鈴音にはまだ自信が持てなかった。
「じゃあさ、賭けない」
「賭ける?」
「翔太さんが世界選手権で
4回転ジャンプを
成功するかどうか?」
翔太は4回転ジャンプを飛ぶと約束した。
「分かった。私、翔太が
4回転ジャンプ成功するほうに賭ける」
「えっ、鈴音も翔太さんに賭けたら、
賭けになんないよ」
「だね」
鈴音は笑った。
とりあえず信じてみよう。
翔太が跳ぶと約束したんだ。
翔太ならきっと跳ぶ。
そのくらいの奇跡見せてよ。
だって4回転ジャンプを跳ぶと
奇跡が起こるんだから。
それって、とっても素敵なことだから。