近くにテニスコートがある
高校生の声が飛び交い
ボールの弾ける音が響く
コートの横の道をとおると
力強い声であいさつが飛んでくる

ちっさい老婆が
とぼとぼ歩いていても
絶望の淵を歩くわたしにも

一人がつらくって
何度もテニスコートの横の
道を選んで歩いた

今は『ありがとう』の
気持ち込めて元気に返す

あなた達におばぁちゃんは
何度も救われたのよ
孤独で冷たい部屋にまっすぐ
帰れなかった頃に

一人でも、年を取っていても
再起不能な夫抱えても
日々の暮らしはつづく

でも、もう大丈夫と思う
若者に幸あれ
あなた達には残酷なことが
起こりませんように願う