前回の続き~漢字の勉強
前回の続きです。
軽度の知的障害のある小学生が、漢字を何回書いても覚えられません。
そこで、ちょっとしたアドバイスをしました。
彼は国語辞典を持ってきていたので、読めない漢字、書けない漢字、意味の分からない漢字が出てきたときに辞書を引かせました。
内容を読んで意味が理解できるか確認し、さらに詳しく説明します。
漢字の意味や具体的な例、音読みと訓読み、どんな形をしているか。
こういったことを小学生に理解できるように易しく、そして冗談もまじえておもしろく、話します。
一通り話し終えたら1回だけ書かせます。
書いているときにもどんな形をしているか、横から解説して耳からも覚えさせます。
書き終えたら「今書いた漢字はどんな形をしていた?意味は?」
と聞いて、自分で思い出せるようなきっかけを作ります。
漢字の勉強をするとき、家や学校で
「覚えるために10回ずつ書きなさい」なんて言われて、漢字が10個あれば全部で100回書かなければなりません。
漢字を100個書くなんて、小学生には途方もない数です。
でもそれが
「書くのは1回か2回でいいよ」
と言われたら、とたんにやる気が出てくるんです。
意味の分からない作業を大量に、いやいややるのと、意味のあることを少しやれば終わるのと(もちろんその後は遊べる)、子供にとってどちらがいいか、考えるまでもありませんね。
覚えさせられるよりも自分の意思で覚えようとするほうが、はるかに身につきます。