訃報
去る一月十八日、小生の母親で、小説「小野家の人々」の主人公、原 和子(旧姓、小野和子)が
八十八年の生涯を静かに閉じました。
母の安らかな寝顔は、それはそれは美しいものでした。横須賀の馬堀海岸で海を眺めながら暮らして
いた母の毎日は、一人暮らしながらも、とても充実していて、息子の僕から見ても羨ましいような生活ぶりでした(大変、質素でしたが)。
母の死は、母の姉妹以外には誰にも報せていません。母の遺言には、「葬式はするな。戒名はいらない。死んだ時は、姉妹にも報せるな」と書かれてありました。生前の母はよく、「死者は生者を煩わせてはいけない」と申しておりました。
お母さん、僕を生んでくれてありがとう!そして、今までも、これからも、こんな僕を、ずっと応援し続けてくれたことに、またこれからも応援し続けてくれるだろうことに、深く深く感謝します。
それでは、お母さん、また会う日まで、さようなら・・・ 合掌
平成二十年一月二十九日
湯ノ上鎮夫