虐待があれば、
病院には警察への報告の義務がある。
しかし虐待の多くが見過ごされ、
被害が死に至って始めて、
虐待があったと認めることが多い。
いろんな虐待事件の多くが、
事件になって初めて、
責任問題が騒がれ、
児童相談所や、
いろんな責任機関どおしが、
罪のなすりあいになる場合が多い。
小春は事件に対して
目をそらしているのではないか。
それはみんなが感じていることだ。
しかしそれを口にする人はいない。
拓海が沙希に会いたいと言えば、
会わせざるおえない。
面倒をみたいといえば、
やはり拓海に沙希をかえすしかないのだ。
また、拓海が沙希を虐待するかもしれないのに。
結局ひなたにはどうすることもできないのだ。