第10章 「天使の涙」 タイトル 「天使の羽」 851第10章 天使の涙 年が明けると、沙希とひなたは 病院の近所の神社に初詣に行った。 ひなたは立ち上がることができた報告と、 感謝を込めて、手を合わせた。 沙希の願いは……。「何を祈ったの?」 沙希はハニかんだ。「教えない……」「今年はみんなのためじゃなく、 自分のために祈ったら?」 ひなたは去年のことを思い出していた。 みんなが幸せになりますようであった。 去年の沙希の願いは、 神様にお願いしたの」 でも何もしてあげられないから、「私に親切にしてくれるみんなが好き。