時間を味方につける | 知識を武器に不況を乗り切る仕事術

時間を味方につける

何もお手本がない状態から何かを成し遂げようとすると、成功までに莫大な時間と手間がかかります。



終戦直後の話ですが、かつて日本に真空管しかなかった頃、アメリカで真空管よりもはるかに性能の良いトランジスタというものが発明された、という話が伝わってきました。


戦後の復興期にあった日本は、官民あげて、このトランジスタを日本でも生産しようと研究に乗り出します。

しかし、当時の日本は海外への渡航制限があって、本物を見ることができません。

特許の壁に守られたアメリカからは、断片的な情報しか入ってきません。


分かっているのは、トランジスタの理論と、作ることができる、ということだけで作る方法も分かりません。



試行錯誤の末、ゲルマニウムを精製し、単結晶を取り出してトランジスタの作製に成功するのですが、ここまでに大変な時間がかかってしまいました。


日本はトランジスタや集積回路(IC)の分野で、完成させるまでにアメリカに10年以上も遅れをとってしまったのです。



その後、日本は生産量でアメリカを追い抜くのですが、パソコンの心臓部にあたる半導体や集積回路の特許は、いまだにその多くをアメリカが握っています。



特許のような話ではありませんが、すでに成功した人がいて、その方法を公開し、しかも値段が1500円程度なら、その情報は大いに活用すべきです。


ある人が20年かけて完成させた方法を、たったの2~3時間で手に入れることができる、時間を一気に縮めてくれる。



読書は、時間を味方につけることができるのです。


これが読書の魅力であり最大の効果ではないでしょうか。



参考図書

NHK 電子立国日本の自叙伝〈上〉