記憶の食い違いは何故おこるか | 知識を武器に不況を乗り切る仕事術

記憶の食い違いは何故おこるか

人の名前や日付、会話の内容がいつの間にか、無意識に改変されてしまっていることがよくあります。
このような「記憶の食い違い」や「改変」はなぜ起こってしまうのでしょうか?

脳の中に蓄えられている「記憶」というものは、磁気テープやハードディスクのようなものに入っていて、必要に応じて読み出す、というものではありません。

脳の中にはご存知のように脳細胞しかありません。
記憶というのはすべて、脳細胞間に伝わる刺激の経路でしかありません。
別の言い方をすると、脳細胞間の電気信号の伝わり方ということです。

つまり、「思い出す」というのは、以前と同じ経路を伝って刺激の流れ(電気の流れ)を再現している、ということなのです。

記憶は蓄えられているのではなく、その都度作り直しています。
ですのでこの時に経路が変わってしまったりすると、記憶違いがおこってしまったり、どうしても思い出せないということがおこったりするのです。

(ただし「経路」といってもそれは一本道ではなく、おそらく数千~数万、あるいは数十万の細胞にほとんど同時に枝分かれして伝わっていることでしょう。その時々のパターンの違いが記憶の種類となっていると思います。)

では何故、経路が変わってしまうのでしょうか?

一つは、脳細胞そのものの変化です。脳細胞が死んでしまったり、うまく働かなかったりして、仕方なく別の経路をたどる、ということがあるかもしれません。

もう一つは、自分の過去の行動や思考を正当化するために無意識に行ってしまうこともあると思われます。

自分の身を守るため、選択の結果を論理的な思考の結果と思わせるために、無意識が積極的に記憶の改変(細胞間の経路の変更)を行なうのではないでしょうか。
(ここでいう無意識とは、論理的な思考を伴わない思考のことです)

次回は記憶を定着させる効果的な方法を考えてみます。
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