本日もわたしのブログをご訪問いただきありがとうございます。

初めましての方はこちら


タイトルの「二月の勝者」ですが、中学受験をテーマにした漫画です。

桜花ゼミナール吉祥寺校。通塾生(小6、3クラス)は50人くらいで、中堅から上位校(できれば男女御三家合格の実績が欲しい!)を目指す進学塾という設定です。

週刊ビックコミックスピリッツで連載され、コミックの発行は250万部超というヒット作です。

昨年10月から12月まで、柳楽優弥さん主演でTVドラマ化もされました。

わたしも毎週楽しく視てました!


わたしは学生の頃、進学塾でアルバイト(時間講師)をしていた経験があり、当時の記憶がブワァーっと甦ってきました。

大学生、大学院(修士課程)生の頃、埼玉県を地盤とするY義塾、Eゼミナールで国語と社会を教えていました。

自慢するようで恐縮ですが、小学6年生と中学3年生の一番レベルの高いクラスを受け持っていたんですよ☺️


ドラマを視ながら「このくらいの規模の教室でこんなに専任講師(正社員)はいないだろぉ」とか「夏期講習だ、志望校別特訓だといっては別料金の徴収があったなぁ」なんて。

コミックでは保護者からの差し入れがあるのでおやつには困らない、という描写があります。ハッキリ言っておやつどころか、商品券といった「実弾」もあったりなかったり……。

今ではコンプライアンス的にどうかと思われますが、何しろ20年以上前の話ということで。


漫画・ドラマにおいて、中学受験は学習量が必要なのは勿論ですが、それと同じくらいモチベーションとメンタルの維持が必要だということを力説します。

全く同意です☺️

モチベーションとメンタルの維持について、受験生である子どもは勿論ですが、むしろ親の方が……という事実もあったりして。


そして不確実要素の可能なかぎりの排除も。


さて、どんなに勉強ができても、そこは小6、12歳。

ちょっとしたアクシデントや予期せぬトラブルで動揺し、ガタガタと崩れてしまうことがあります。

親や先生からの何気ないひと言、苦手教科への不安、最後まで理解できなかった問題、わずかな体調不良など、その子によって、その時によって大きく動揺させることがあります。


と記すのは、わたしにも「こう言うべきだった」「こう対応すべきだった」と後悔、反省することが数多くあるからです。


漫画では、本命校の受験日、試験会場に向かう電車で体調を崩し吐いてしまう男の子が描かれます。

体調が戻らず保健室で受験するもすっかり自信を失くしてしまい「明日以降受ける試験も全部ダメだ」「全落ちする」と震えます。

3年生、4年生から何年も頑張ってきた力を出すのが今日だ。

そして試験である以上「合格」「不合格」の峻別がなされるという緊張感が体調に変調をもたらしたのです。


実はわたしもこれと似た経験があります。


授業以外の時間、わたしによく話しかけてきてくれたK君。彼は乗り物酔いしやすく、学校行事などで長時間バスなどに乗るのが憂鬱でした。

懸念したとおり、修学旅行では途中で吐いてしまったそうです。


そんな彼にも受験日当日がやってきました。

まずは1月。本命校ではありませんが「合格したら行きたい」学校です。

受験会場までは、K君の自宅の最寄駅から電車で30分以上かかります。


……結果は不合格でした。


話を聞くとK君は行きの電車の中で体調を崩してしまったとのこと。

試験中も頭が痛くてフラフラしてしまったと言います。


「どうしよう、次も同じになったら……」

「なったら」と言いつつ、乗り物酔いしやすいK君はすでに「電車で体調を崩す」と決めてかかっています。


次に受験する学校は本命校。

なのに先日受けた学校よりも遠く、途中駅での乗り換えまであります。


わたしはK君にこう言いました。


「サハ」に乗れ!


K君は、……?……?……?

「は?」と言うのがやっと。


「サハだよ、サ ハ !」

「電車はサハに乗れば酔わない!」


このブログをお読みの皆さまも何のことやら???でしょうが、鉄道好きの方なら「なるほど」とニヤリとするはずです😏


電車の車両側面には「クハ」とか「モハ」とかカタカナ二文字(三文字、四文字もありますが多くは二文字)+車両の形式+車両番号が記されています。

例えば、クハE231-3001とかモハE233-7001とかです。

↑中央線のサハはこんなんですね😃

この意味を簡単に申し上げますと、クハは運転制御装置(運転席)のある車両、モハは電動機(モーター)がある車両、サハはそれらが何もない車両を意味しています。


これが何を意味するか。

クハやモハは運転に関する機器類が付随しているために車両重量が重く、振動や騒音が避けられない。

しかし、サハはそれらがないために振動(揺れ)や騒音が少ないという特性があります。

しかも、サハは編成の中央部に配置されることが多く、編成中央部は揺れが少ないのです。

和龍が利用する上野東京ライン10両編成は6・7号車がサハであり、4・5号車がグリーン車のサロとなっています。

グリーン車はサロ(サハの特別車両)と称され、通常は編成の中央部にあります。

東海道新幹線も16両編成中、8、9、10号車がグリーン車ですね☺️


そんなことをK君に教えるとともに、「勉強の方は大丈夫だから!」「勉強の方は仕上がってるから!」と送り出しました。


そんなK君、試験を終えて戻るや否や、

「先生! 電車大丈夫だった! 先生マジ神! 先生本当にありがとう!!」と言うではないですか。

普段はちょっと斜に構えるところがあるK君ですが、この時ばかりは本当に素直な感情をぶつけてきました。


わたしからすると、K君は試験ではなく試験の地に至るまでの交通手段に意識がフォーカスしてしまっている。

しかも「酔ってしまう」と悪い方悪い方に💧


だからそれを取り除き、ちょっと目線を変えてあげただけ、だったのですがK君にはドンピシャではまったようです。

目線を変えたところで、これまでの勉強に不安が向かないよう「(電車酔いさえしなければ)勉強の方は大丈夫!」と仕向けてはおきましたが。


K君は無事T中学校に合格。


後日談ですが、K君はT中学校を首席で卒業したと聞きました。

そんなもんですよ、学力なんて☺️


二月の勝者に触れてそんなことを思い出した和龍です。


二月の勝者のメインキャラである黒木先生も「学習自体」は勿論のこと、その子にとって「学習に有益なものは何か」「学習を阻害するものは何か」を常にチェックしています。

そんなプロフェッショナルな姿勢に感服です。


さて、1月も半ばに差しかかろうとしています。

受験生の皆さん。これまで培ってきたものを、気負うことなく出しきれば「合格」は間違いない。


頑張れすべての受験生❗️