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過日、わたしの継続カウンセリングを受けているMさんと「読書術」のお話になりました。
せっかくのカウンセリング時間に「読書術」のお話もいかがなものかと思いましたが、何らかのインスパイアに繋がるかと思い、お話を進めました。
読書は好き嫌いや、熟読派、速読派、幅広いジャンルを読む、決まったジャンルを読み込むなど、人によって読書スタイルは様々であるところ、わたしは全く違うジャンルの本を並読するようにしています。
ちなみに、今読み進めているのは『仕事に関する9つの嘘』と『仏像に会う 53の仏像の写真と物語』という本です。
『仕事に関する~』はある程度まとまった時間に集中して読み、『仏像に会う~』は就寝前、ややお酒の入ったアタマで眺めるように読んでいます。
就寝前にアタマを使いすぎると交感神経を刺激してしまい、アタマとカラダが休まりませんよね。
だから仏様のありがたいお姿などを拝観し、ゆったりとした気分で眠りにつこうかと😃
もっとも、木工や鋳造技術の進歩や、仏像をめぐる寺院間の争いなどを記した解説を読んでいると、面白くって結局アタマを使ってしまうんですけどね……(-_-;)
さて、なぜわたしが全く違うジャンルの本を並読するのか。
Mさんからも問われましたが……、それは、
読書中に鮮烈なインスパイアやシナジーを感じることが多いから!です。
注:感じ方は個人によって違います。
わたしは経済学(特に中世から近世のイギリス羊毛貿易)が専門ですが、経済学や貿易史の専門書だけを読んでいても深い学びには至りません。
その当時の農業生産、都市問題などから庶民の暮らしを知り、政治体制(王政)、宗教勢力(教会)、外交などが混然となってその時代のイギリスという国をつくり、その空気に思いを馳せないことには深い理解には至らないと思います。
突然話は変わりますが、トヨタのセンチュリー(皇族や要人などのショーファードリブンに使われる超高級車)は、ボディに「几帳面」と呼ばれる精緻なキャラクターラインが用いられており、それがセンチュリーの風格を際立たせています。
「几帳面」とは、平安時代の屏障具(屏風や衝立)の柱の面処理の技法から生まれた言葉です。
また、同車のシンボルである鳳凰のエンブレムは、技工者による手彫りの彫金細工で仕上げられています。
約4千種類、部品数3万点に及ぶ自動車という工業製品において、几帳面や彫金の美が生きている。
エンジニアがセンチュリーを単なる工業製品と捉えていたら、センチュリーはセンチュリー足りえなかったでしょう。
工業製品である自動車と日本の伝統文化ー一見関係ないもの同士ーが高いレベルでインスパイアし、融合し、シナジーを生み出す。
それはまさしく、S.ジョブスが語った「ドットとドットが繋がる」ことの結実であると思います。
脳の機能として、細胞と細胞を繋ぐシナプスの密度が高まり、増殖することで脳の力が高まることが解明されています。
脳が外界からの信号を認知し入力されるとそれがドットとなります。
それと同時にドットとドットが信号を受け、シナプスで繋がることにより新たな創造が生まれます。
興味ある分野を深習することも重要ですが、触手を広げ、それを有機的に結び付ける機会を伺い、シナプスを活性化させることも重要であると思います。
特にカウンセラー/コンサルタントを称する方は、様々なクライアント様の様々な問題に対応するために広範なシナプスが必要でしょう。
なので……、本屋さんに行ってみませんか。
そして、全く興味のない分野の書棚を覗き、手に取ってみませんか。
意外と面白い一冊に出会い、それが思いもよらないインスパイアを与え、シナジーを生むかもしれませんよ☺️