象が変更された経緯があります。

〇第74回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会(2021年12月24日)資料1-8
(主な変更点)

 専門家による因果関係評価の対象事象については、全事象から、ワクチン全般での対象事象(死亡、後遺症、アナフィラキシー、GBS、ADEM)、新型コロナワクチンの副反応疑い報告基準事象(TTS、心筋炎・心膜炎)及びその他ワクチンの副反応が疑われる事象に変更

 

 以上です。