今回のゲームは、少し前に話題になった【Unpacking(アンパッキング)】です。



メーカーは【Humble Games】という海外のメーカーで、SwitchのDL版2,090円(税込)のインディーズタイトル。


マイクラやあつ森やドラクエビルダーズなど、時間を忘れてちまちまと自分の世界を作り上げるゲームを好む人が好きそうな、時間の流れがゆっくりなパズルゲームです。


かく言う私もこういう頭を空っぽにしてリラックス出来るゲームは大好きで、ハマるんだろうな〜、周回しそう〜と思って購入。


感想としては【期待通りだけど、ちょっとだけ思ってたんと違うという感覚でした。


何が期待通りで、何が想像と違ったのか今回はあまり時間を書けずにお伝えしようと思います。



▼このゲー厶のよかったところ


カタッ コトッ パサっ

  置く時の音まで気持ち良いヒーリングゲーム


リラックス出来る静かなBGMと、物を置く時の音が都度違って耳がとっても癒される本作。空っぽの自室の中に、ダンボールから取り出したオブジェクトを好きな所に配置していく遊びは、あつ森で400時間 島作りをしていた自分にはたまらない快感でした。現実世界でも模様替えが好きで、配置を考えているだけで休日が溶けていく感じに、「これは時間泥棒だ〜」と思っていました。2.3ステージ目くらいまでは…。



主人公の人間関係や、人となりが見えてくるストーリー性


本作には登場人物もいなければ、台詞もありません。(完成した部屋に対して主人公のコメントが書き込まれるだけ)


主人公がどんな物を所有しているのかは、ダンボール箱から出してみるまで分からない。主人公の成長に合わせてどんな物が増えるかはお楽しみ、というのが一番のワクワクポイント。オブジェクトや、新しいステージ(引越し先の空っぽの部屋)を見て、「こういう人なのかな?」「いま何歳くらいかな」「男?女?(アッ ブラがある女の子だ…)」とか、「こういう事情で引越したのかな?」と持ち物や部屋の趣味から人ととなりを考察出来るのがとてもユニークな作品です。正直、持ち物に生理用品まで登場するので(あえてそれも整理させるんか…男性のプレイヤーはこれが何だか分かるんだろうか…確かに必需品だけどさ)と思ったりしましたが、癒しゲームといえども「人間臭さ」をじんわり楽しんで貰うスタンスのゲームなんだな、と思えば、リアルを生きるためにはオシャレな絵画や服ばかり飾ってる訳には行かないよな、と反省。ブラや大量の下着を棚に並べていきます。


▼飽きたポイントと苦痛になってきたタイミング


ここからは、楽しむ手が止まり、だんだんと飽きに繋がってきたポイントについて。実の所、周回して定期的に遊ぶだろうと思っていた私ですが、【1周目の半分】くらいでだいぶ遊ぶのがしんどくなってきて、最後は適当にクリアしてそれ以来 遊んでいません。心に残るゲームではあったけれども、ちょっと惜しいと思う部分を書いていきます。


自分が置きたいもの、綺麗に飾れる物ばかりではない、1人の人間のリアルな部屋を作るゲーム


このゲームがあつ森やビルダーズと決定的に違うのは、「自分(プレイヤー)の理想の部屋を作っているわけではない」ということ。確かに物の配置は自由に選べるのだけど、「置くもの」は自分の趣味ではないし、好きな物だけを厳選して部屋に飾れるわけではない。あくまで「その部屋に住む主人公の所有物」を並べさせて貰っているので、私の趣味では無いもの、または「このぬいぐるみと、この部屋のインテリアの相性最悪なんだけど、お気に入りで前の家から持ってきちゃったもの」が増えてくるので、部屋の調和がだんだん乱れてくるわけです。でも普通にありますよね、そういうこと。むしろ自分の部屋もそういう感じになので、ミニマリストや断捨離が上手い人でない限り、そうなるよね、という気持ちで目立つぬいぐるみ達をクローゼットに押し込みます。


主人公の部屋を選ぶセンスはそんなに悪いわけではないんだけど、お金がない学生時代だとか、彼ピの家に押しかけちゃったりとか、家選びというのはままならないものです。そこに自分の家から持ってきた「使い勝手がいいけどダサい真っ赤なザル」とか、男のマンションのスタイリッシュな冷蔵庫に「💩の磁石」なんか貼り付けちゃったり、大量の本をしまうスペースがなくて机にてんこ盛りにしたり、【自分の理想のスペース】を作るゲームではないと3ステージ目辺りで気が付いたわけです。


むしろこの人生ままならないストレスと、苦い失敗と、それでも捨てられない夢への憧れなんかを、「収納」を通して味わっていくゲームなんだ、と。


となると、話は変わって全然ストレス発散ゲームじゃないわけです。置きたくない場所に、置きたくない物を置かざるを得ない、自分の趣味じゃないオブジェクトで、既にオシャレなスペースを汚していく「人生葛藤ゲーム」の幕が上がったのでした……。



④細かい作業はSwitch向きじゃないかもしれない


本作は配置するオブジェクトがとにかく多く、物の置き場も本当に細かく微調整が可能です。ミリ単位で横にズラしたり、畳んだり壁に掛けたり積んだり並べたり。部屋を少しでも整頓する為にいくらでも時間を使うことができる。裏を返せば「こんなに大量に物があって、部屋のセンスとミスマッチしてるから飾っても大して映えないものに時間なんて掛けても仕方あるまい!」という気持ちになって来ました。


整理整頓ゲームなのに、整理整頓が気持ち良くないから面倒になってきてしまうんですね。


Switchのジョイコンも物を1ミリズラすのには余り向いているとも思えず、PCでマウスを使って的確に配置出来るならストレスフリーなのかもしれない。


ステージ数も意外と多くて、暮らしが豊かになればなるほど片付けなきゃならない部屋数も増え、パートナーも増えると物も増え、片付けるパンツの量も増えていくわけです。「やってられねぇ」となった私は、やっつけ仕事で本作をクリアしてしまいました。DL版で買い切りだけれども、もうプレイすることもないでしょう。


⑤「これは何?」海外ゲームならではの、「オブジェクトの正体が分からない」イライラ感


自由な位置に、好きなものを整理できる本作ですが、最低限のゲーム性があります。それは「場違いなもの」を間違った場所には置けない、というルールが存在すること。早い話、キッチンのシンクに本は置けないし、バスルームにギターは飾れない、という適材適所の指定がある、ということです。


これがなかなかに曲者で、中には「主人公が挫折してしまって、もう視界にも入れたくない物」を察して隠してあげなきゃいけない、みたいなオブジェクトもあるんです。これがとにかく分かりにくい。


ネタバレを鑑みず言うと、旅行写真が沢山貼ってあるボードに1枚の写真だけがどうしても貼れず、よーく見ると失恋した彼氏の写真だったりするんです。普通に考えたら見たくもないのは分かるけど、ゴミ箱に捨てるとかではなく、戸棚の中にしまうのが正解なんです。「いや棄てさせろよ!こっちが分かるかそんな未練たらしい乙女心!」と突っ込んでしまいました。大切なストーリー要素といえばそうなんですけどね…


他にも日本にはない海外特有のアイテムがあって、「これがなんなのか分からないから正しい位置が分からないけど、とりあえず不正解と言われているので色んな場所で試す」みたいなことをしなければならず、これが煩わしい人はオプションからこのパズル機能をオフにすると、ルール関係なく好きな場所に置けるようになるのでオススメです。正直これをやらないと無限に時間が取られるので勿体ない…


▼最後に


総評ですが、個人的な面白さは【5/10段階中】でした。


最初はすごく面白かった。後半に掛けては自分の期待したリラックスゲームでは無くなり、ストレスが勝ったという点が評価理由です。


この手のゲームってPCゲームには沢山有るんだろうけど、コンシューマー勢の私には「ありそうで無かったゲーム」という印象でとてもワクワクしました。


似たようなゲームが出たらまた買ってしまうでしょう。それではまた次回に。(o・・o)