ドイツの有名なお菓子
バームクーヘンと
シュトレンが
振る舞われる

本番のバームクーヘン
やシュトレンをたべれる
なんて!ラッキー♪

バームクーヘンは
ずっしりと
重く味わい深い

シュトレンは思いのほか
中は軽く美味しさ
11月となり市場に
出始めとか
クリスマスまでに
時間があるためなのか
ふんわり感あり

その2つを食べられた
だけで幸運なのに
さらに
チョコレートを頂戴す

別れ際に
ごそごそと紙袋の下から
細い紺の紐がかけてある
白い箱が
甥っ子の分厚い手が
『ドイツのチョコレート
 を食べてください』
私に差し出す

ドイツからの
チョコレート
大好きなチョコレート

彼のとつとつ話す
兄に似た笑顔が
優しげに私に差し出す

どんな想いで
これらのお菓子を
買い求め
帰国したのだろう

亡くなった兄もデパートの
高級なお菓子を買い
皆にお土産に持って
帰省していた

彼は誰も知らない国で
手術を担当出来ない年月
を腐ることなく
手術方法を図解し
それがドイツの医学界に
彼ほど術式に詳しい人は
いないと知らしめる

今は認められ
多くの難しい手術をする
外科医
そんな彼が自然体で
奢ることなく彼らしく
存在する事こそ尊敬する
誇りに思う

残された甥っ子達
彼らなら大丈夫だと確信し
チョコレートの
一粒、ひとつぶを食す

故人兄、姉の代わりに
大切に食す