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昨日の朝日新聞の朝刊です。
20年ひきこもり状態だった男性を自立支援を業とする民間施設に預けたところ、アパートの一室で孤独死していたというショッキングな内容でした。
 
この男性の母親(父親は既に他界)は、長期間にわたるひきこもりの長男の身を案じ、「自立のプロにお任せください」と謳うこの施設に藁をも掴む思いで委ねたのだと拝察します。
 
この施設の料金は半年間で910万円。
さらに半年後、契約期間の延長をするために、追加費用として380万円を支払ったとあります。
 
住居費、食費、光熱費、医療機関への受診、適切なカウンセリング、趣味や娯楽に要する費用も含めれば月に20~30万円程度はかかるでしょうか。
これに施設の運営費(人件費や物件費)を加えれば相応の費用がかかることは否定できません。
それにしても「半年間で910万円は高いな」というのがわたしの感想です。
日常生活自立支援事業や自立支援教育訓練給付金などの公的助成制度を利用したり、一時的にでも精神障害者保健福祉手帳などを取得すれば税制面などで負担が軽くなります。
臨床心理士などの公的資格を有する方や、経験豊富なカウンセラーの方が手厚く寄り添ったとしてもこの料金はいかがなものかと思います。
 
この男性も施設の指導でハローワークに通ったり、短期の仕事には就いたようですが、自立とは程遠い状況だったようです。
 
長期間ひきこもり状態にあった方が再び社会生活に復帰するのは並大抵のことではなく、半年間の生活支援やメンタル面でのフォローを以て、社会生活にアジャストできるとは思えません。
なので、半年間という短期間で、さも自立ができるような甘言を弄し、いわんや「自立支援のプロに任せろ」と言って高額の料金で契約させることには「怒り」を覚えます。
もちろん契約者同士が納得してのことなので、わたしが外からどうこう言うことではないのですが。
 
さて、では和龍だったらこの男性にどうアプローチするでしょうか。
わたしはこの男性自身が心の底から自尊心を回復し、自身の存在意義を認知することにあると考えています。
もちろん、こんな言葉で表せるほど簡単なことではありません。
潜在意識の書き換え、インナーチャイルドの癒し、エフィカシーの創出、環境に応じて変化する遺伝子……と教科書どおりにはいかないでしょう。
 
長い間屈折し、疲れ、葛藤し、心の奥底に沈殿した思いを少しずつほぐしながら、小さな傷や錆を落とし磨いていかなければならないのですから。
 
わたしにも不登校でひきこもりにあった長女と共に悩みました。
長女は精神的に荒れた時期もありました。
「今から死にます」とメールが入り、仕事を早退して都心のターミナル駅に迎えに行ったことは何度あったことか。
 
そんな娘も今は結婚して旦那さんと京都市で生活しています。
いろいろあるようですが、家事と旦那さんの仕事の手伝いを頑張っているようです。
優しい旦那さんに助けられています。
【余談】
わたしは仕事で京都市内に行くことが多いのです。
そのたびに「生活に不自由していないかな?」「娘に会いたい」と思いますが、そこはグッと堪えて「いたずらに娘夫婦の生活に入り込むものではない!」と心を鬼にして帰京する和龍です。
 
人間万事塞翁が馬。
禍福は糾える縄の如し。
いつ一条の光が差し込むか分かりません。
絶対に諦めない、投げ出さない、くじけない、自分からゲームセットを宣言しない。
 
一番辛いのはひきこもりの中に在る本人です。
次にそれを見守るご両親であることは痛いほど分かります。
 
しかし、その当事者だけでは思考や行動は堂々巡り、時間だけが過ぎていくのが現実です。
 
こんなに悲しいことはない。
 
先の新聞記事に接し、わたしの経験とカウンセリングメソッドが同じ悩みにある方のお役に立てたらと思い、今日の筆を執りました。
最後はちゃっかりとカウンセリングのご案内ですみません💦