(2021.11.23)
「10代」における、ワクチン接種後の事例のうち、22例を要約して掲載します。
14歳の男性
病歴等:なし
9月25日 男性患者はワクチン2回目接種を受けた。
9月29日(ワクチン接種4日後)患者はベッドから転落した。失禁があった。
発声はあるが、「あーうー」と意味を成さなかった。
開眼しているが、視線は合わなかった。
呼びかけに反応のない状態で発見された。
患者は、当院に救急搬送された。
脳炎として、パルス療法を開始した。
患者に脳炎/脳症が発現した。入院した。
9月30日(ワクチン接種5日後)意識状態が改善。
10月01日(ワクチン接種6日後)会話ができ、問いかけに反応できるようになった。
MRIでは、MERS(可逆性脳梁膨大部病変を有する軽症脳炎・脳症)を疑う所見であった。
事象意識障害の転帰は軽快であり、その他の事象の転帰は未回復であった。
報告医師は、事象を重篤と分類し、事象とワクチンとの因果関係は評価不能とした。
18歳の女性
病歴等:なし
8月18日 女性患者はワクチン1回目接種を受けた。
(ワクチン接種15分後)左上肢のしびれ感、脱力を自覚した。
症状は、徐々に悪化し、数日後コップを握れない程度となった。
頚部MRIで神経根の軽度腫大、左側頚部リンパ節の腫大の指摘があった。
10月05日(ワクチン接種の45日後)事象の転帰は未回復であった。
報告医師は、事象を重篤(障害につながるおそれ)と分類し、事象はワクチンに関連ありと評価した。他要因の可能性はなかった。
報告医師コメント:症状(左上肢脱力)の病態は特定できていないが、ワクチン接種後に症状は出現し、病状は長引いている。
18歳の女性
病歴等:なし
8月27日 女性患者はワクチン接種を受けた。
(ワクチン接種15分後)しびれを発現。発熱、腫れも発現した。
結果的に、ワクチン接種をした左手を動かせなくなった。
(不明日)患者は手を動かせなくなった。腕は動いた。
MRIが施行され、首から肩、脇下にかけて、リンパの腫れを示した。
首から肩にかけて炎症が起きており、それに伴い血液の値も異常に上昇した。
患者は高校3年生で、握力は左が3 kg、右が30 kgであった。
左手が曲がった状態というか、何かを握る途中の段階での状態で止まっている様である。
抗体が多すぎて、リンパ血液での数値が異常に高くなっていたようであったが、それを下げる薬はないとのことであった。
状態は変わらなかった。IgG4抗体の数値に関しては、300以上であれば、リウマチなどの難病であるが、それが200を超えており、経過観察中であった。
事象報告時点では、転帰は不明であった。
12歳の男性
病歴等:1週間前に熱中症
9月15日 男性患者はワクチン2回目接種を受けた。
(ワクチン接種日)夜から、37度台の微熱。微熱は9/20まで続いた。
9月21日(ワクチン接種6日後)朝、微熱は消えており、登校した。
下校後、頭痛と嘔気、倦怠感、37度の発熱がみられた。
22:00頃、吐き気あり。トイレに行ったところ、下肢上肢に力が入らず倒れ込んだ。
歩くことができず、救急車で病院に搬送された。
ADEM(急性散在性脳脊髄炎)を発現した。
9月22日(ワクチン接種7日後)朝、握力の回復はみられたが、下肢の筋力低下は回復しなかった。入院した。
その後、症状は自然に回復傾向で、ある程度歩行が可能となった。
9月30日(ワクチン接種15日後)事象の転帰は、軽快であった。
退院した。
報告医師は、事象を重篤と分類し、事象とワクチンとの因果関係は評価不能と評価した。
報告医師コメント:入院期間にMRI、髄液検査など施行したが、明らかな異常所見は認めず。又、最終的にワクチンとの明確な因果関係は断定できない。
12歳の女性
病歴等:これまで各種ワクチンにて発熱、発疹あり
9月27日 14:24 女性患者はワクチン1回目接種を受けた。
14:25(接種1分後)注射直後に脱力が出現した。30分経過をみたが、完全には回復しなかった。
患者は末梢神経障害、脱力を発現した。
脱力の転帰は、未回復であった。
(不明日)残りの事象の転帰は提供されなかった。
報告医師は事象を重篤(障害につながるおそれ)に分類し、ワクチンとの因果関係を関連ありと評価した。事象の他要因の可能性はなかった。
14歳の男性
病歴等:なし
9月12日 13:00 男性患者はワクチン1回目接種を受けた。
16:00頃(ワクチン接種3時間後)全身に発赤、膨疹、掻痒感(かゆみを感じる状態)(主に上半身)が出現した。
全身じんま疹を発現した。
18:00過ぎ(ワクチン接種5時間後)当院受診した。内服薬処方し、1時間後に症状消失みられた。
9月13日(ワクチン接種1日後)朝、再び全身性の発赤、膨疹、掻痒感(顔面、口唇、両手の指、両上肢・下肢)が出現した。
入院した。
9月14日(ワクチン接種2日後)痒みで目が覚めた。全身発赤が出現した。
内服薬処方するも、症状増減を繰り返した。
一旦症状改善みられるも、何度も全身性じん麻疹が出現した。
その後、他病院へ紹介となった(その後の状態は不明であった)。
報告医師は、事象とワクチンが関連ありと評価した。他要因(他の疾患等)の可能性はなかった。
15歳の女性
病歴等:なし
日付不明 女性患者はワクチン接種を受けた。
(ワクチン接種2日後)全身に蕁麻疹が発現した。さらに軽い声枯れ、呼吸困難が認められた。
アナフィラキシーにしては時間が経ちすぎており典型的ではない。
これまでアレルギーを起こしたことがないため、ワクチン接種による蕁麻疹が疑われやすかった。
遅発型のアレルギーが出た疑いがあったが、ワクチンによるものかどうかは不明であった。
事象は非重篤と報告された。
事象の転帰は不明であった。
19歳の男性
病歴等:なし
9月22日 男性患者はワクチン1回目接種を受けた。
(不明日)ワクチン接種後、患者は蕁麻疹を発現した。
その後、徐々に上半身まで広がった。
報告時に症状は落ち着いた。蕁麻疹は無くなっておらず、抗アレルギー剤を処方し、経過観察中だった。
重篤性は、提供されなかった。
事象の最終的な転帰は、未回復であった。
因果関係評価は、提供されなかった。
13歳の男性
病歴等:なし
9月25日 男性患者はワクチン1回目接種を受けた。
9月28日(ワクチン接種3日後)発熱を発現した。
9月29日 発熱が38度から39度の間で推移。
肝機能関連の臨床検査値が上昇。
(不明日)肝障害を発現した。
報告者は患者に、ワクチンと、肝機能関連の臨床検査値上昇の因果関係を聞かれた。
報告者は、ワクチンと肝障害の因果関係を知りたい。
事象の転帰は不明であった。
15歳の女性
病歴等:なし
9月04日 女性患者はワクチン1回目接種を受けた。
患者は生来健康な女児である。
(ワクチン接種日)夕方から頭痛が出現。夜から38度台の発熱、口内炎が出現。
経過観察を行った。
(不明日)症状はその後も改善されず、食物の摂取量が普段の3割程度まで減少した。
9月07日(ワクチン接種3日後)予防接種を受けた病院を受診した。
白血球、血小板の減少、さらに軽度の肝酵素の上昇を認めた。
9月08日(ワクチン接種4日後)当院を紹介受診した。
来院時、37.7度の発熱が認められた。
身体診察上、明らかな異常所見は認められなかった。
前医と同様に白血球、血小板の減少および肝酵素値の上昇を認めた。
自宅内安静の指示を受けて帰宅した。
その後、発熱と頭痛は消失した。
9月10日(ワクチン接種6日後)白血球、血小板減少は改善したが、肝酵素値は著しく増加していた。精査加療目的で入院した。
9月13日(ワクチン接種9日後)白血球、血小板は正常化し、肝酵素値は大幅に低下していた。
全身状態は良好であり、肝障害は経時的改善が見込めると判断し、同日退院となった。
入院期間中に肝障害の原因として血清学的検査を行ったが、感染を示す所見は全く認められなかった。
ワクチン接種と、一連の症状発症のタイミングから、ワクチンによる副反応であることが第一に疑われる。
2回目の接種は、今回と同じか、もしくはさらに強い肝障害が生じる可能性が高いと考え、接種は控えるよう推奨する。
16歳の女性
病歴等:ネフローゼ症候群
8月18日 女性患者はワクチン接種を受けた。
(ワクチン接種日)患者は背部、腰部、頭部の痛みを経験した。
8月20日(ワクチン接種2日後)患者は咽頭痛、発熱、倦怠感を経験した。
8月24日(ワクチン接種6日後)病院を受診し、肝障害と診断された。
8月25日(ワクチン接種7日後)入院した。
事象の転帰は、治療なしで未回復であった。
報告者は、事象を重篤と分類し、事象が入院に至ったと述べた。
再調査は完了であり、これ以上の情報は期待できない。
13歳の男性
病歴等:不明
9月25日 男性患者はワクチン接種を受けた。
9月26日(ワクチン接種1日後)胸痛が出現した。
心筋炎を疑い検査し、心外膜炎と診断された。
(3週間経過後)胸痛が続き、原因がわからなかった。
報告者は、ワクチンでそのような有害事象報告があったか、知りたかった。
報告者は、事象を非重篤と分類し、ワクチンと事象間の因果関係は提供されなかった。
事象の転帰は、未回復であった。
16歳の男性
病歴等:薬剤アレルギーの家族歴(患者の母)
9月18日 男性患者はワクチン2回目接種を受けた。
(ワクチン接種日)熱症状が続いた。
9月20日(ワクチン接種2日後)患者は胸部不快感、嘔吐を発症した。病院を受診した。
心電図などから急性心筋炎と結論付けられた。
9月21日(ワクチン接種3日後)加療目的で他院に転院となった。
事象の転帰は未回復であった。
報告したその他の医療専門家は事象を非重篤と分類し、事象をワクチンと関連ありと評価した。他要因の可能性は、ウイルス性心筋炎と考えられた。
報告者意見:CDCの報告を参照し、検査結果などを加味すると、ワクチン接種の副作用による急性心筋炎のようであった。
17歳の男性
病歴等:なし
9月19日 男性患者はワクチン2回目接種を受けた。
(ワクチン接種後)患者は筋肉痛を発現した。38度台の発熱、軽度の倦怠感を自覚した。
9月20日(ワクチン接種1日後)朝から胸部の圧迫感、倦怠感の増悪が発現。そのうえ軽度の呼吸困難感、頭痛も自覚した。体温が39.5度まで上昇したため、患者は総合感冒薬を内服した。
9月21日(ワクチン接種2日後)胸痛が強くなった。倦怠感は治まった。発熱が持続するため、患者は総合クリニックを受診した。
心筋浮腫様の所見を認めた。
同日入院後、心筋炎(09/19に発症)が疑われた。増悪時の対応困難のため、患者は別の病院へ搬送された。
9月27日(ワクチン接種8日後)心筋組織の一部に線維化が見られた。
9月28日(ワクチン接種9日後)自然軽快したため、患者は退院した。
心筋炎の後遺症とみられる変化が残っているため、外来で患者の状態を見ていく。
他の事象の転帰は回復したが、後遺症あり(心筋症)であった。
報告者は、事象を重篤と分類した。事象とワクチンとの因果関係は評価不能であった。他要因の可能性に心筋炎があった。
報告者コメント:ワクチン接種後に伴う心筋の炎症が原因と考えたが、心筋炎が認められてから線維化するまでの時間が短く可能性としては考えにくい。1回目のワクチン接種後に無症候性の心筋炎を発症し、既に心筋が線維化していたか、それ以前に別の原因で無症候性の心筋炎を起こし、既に心筋が線維化していた可能性を考える。
15歳の女性
病歴等:なし
9月05日 女性患者はワクチン1回目接種を受けた。
9月06日(ワクチン接種1日後)発熱した。
9月07日(接種2日後)両下肢に出血斑を認めた。腹痛、関節痛も合併していた。
血管炎が発現した。
9月16日(接種11日後)患者は当院を紹介され、初診を行った。
9月24日(接種19日後)皮膚組織像から、血管炎を認めた。
9月27日(接種22日後)安静加療目的で入院した。
9月30日(接種25日後)安静のみで腹痛が治まらないため、内服治療を開始した。
10月05日(接種30日後)事象の転帰は軽快であった。
報告者は事象を重要と分類し、事象とワクチンの因果関係を関連ありと評価した。
可能性のある他要因:体育の授業で激しい運動をした直後に発現した。因果関係の可能性は除外できなかった。
14歳の男性
病歴等:なし
8月25日 男性患者はワクチン2回目接種を受けた。
8月26日(ワクチン接種1日後)朝から、発熱が発現。
昼から、全身の痛みが発現。
夕方から、呼吸困難、手先のしびれが発現。
食事はほとんどとれず、多少の水分を摂取した。
救急外来を受診し、採血にてCK(筋細胞の成分)>1万であり、筋融解が疑われた。
腎機能は正常。本人が入院を拒否し、帰宅した。外来フォローの方針となった。
8月27日 症状は軽快した。採血にてCK(筋細胞の成分)>1万は持続。
9月21日(ワクチン接種27日後)報告医師は、ワクチン接種後に横紋筋融解症(骨格筋細胞の壊死,融解により筋細胞内成分が血液中に流出した状態)を発症した14歳の患者がいると報告した。
事象の転帰は、未回復であった。
報告医師は、事象を重篤と分類し、事象がワクチンと関連ありと評価した。他の疾患などその他の可能性のある原因はなかった。
報告者のコメント:排尿できているので、急性腎障害合併はなかった。CKが落ちつくまで、慎重に経過観察する。
17歳の女性
病歴等:09/02~09/03に嘔気
9月05日 女性患者はワクチン1回目接種を受けた。
(ワクチン接種直後)両耳たぶが引っばられる感じが出現。接種側の上腕から首までのしびれ感が出現。症状が15分間の観察中に改善した。
(ワクチン接種3時間後)帰宅後、嘔気、下痢が4回、頭痛が出現。左目中央部の視野欠損が出現した。
9月06日(ワクチン接種1日後)朝、下肢脱力感も出現。改善しないため、患者は病院を受診した。
頭痛、嘔気、下肢脱力感は、軽度に持続した。
視野欠損に関して眼科を紹介した。左中心性網膜炎の疑いで、精査中であった。
9月28日(ワクチン接種23日後)医師は、「その後再診がない」と報告した。
2回目のワクチン投与はオンラインでキャンセルされた。
事象両耳たぶが引っばられる感じ、接種側の上腕外側から首までのしびれ感の転帰は09/05 に回復であった。残りの事象は処置なしで不明であった。
報告医師は、事象とワクチンの因果関係が評価不能と評価した。他要因の可能性はなかった。
12歳の女性
病歴等:なし
9月10日 女性患者はワクチン接種を受けた。
(ワクチン接種日)夕方、患者は発熱を経験した。
9月13日(ワクチン接種3日後)患者は左臀部の疼痛、左下肢の体動時痛を経験した。
9月15日 当院へ紹介された。
9月17日(ワクチン接種7日後)症状の改善がないため、精査加療を目的に入院した。
同日の検査で左腸骨骨髄炎、左仙腸関節炎と考えられた。
9月18日 解熱傾向となった。
9/19 から、解熱維持。下肢の痛みは軽減はしているが、10/08現在まで持続があった。
10月08日(ワクチン接種21日後)事象の転帰は、回復ではなかった。
報告医師は事象を重篤(障害につながるおそれ)と分類し、事象とワクチンとの因果関係は評価不能とした。
他要因の可能性は以下の通りであった:偶発的な合併の可能性はあった。血液培養からは起因菌は同定されなかった。
報告医師コメント:接種部位から原因菌が侵入し、血流感染した可能性や、ワクチンの免疫反応による骨髄炎などの可能性は否定できない。
15歳の男性
病歴等:なし
9月12日 男性患者はワクチン1回目接種を受けた。
(2週間経過後)2、3日前ぐらいから、ヘルペスウイルスによる急性疾患から、顔面神経麻痺を発症した。
2回目のワクチン接種は予約していたが、キャンセルになってしまった。
事象の転帰は不明であった。
15歳の女性
病歴等:なし
9月07日 女性患者はワクチン1回目接種を受けた。
9月24日(ワクチン接種17日後)下痢を発現した。
9月26日(ワクチン接種19日後)発熱38度以上を発現した。
無菌性髄膜炎が疑われ、別の病院へ搬送された。
髄液検査にて無菌性髄膜炎と診断された。
9月28日(ワクチン接種 21日後)病院に入院となった。
9月30日(ワクチン接種23日後)加療中であった。事象の転帰は不明であった。
報告医師は、事象を重篤(障害につながるおそれ)と分類し、事象とワクチンの因果関係を評価不能とした。他要因の可能性としては、他のウイルス感染症があった。
報告者コメント:ワクチン接種との因果関係は不明であった。何らかのウイルス感染症を疑う(髄液中のリンパ球増加)。
14歳の女性
病歴等:なし
9月06日 女性患者はワクチン1回目接種を受けた。
(ワクチン接種日)接種直後より、左上肢痛、左上腕神経障害が出現。その後迷走神経反射を疑う症状が出現。
09/07~09/08まで、左上腕注射部に激痛があった。
9月11日(ワクチン接種の5日後)痛みは残存するものの改善したが、左手掌全体に痺れがあった。
9月22日(ワクチン接種の16日後)左頚部から顔面が腫脹していた。患者は他院の緊急外来を受診した。
9月23日(ワクチン接種の17日後)患者は夜中、息苦しさと首の痛みのため、報告病院に外来受診をした。頚部、顔面に明らかな腫脹なしと診断された。
9月24日(ワクチン接種の18日後)患者は神経痛性筋萎縮症の疑いで報告病院に入院した。MRIが実施された。左背側軟部組織内に異常信号があった。
9月29日(ワクチン接種の23日後)検査結果より、左頚部神経根炎の可能性があると考えられたが、脳脊髄液にてタンパク増多伴っておらず、鎮痛薬にて経過観察となった。
事象の転帰は未回復であった。
報告者は、事象を重篤と分類し、事象とワクチンとの因果関係を関連ありと評価した。他要因の可能性はなかった。
報告者意見:ワクチンを左上腕に筋肉注射した直後より症状出現しており、因果関係は否定できない。
17歳の女性
病歴等:気管支喘息、アレルギー性鼻炎
8月27日 19:30 女性患者はワクチン1回目接種を受けた。
19:37(ワクチン接種の7分後)両眼瞼の腫脹、顔のびくつきが出現した。
患者は末梢性神経障害を発現した。入院した。
(ワクチン接種の10分後)過換気が出現。前胸部、前腕の蕁麻疹が出現した。手足のびくつきもあった様子。
(ワクチン接種の20分後)アナフィラキシーショックとの診断がなされ、アドレナリン投与などされた。
その後、患者は37.8度の発熱と悪寒を発現した。
過換気が持続したため、患者は報告者のクリニックへ紹介された。
診察時、過換気と蕁麻疹は消失していた。しかし、手指のしびれが認められ、低カリウム血症が認められたため、患者は入院した。
入院後、低カリウム血症は改善していた。
8月28日(ワクチン接種1日後)アレルギー症状が再燃しなかったため、退院した。
しかし退院後、手のしびれ、脱力感、顔のびくつき、下肢のしびれ、歩行障害が持続した。
9月02日(ワクチン接種6日後)患者は再受診した。脊椎MRIにて、脱髄疾患はみられなかった。
9月08日(ワクチン接種12日後)再診時、手足の違和感は変わらず残存していた。筋力は回復傾向にあった。
上記の臨床経過を通して、症状がギランバレー症候群やADEM(急性散在性脳脊髄炎)、MS(多発性硬化症)と診断できるものである可能性は低い。ワクチン接種を契機に過換気となり、その後心因性でこれらの症状が持続しているものと考えられるが、断定はできない。
09/08(ワクチン接種12日後)手や足の違和感の転帰は未回復、心因性症状は不明。その他の事象は軽快であった。
報告医師は、事象を重篤と分類し、事象とワクチン間の因果関係を評価不能とした。事象の他要因の可能性としては、ワクチン接種を契機に過換気となり、その後心因性に症状出現した可能性があった。
報告医師のコメント:蕁麻疹はワクチンによるアレルギー反応と考えられるが、過換気症候群、手足のしびれ、筋力低下、歩行障害については、身体所見や検査所見、臨床経過はギランバレー症候群やADEMなどの経過とは異なっていた。しかし、ワクチン接種によって過換気になり、これらの症状が出現したことは事実であり、患者は現在回復傾向にあるが、ワクチンの副反応として完全に否定はできないため、報告した。
以上です。
※なお、10代の接種後死亡事例については、以前の記事『「13歳」接種後の死亡事例』に掲載しています。
<備考>
〇厚生科学審議会 (予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会)
新型コロナワクチンに係る医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に基づく 製造販売業者からの副反応疑い報告状況について (コミナティ筋注 基礎疾患等及び症例経過)
〇以前の記事「ワクチン副反応情報への信頼度」より抜粋
「我が国では、副反応疑い報告をワクチンメーカーと医療機関が受け付けるという受動的なシステムしかありません。しかも、このような自発報告には、その時点で医学的に診断名が確立している病気しか報告されないという限界がありますから、新しいワクチンの新しい副作用は見付かりにくいと考えられます。」
「二〇〇九年にはHPV(子宮頸がん)ワクチン、遺伝子組換えの技術を使って感染を制御するという全く新しいタイプのワクチンが登場し、厚労省の資料でも、十万人に五十二人という、他のワクチンに比べて高い頻度で重篤副反応が報告されています。ところが、その被害を訴えた人の多くはこれまでにない症状だということで因果関係を認めてもらえず、適切な治療が受けられていないというのが現状です。」
「サリドマイド、スモンなど、過去の薬害の歴史を見ても、何か症状を訴えても最初は必ずその薬との因果関係が否定されています。そして、その被害が拡大した後にようやく対策が取られるという経過をたどっています。」
⇒接種後の症例経過の報告内容において、「心因性」、「心身症」として説明されている場合があります。つまり、「ココロ」の状態からひきおこされた症状として説明されている場合があります。
しかし、既知の知見によって機序が明らかでない症状であるため、「ココロ」の状態からひきおこされた症状と判断する他ない状況であるに過ぎず、実際には患者が制御することのできない、「新しいワクチンの新しい副作用」である場合も想定されます。
その場合、「心因性」、「心身症」と診断された患者の「ココロ」の状態を想像すると、いたたまれない、やるせない思いにもなります。
〇以前の記事『「16歳未満」「妊娠中」など、対象者別「接種に係る判断」』より抜粋
▽ワクチンの接種に係る判断について(予防接種・ワクチン分科会資料より抜粋要約)
「ワクチンの接種によって得られる利益と、副反応などのリスクの比較衡量により接種の是非を判断する必要がある。」
「対象者の特性により有効性の大きさが異なる場合、同じワクチンであっても接種の判断が異なりうる。」
「感染症による重症化・死亡のリスクが高い場合、副反応などのリスクと比較し、有効性がリスクを上回りうる。(例:高齢者の重症化リスクが高い場合)」
「感染症による重症化・死亡のリスクが低い場合、副反応等のリスクと比較し、有効性がリスクを下回りうる。(例:ある年齢層の重症化リスクが極めて低い場合)」
〇以前の記事『データ「致死率」は、「接種済者」>「未接種者」?』より抜粋
⇒6、7月のHER-SYS データに基づく報告の数値を拾い、計算などをした内容です。
▽19歳~39歳
未接種者 85754人中9人 致死率0.01%
2回接種済者 657人中0人 致死率0.00%
▽18歳以下
未接種者 21639人中0人 致死率0.00%
2回接種済者 12人中0人 致死率0.00%
⇒未接種でも、死亡のリスクが極めて小さい年齢層にとっては、接種による効果はほとんど顕れていない状況である、と言えるのではないでしょうか。
〇現在、日本における陽性者累計は総人口の約1.37%であり、約98.63%の者はこれまで陽性となっていません。
また、以下のとおり、陽性となる確率は未接種者であっても極めて低く、接種者との差異も極めて小さいと想定されます。そして当然、発症、重症化となると、その確率はより一層小さくなります。
▽以前の記事『接種後「陽性とならない」確率は?』より抜粋
30日あたりにおいて、「陽性とならない確率」は、
未接種者 99.79712041%
2回接種後「1か月以内」 99.97565445%
2回接種後「5か月以降」 99.89247382%
※上記の確率は、算定方法上、実際にはより大きい数値となることが想定されます。よって、それぞれの数値の差異は、より一層小さくなります。
〇これまでの日本における感染状況について
「陽性者⇒死亡者」の確率について(第26回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会、2021年11月15日資料より)
※以下に示す数値は、「感染していない者⇒陽性者⇒死亡者」の過程において、「陽性者⇒死亡者」の確率です。
※よって、「感染していない者⇒陽性者⇒死亡者」の確率については、「感染していない者⇒陽性者」の確率を加味することになり、以下に示す数値よりも、極めて小さい割合(%)になるはずです。
▽「死亡者割合(%)」=「死亡者累計(人)」÷「陽性者累計(人)」
「【10歳未満】(0.00%)」=「0人」 ÷「93,668人」
「【10代】 (0.00%)」=「3人」 ÷「174,716人」
「【20代】 (0.01%)」=「25人」 ÷「424,320人」
「【30代】 (0.03%)」=「86人」 ÷「280,569人」
「【40代】 (0.11%)」=「285人」 ÷「265,068人」
「【50代】 (0.39%)」=「812人」 ÷「210,535人」
「【60代】 (1.55%)」=「1,612人」 ÷「104,113人」
「【70代】 (5.39%)」=「4,223人」 ÷「78,365人」
「【80代以上】(14.45%)」=「10,655人」 ÷「73,742人」
「【全体】 (1.06%)」=「18,266人」 ÷「1,718,733人」
※陽性者累計は総人口の1.37%(1,718,733/1億2512万人(10月1日現在概算値))。
つまり、これまで陽性となっていない者は98.63%。
(死亡者数は、令和3年11月02日24時時点)
〇第204回国会 衆議院 厚生労働委員会 第24号 令和3年6月2日 より抜粋要約
◇委員
ファイザー製ワクチン、十二歳以上への適用が拡大されました。これは私は非常に疑問なんだけれども、何で、まず、これは十二歳以上に対象年齢を引き下げることになったんでしょうか。
◇政府参考人
厚生科学審議会においては、十六歳以上の方に接種した場合と同様の有効性、安全性が期待できること、それから、十代において十万人当たりの陽性者数は六十代、七十代よりも多く、医療提供体制に一定の影響を与えていると考えられることを踏まえ、接種を希望する方の接種機会を確保するなどの考慮をして対象者を広く設定する観点から、十二歳以上に拡大することとしたものであります。
◇委員
配付資料を御覧ください。
これは厚労省自身がお作りになって出しているものですけれども、十代、今回関係するのは十二歳以上ですから、十代の重症者、今現在ゼロです、ゼロ人。死亡者もゼロ人です。これを見て、どこに医療体制に一定の影響を与えているんですか。そのことだけ明確に答えてください。
◇政府参考人
確かに、十代の死亡者は確認されておりませんし、それから重症化する割合もほぼゼロではありますが、十六歳以上の方に接種した場合と同様の有効性、安全性が期待できることと、それから、十代において十万人当たりの陽性者数は六十代、七十代よりも多く、それはやはり医療提供体制に一定の影響を与えるものではないかというふうに考えております。
◇委員
軽症者、無症候者がほとんどなわけですよ。何で一定の影響を与えるんですか。
(六十代以上と)罹患率だけ一緒だからといって、何でそういう結論になるのか全く理解できないんですね。そして、何でそれを言うかというと、御承知のとおり、このワクチンというのは副反応が一般のワクチンに比べれば物すごい高いわけですよ。
重症化率がゼロの子供、今現在はゼロです、死亡率もゼロの子供に対して、副反応が一般のワクチンよりも強く、長期的予後については今のところ明らかになっておらず、しかも、死亡という結果だけ見れば、因果関係ははっきりしていませんけれども、ほかのワクチンよりも圧倒的に高い。
◇政府参考人
安全性に関してですけれども、海外における十二歳から十五歳の約二千人の臨床試験の結果によれば、発症予防効果や中和抗体価の上昇が認められ、有害事象の全体的な傾向については十六歳から二十五歳と同様であり、ショックやアナフィラキシーといった重篤な有害事象の発現は認められないことから、現時点では有効性がリスクを上回るというふうに考えて、その結果承認され、さらに、臨時接種の対象になったと考えています。
◇委員
二千例ばかりでは、そんなもの(有害事象)は出るわけないじゃないですか。
十二歳以上の子供にそういった有効性が認められる、それは有効性が認められるのはいいけれども、果たしてその子たちにその必要性があるかという話ですよ、死亡率がゼロなわけだから。
国会質疑の抜粋要約は以上です。
⇒なお、政府参考人に説明されている「有効性」とは、ワクチンの「性能」を意味します。
そして例えば、どんなに高い有効性(重症者を減少させる性能)を有するワクチンであっても、重症化率の極めて低いグループに使用した場合おいては、当然その「効果」は極めて小さくなります。
すなわち、重症化率の低いグループの者においては、どんなに高い有効性を有するワクチンであっても、接種の「有益性」<<<「リスク」となる場合が想定されます。
〇「急性散在性脳脊髄炎(ADEM)」について
(厚労省HPより抜粋)
▽一般的にワクチンに関連しうると考えられる症状
例)けいれん、ギラン・バレ症候群、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、血小板減少性紫斑病、血管炎
(PMDAのHPより抜粋)
▽患者の皆様へ「急性散在性脳脊髄炎(ADEM)」
原因がはっきりしない場合も多いですが、ウイルス感染後あるいはワクチン接種後などに生じる脳や脊髄、視神経の疾病です。免疫力が強くなりすぎて逆に自分自身の体を攻撃する自己免疫という現象が起きていると考えられています。神経線維を覆っている髄鞘が破壊される脱髄という現象が起きる疾患です。
重い後遺症を残す場合も多く、死亡率も高い疾患です。特にワクチン接種後の場合は他の場合に比較してその後の経過が悪い傾向があります。
ワクチン接種の1~4週間程度後に、「頭痛」、「発熱」、「嘔吐」、「意識が混濁する」、「目が見えにくい」、「手足が動きにくい」、「歩きにくい」、「感覚が鈍い」などの症状が現れた場合は、直ちに医師・薬剤師に連絡してください。