こんばんは。


久しぶりにヤングアダルト向けの小説

房総グランオテル』 

を図書館で手に取りました。


下矢印



舞台は房総の海辺の民宿のホテル。

高校生の青春物語を中心に

30代女性の仕事の苦悩や

青年、中年男性が抱える心の闇まで描かれていて

単なる“青春小説”にとどまらない深みを感じました。


特に印象に残ったのは、編集部のSさんがパワハラ上司に啖呵を切り、電話をガチャリと切る場面。


よくぞ言った!


と読んでいてスカッとしました!

パワハラ上司というのは逆らわれると弱いもの。他の同僚が一斉に加勢するところも共感できました。


自分自身も以前、パワハラ上司の下で働き

会社を辞めようかと思った経験があったので

胸の奥にズシンと響きました。


もう一つ、青年のTさんが美少女高校生Hに 

自分はカッコつけるために嘘をついていた

と正直に打ち明ける場面も印象的でした。


カッコつけるよりも素直であること。

それこそが人間関係の土台なのだと思わされます。


ふと考えると、先日家族で30数年ぶりに

鹿嶋沖を旅行したときのことを思い出しました。


普段はあまり話さない兄と二人きりになり

自然と素直な気持ちを打ち明けられたのです。 

海の持つ開放感(旅館の目の前は北浦でしたが笑)が、心をやわらかくしてくれたのかもしれません。


房総の海辺を舞台にしたこの小説は

悩める人間が抱える苦しさを丁寧に描きつつ

同時に「人は素直になれば解き放たれる」というメッセージを伝えてくれているように思います。


まるで海風に背中を押されるように――。


『房総グランオテル』は、心の重荷を少し軽くしてくれる小説の一つかもしれません。


ヤングアダルト向けの本も中年の心に沁みますね!


今日も読んでいただきありがとうございました。