こんばんは。
伊坂幸太郎作品をまた読了しました。
― 殺し屋よりも、家庭が手強い ―
殺し屋シリーズのひとつ『AX』。
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【中古】AX アックス/KADOKAWA/伊坂幸太郎(文庫)
プロの殺し屋・兜(かぶと)という方が主人公なんだけど
彼が日々戦っている相手は依頼のターゲットではなく――
なんと**「妻」**。笑
(もちろんバッタバッタと人を殺してはいますが。)
実はこの作品、スリリングな暗殺劇よりも
家族との会話ややり取りが妙にリアルで
共感の嵐なんです。
🧔 主人公・兜という男
表の顔は穏やかな中年男性。
裏の顔は伝説級の殺し屋。
でも家庭では完全に「尻に敷かれている夫」。
妻の言動には逆らわず
感情の機微にさえも細かく気を配る。
その口癖が、
「それはすごい!それは大変だったね!」
思わず「それ、俺も使ってる!」と心の中で頷く人、多いはず。
黒川伊保子著の「妻のトリセツ」のようです。
そして息子・克巳(かつみ)がまた絶妙で
さりげないフォローや、父への優しいまなざしが泣けるくらい温かい。
殺し屋という設定なのに
「家族もの」としての魅力が抜群でした。
💬 印象に残ったのは「妻のトリセツ」
本編には、妻の機嫌を損ねないための“心得”が
ユーモアたっぷりに描かれていて、
たとえば――
- 妻の話は遮らず最後まで聞くこと
- 自分の主張はやんわり、やんわり
- 褒め言葉は即レス&オーバーに
読みながらクスリと笑ってしまい、
「あ〜、わかる…」と頷きたくなる。
このあたり、伊坂さんの観察眼の鋭さと
ユーモアのセンスがさすがでした。
🪓 タイトルの「AX(アックス)」に込められた意味
斧(アックス)=殺し屋としての兜の象徴。
でもラストには、斧を振り下ろすことなく
静かに日常の中に溶け込んでいく。
家族のために命を懸けていた彼の選択は
どんなヒーローよりも胸を打ちました。
✍️ 一言でいえば
殺し屋の物語なのに、
一番ドキドキするのは「家庭内の空気」。
殺し屋シリーズで一番好きかも!
と思わせる一冊でした。
ぜひ、お手に取ってみてください。
今日も読んでいただきありがとうございました。