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今回はカウンセリング等とは全く関係ない随想ですが、よろしくお付き合いいただければと思いますm(__)m

紀行作家である宮脇俊三氏が遺した言葉に、
「鉄道を技術とすれば『文明』であるが、趣味とすれば『文化』となる」という名言があります。

名言と言いつつ、言葉の細かな表現は忘れてしまいました💦
しかし、氏が言わんとしたニュアンスは間違えていないはずです。
 
また、氏が敬愛した内田百閒(大正から昭和期の小説家、随想家)は、
「なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う」というこれまた名言を遺しています。
 
当時、東京と大阪を移動するのは大変なことでした。
一日一往復ずつ運転されていた特別急行列車つばめ/はと号で8時間の道のり。
今では東海道新幹線が一日150往復以上運行されています(これでもコロナ禍で減便中)。
のぞみなら2時間30分!  なんと時間にして1/3ですね(^-^)/
 
それを「なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う」と、ちょっと散歩にでも出るかのように飄々と言ってみせる。
この百閒の酔狂さには唖然とさせられた後、逆に居住まいを正したくなるような厳粛さがあります。
なお百閒は、手元不如意のため人から汽車賃を借りるのです( -д-)
百閒は大阪へ向かうはと号の車中、車窓を楽しんだり、鉄道員と会話をしたり、車中の人を観察したり。
 
東京から静岡、名古屋、米原、京都を走り抜けたはと号は大阪に到着します。
 
するとなんと!  百閒は大阪観光などをすることなく帰途につきます。
理由は「用事がある訳ではないから」「汽車に乗るという望みは果たしたから」だそうでこれまた酔狂。
ブッ飛んでますね!
ちなみに、百閒にとって帰途の汽車はあまり楽しくないそうです。
だから行きは一等車を奮発するけれども、帰りは何でもいいそうで……。
 
鉄道を近代技術の粋、単なる移動手段とみれば文明に過ぎませんが、これを楽しみとすれば文化へと昇華する。
これぞ文化人、面白いですね!