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ちょっと変わったテーマですみません。
「鉄道? 興味なーし!」とおっしゃらず、お付き合いいただければ幸いですm(__)m

東京や大阪といった大都市にお住まいの方は実感のないところですが、今地方では「鉄道」が存続の危機にあります。
地方の中小都市を起点として運行している◯◯鉄道とか□□電鉄などといった地方鉄道です。

写真は千葉県の銚子電気鉄道です。

鉄道事業会社の経営が厳しいうえに、近年多発している自然災害によって鉄路が損壊、復旧されずにそのまま廃線になる例が後を絶ちません。
また、JR北海道は宗谷本線の名寄~稚内間や石北本線の新旭川~網走間などの幹線ですら自社のみでは維持することが困難な路線として、道や沿線自治体に支援を求めています。
営業係数(100円の収入を得るために費用がいくらかかるかという指数)でみると、名寄~稚内間は約700、新旭川~網走間は約450。
つまり、走れば走るほど赤字が増える(鉄道輸送という商品を売れば売るほど損失が膨らむ)のです。

そして、沿線に住む方ですら、
「クルマがあれば鉄道は要らないんじゃない」
2時間3時間に一本しかない鉄道に生活を合わせてられないよね。
「鉄道はあった方がいいけど、維持費がかかるのならば廃止も仕方ないのでは」
乗らない鉄道を維持するために沿線の町や村が何千万円も拠出するのはおかしいよ。
こんな論調が大勢であり、また部分的には正解でもあります。
鉄道を廃止し、代替バスを運行した方が小回りがきき、運行本数も停留所も増え、需要に合わせてフレキシブルに運行できることからいいこと尽くしのように感じます。

ただ、ちょっと考えていただきたいのです。
鉄道が無くなるというのは、鉄道の「運行」が無くなるというだけではないのです。

鉄道の運行は理系の総合技術により成り立っています。
例えば、鉄道車両を維持管理するためには、動力である電気制御器や内燃機関(ディーゼル)の保守点検技術が。車体の鉄やアルミニウム、複合素材等の加工工作技術、運転席等を中心とした電気信号技術の継承が必要です。
また、線路の維持管理のためには、築堤や鉄橋、トンネル等を維持するための土木技術、信号等を制御するためのプログラムと電気技術が必要です。
そして、駅舎や車庫(ヤード)を維持管理するためには建築技術が必要ですし、公衆衛生の管理も必要です。

これらをすべて鉄道会社が担うのは困難です。
ですから、各種業務(電気、土木、建設、衛生など)を地元企業に委託しており、結果として多くの人が関わり、少なくないお金を落としているのです。
だからこそ煩雑でコストがかかるともいえるのですが。

それが鉄道の廃止によってパタリと止まってしまうのです。
鉄道が撤退した市町村はほぼ例外なく活気(経済力)が失われます。

それまで鉄道事業者から発注されていた仕事が無くなると、人がいなくなる、技術がなくなる、資材の調達がなくなるからです。
もちろんそれらのビジネスで往来していた人も激減。

鉄道の廃止は、単に鉄道事業者と乗客だけの問題ではないのです。

わたしは道北や道東の鉄道が好きで、何度となく乗り鉄に出向いていますが、寂涼茫漠の中を進む20世紀の技術の粋に感激します。
専門的なことを書きますと、幹線に比べ地方鉄道はレールが細く短く、昔ながらのコトコトとした乗り味が楽しめます。
ガタンゴトンとか、カタッコトッ…カタッコトッ…というアレですね。

写真は北海道を旅行した時のものです。

繁忙な日常を送られている方、日常のルーティンから抜け出し新たなインスパイアを欲している方は地方鉄道を訪ねてみてはいかがでしょうか?
普段と違うところに身を置き、静かにもの思いに耽る時間は貴重ですよ☺️