「運命のひと。」は、朝比奈依央様より制作されたフリーゲームです。
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それでは、この作品をプレイして感じたことなどを書いていきます。
以下はネタバレです。
物語の始まりについて。
主人公の立石綾乃さんは、ダンボールを運ぶのを手伝ってもらった時から、姫田先輩のことを運命の人だと思うようになります。その矢先、占い師から「最近優しくしてくれた人が運命の相手」と告げられ、彼に告白しますが、案の定振られてしまいます。でも、綾乃さんにとって姫田先輩は「運命の人」なので諦めきれず、その日から彼を追い回す学校生活がスタートします。
この作品の特徴について。
主人公の綾乃さんの視点で物語は進行していきますが、地の文がほとんどなく、綾乃さんの心情描写が少ないです。なので、会話がメインになっています。大部分が綾乃さんと姫田先輩の会話です。会話の内容は明るく、本来なら気まずくなりそうな場面でもラブコメ調に仕上がっているので、読んでいてとても楽しかったです。
綾乃さんと姫田先輩以外に少しだけサブキャラが登場します。あまり目立ちませんが、綾乃さんと姫田先輩の存在感を際立てている効果を出していて、物語を盛り上げるのに欠かせない存在だと思います。
その他気になったことについて。
告白から始まる作品ってこれまでにプレイしたことがなかったので、新鮮でした。最初に告白して、付き合うようになるまでに色んなことがあって少しずつ二人が仲良くなっていく過程が描かれているのが印象的で、この作品がとても好きになりました。
綾乃さんと姫田先輩は、学校とその周辺の色んな場所で会いますが、中でも放課後デートで学校の裏の美しい景色を見に行くシーンが好きです。二人ともその景色に感動していて、作中で一番いい雰囲気が感じ取れました。
おまけは、本編の後日談になっています。絵馬を描く場面が笑ってしまいました。こういううっかり屋さんな所も綾乃さんの魅力の一つなのかなと思いました。短いですが、本編とはまた違った魅力のあるエピソードでした。お二人がこれからも末永くお幸せにと祈っています。
登場人物について。
立石綾乃
周りから不思議ちゃんだと思われていて、マイペースな感じの女の子です。なりふり構わない所がありますが、恋愛に対してとても一途だと思います。
姫田先輩に対するアプローチは、少し強引な感じはしますが、彼を追い回すのは学校内か学校からの帰り道までに限られていて、一線を越えてはいけないという彼女なりの考えがあるように思います。それから、彼に対して礼儀正しい接し方をしていて、先輩として敬意を払っているのが窺えます。そういった所も好感が持てます。
姫田先輩の立場からすると少し怖くて面倒な相手なのかもしれませんが、真っ直ぐな所が、とても魅力的に映りました。
姫田鳴海
綾乃さんに告白を受けて以来、彼女につきまとわれることになります。それでも、何度も接しているうちに少しずつ彼女に惹かれていっています。また、彼女の幼馴染の男子に嫉妬しているのかな?と思われるような場面もあります。
彼は、文武両道で昼休みだけでなく放課後まで女子たちが群がってるって噂も立つほどですが、最終的に綾乃さんを選んだのは、もしかすると、少し強引な感じの女子が自分の前に現れるのを待ち望んでいたということなのかなと解釈しています。終盤の辺りで彼が、「でも、お前は嫌じゃなかったな。不思議と。」と発言していることからもそのように窺えます。
でも、綾乃さんと彼が付き合えるようになったのも、彼女との出会いのきっかけとなるダンボールを運ぶのを手伝ったり、図書室でお腹を空かせた綾乃さんに多分本当は自分が食べるつもりだった昼食をあげたり、困った人を放っておけないようなとても優しい彼の人柄による所が大きいと思います。そこが彼の最大の魅力だと思います。
感想は以上です。ツンデレな先輩と不思議ちゃんだけど積極的なヒロインの組み合わせが物語の魅力を上手く引き出せていたと感じました。それでは、今後ともよろしくお願い致します。